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タムロン 17-50mm F/4 Di III VXD レンズレビューVol.3 解像チャート 編

「17-50mm F/4 Di III VXD」のレビュー第三弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使い、α7R Vと組み合わせた際の近距離解像性能をチェックしています。

17-50mm F/4 Di III VXDのレビュー一覧

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:α7R V
  • 交換レンズ:17-50mm F/4 Di III VXD
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正 オン
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

17mm

中央は絞り開放から非常に良好な結果。その一方、周辺はコントラストが低く、隅は甘めの結果。F5.6-8まで絞ると改善しますが、中央に近い解像性能やコントラストは得られません。遠景の解像性能と比べると、隅に向かって画質低下が大きい模様。接写時にシャープなピント面を得たい場合、できるだけフレームの中央に配置するのがおススメです。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F4.0 4443
F5.6 4397 3458
F8.0 4429 3567 2958
F11 4414 3259 3192
F16 3889 3349 2932
F22 3416 2824 2882

実写確認

20mm

周辺部や隅の絞り開放は依然としてソフトですが、F5.6まで絞ると改善します。コントラストは完璧と言い難いものの、画像処理次第ではシャープな結果を得ることができそうです。周辺や隅はF5.6以降に大きな改善は見られません。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F4.0 3958 2204
F5.6 4466 3798 3093
F8.0 4466 3774 3223
F11 4461 3512 3191
F16 3927 3185 2944
F22 3275 2930 2591

実写確認

24mm

基本的に20mmと同じ傾向が続きます。F5.6で周辺や隅は改善しますが、それ以上絞っても大きな変化はありません。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F4.0 3919 2980
F5.6 4508 3848 3017
F8.0 4519 3819 3149
F11 4539 3550 3364
F16 3745 3047 2739
F22 3285 2795 2530

実写確認

28mm

20mmと24mmと同じ傾向ですが、中央のピーク値が低下しているのか絞った際の画質低下が早い。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F4.0 3812 2228
F5.6 4546 3807 2917
F8.0 4497 3802 2858
F11 4052 3624 2934
F16 3642 3184 2829
F22 3183 2722 2409

実写確認

35mm

中央のピークが低下し、絞っても改善は期待できません。周辺や隅は広角側と比べると安定しており、結果的に均質性の高い結果を得ることができます。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F4.0 3894 2777 1877
F5.6 3707 3526 2659
F8.0 3932 3509 2792
F11 3668 3408 3075
F16 3624 3047 2762
F22 2958 2477 2460

実写確認

50mm

中央のピークは低いものの、周辺や隅の絞り開放はズーム全域で最も良好。ただし、絞っても改善することはなく、ピークの性能は35mmのほうが良好。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F4.0 4042 3139 2519
F5.6 3861 3155 2774
F8.0 3812 3225 2567
F11 3877 3243 2551
F16 3208 2883 2502
F22 2755 2441 2232

実写確認

競合レンズとの比較

遠景解像のテストではソニーと比べて特に周辺部や隅が良好に見えましたが、接写時は全体的にソニーのほうが優れているように見えます。特に周辺や隅の安定感が圧倒的に異なり、接写時に被写体を中央以外に配置してもシャープなピント面を得やすいレンズとなっています。

まとめ

近距離での撮影では、ズーム全域で良好な中央解像を得ることができる一方、周辺部や隅はパフォーマンスが大きく低下するようです。と言っても、広角レンズで接写する際に周辺部や隅に被写体を配置する機会はそう多く無いはず。中央・中央付近にピントを合わせた際に、フレーム全体を被写界深度内に収めるのも難しいはず(ピントが外れる可能性が高い)。周辺部の甘さを過度に心配する必要はありません。また、50mm付近はピーク値こそ低下するものの、周辺部や隅も安定した結果を期待できます。

接写時の周辺部・隅は極端に像が乱れるわけでもないので、クローズアップしなければ特に気にならない程度。ただ、(接写時の)像面湾曲はやや目立つため、フラットな被写体を正面から捉えたい場合は絞るか、別のレンズを検討したほうが良いと思います。

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