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フルサイズミラーレス徹底比較 EOS R・Nikon Z 7・α7 IIIの違い【ファインダー編】

ソニーα7 IIIを使い始めて約1年(間3か月のブランクあり)、ニコンZ 7・キヤノンEOS Rを使い始めて約半年。ある程度使い込んだので腰を据えてじっくり比較レビュー。全てを1ページに詰め込むと凄まじい量となるため、細分化して徐々に掲載していこうと思います。

第2回はファインダー仕様について。Nikon Z 7は価格帯の違うカメラですが、基本的にEOS Rやα7 IIIと似たような価格帯のZ 6がZ 7と同じ仕様であることを踏まえてレビューしています。

徹底比較 ファインダー編

アイカップ

EOS R 脱着不可の幅広アイカップ

EOS Rのゴム製アイカップは長いアイポイントの割に浅めの形状となっています。このため、遮光性はあまり良くありません(アイカップに目を押し付ける必要あり)。その一方で眼鏡着用者には嬉しい仕様(後述)。

アイカップは下部でネジ止めされているため簡単に外れない仕組みとなっています。脱落防止の観点ではこの上ない対策と言えますが、アイカップ交換やメンテナンス性を考えると厳しい仕様。

汚れたり破損した場合の予備パーツは無いためサービスセンターへの持ち込み必須なので取り扱いには注意。

Nikon Z 7 遮光性良好の深底アイカップ

Nikon Z 7のアイカップ(ニコンではアイピースと呼ばれている)は一眼レフ上位シリーズのようなネジ式丸型では無く、D750のように上から被せるタイプとなっています。

EOS Rと異なりネジで固定されていないため脱落する可能性はあります。ただし、予備パーツが500円程度で販売されているので交換や紛失時の補填は簡単。

3機種中で最も遮光性の良い深底の形状となっているので(裸眼・コンタクトレンズでは)使いやすい印象。

α7 III 遮光性が悪いものの収納性良好

α7 IIIのアイカップは3機種中で最も浅く、遮光性が悪い。アイカップに目を押しあてたとしても、視野はアイカップですっぽり覆われず、どうしても光が入ります。場合によって写りこみが気になる場合もあるでしょう。α7 III対応の社外製大型アイカップが存在するので遮光性が気になる人は交換推奨。

その一方で、カメラ背面からファインダーが突出していないためカメラバッグへの収納性は比較的良好となっています。

ちなみにゴミの付着率はα7 IIIが最も高い。びっくりするほどゴミが吸着して離れない。

ファインダー倍率とアイポイント

R Z 7 α7 III
ファインダー倍率 0.76倍 0.80倍 0.78倍
アイポイント 23mm 21mm 18.3mm

眼鏡でも見やすいEOS R

最も長いアイポイントを持つEOS Rは眼鏡着用者に嬉しい仕様。アイポイントが長い割にアイカップが浅いので眼鏡を押しあてる余裕があり、ファインダー像にケラれが発生しません。ファインダーがカメラ背面から突出しており、鼻が背面モニタに当たりにくいのも良い。ユーザービリティに優れたファインダー。

バランスが良いのか、裸眼で覗いてもα7 IIIよりファインダー像が大きく見える不思議。

裸眼だと最高のNikon Z 7

Nikon Z 7は程よいアイポイント長と高ファインダー倍率で裸眼時の見え具合は最高。ただし、アイカップが深いので眼鏡を装着するとファインダー像がケラレてしまう。

α7 IIより良いが他2台と比べると厳しい α7 III

α7 IIIはα7 IIからα7R IIのファインダー仕様へとグレードアップ。ファインダー倍率が0.71倍から0.78倍へ大きく向上。しかし、他2台と比べてアイポイントが「18.3mm」と非常に短くEOS Rのファインダー像より見づらく感じてしまうのが残念。

当然ながら眼鏡装着でファインダー像がケラる上に鼻が背面モニターに当たってしまうなど使い辛さが目立つ。

ファインダー形式と解像度

R Z 7 α7 III
方式 OLED OLED OLED
解像度 369万ドット 369万ドット 236万ドット

スペックシートだけ見ると3機種すべてOLEDを利用し、EOS RとZ 7は新しい369万ドットを、α7R IIの御下がりとなるα7 IIIはやや低めの236万ドット仕様。

正直に言うと解像度の差はそこまで大きく感じません。まぁ236万ドットのα7 IIIは多少ドット感のあるファインダー像ですが、そこまで問題は無いかなと。

光学系と見やすさ

ライブビューの見やすさ(低照度・情報表示など)は別途ページを分けて公開予定です

こだわりの光学系は伊達じゃない Nikon Z 7

最も見やすいと感じるのはNikon Z 7。ファインダー像が0.80倍と大きいにも関わらず、四隅まで色ずれが少なくとてもシャープなファインダー像。

さらに発色が良く、高い解像性能も手伝って電子ビューファインダーの中ではトップクラスと感じます。やや広めにダイナミックレンジを再現する傾向があり、特に風景など輝度差のあるシーンで使いやすい。

アイポイントの短さが足かせとなる α7 III

α7 IIIの光学系は悪く無いものの、やはりアイポイントの短さや遮光性の悪いアイカップが悪さして見えづらくなっている印象が強い。また、Z 7の光学系と見比べるとフレーム端や四隅は見劣りする。

Z 7と比べるとコントラストは強めとなるので輝度差が激しいと暗部の調子を確認し辛い。

α7 IIIの「表示画質」

α7 IIIには「表示画質」という設定項目があり、初期設定ではこれが「標準」に設定されています。バッテリー消費は上がるものの「高画質」に設定しなおすことで大きく改善が可能ですのでお試しあれ。(モアレ・偽色は目に見えて改善します)

バランスが良く不満の無い見え具合のEOS R

EOS Rは四隅がやや樽型歪曲のように感じますが、ファインダー倍率を抑えて安定した光学性能のファインダー。しかし、Z 7と比べるとフレーム端の色ずれが目立つ。

前述通りバランスが良いのでスペックシートよりも見やすく感じる。コントラストの傾向はZ 7よりもα7 IIIに似ているが発色は比較的サッパリとしている印象。

EVF/LCD切替ボタン

Z 7は専用ボタンをファインダー側面に配置しています。EOS Rとα7 IIIはボタンカスタマイズで任意のボタンに割当可能。

高機能でボタン数が少ないと感じるミラーレスいおいてEVF/LCD切替用にボタンを割く余裕は無し。出来ればZ 7やLUMIX Sシリーズのようにファインダー側面に専用ボタンを配置して欲しいところ。

アイセンサー

顔がファインダーに近づくと自動的に背面モニターからファインダーへ表示を切り替えてくれるセンサーがコレ。

Z 7とα7 IIIがファインダー上部に、EOS Rがファインダー下部にアイセンサーを配置。アイカップに隠れているZ 7やα7 IIIと異なり、EOS Rはセンサーが露出しているので水滴などによる誤作動が多いかもしれません。

センサーの感度は3機種とも同程度、だいたい3?4cm程度の距離で反応します。

アイセンサー自動オフ機能を備えるα7 III

α7 IIIのみチルトモニタを傾けた時に自動でアイセンサーがオフとなる仕様。EOS RやZ 7はモニタを傾けてもアイセンサーがオンの状態となっているので誤作動で背面モニタが消灯してしまうのはイラっとする。この仕様は是非ともソニーを見習ってほしい。

リフレッシュレート

R Z 7 α7 III
リフレッシュレート 省電力優先
なめらかさ優先
60 fps? 60 fps

EOS RやNikon Z 7は具体的な数値を公開していませんが、海外の情報や実際に使ってみた印象としてはα7 IIIと同じ60fps。さらにEOS Rは省電力モードでリフレッシュレートを30fps程度まで下げることが可能です。

コーティング

R Z 7 α7 III
コーティング 不明 フッ素 T*

EOS Rはファインダーに関するコーティングは何も記述が無いので不明。

Nikon Z 7は接眼面にフッ素コーティングが施されているのでメンテナンス性がとても良好。

α7 IIIはレンズと同じT*コーティングを採用している模様。上位機種のα7R IIIはさらにフッ素コーティングが施されていますが、α7 IIIではその記述が見当たりません。

ファインダー像への写りこみはZ 7>EOS R>α7 IIIの順で良好。当然アイカップの形状も影響しており、コーティングよりアイカップの影響が大きいように思われます。

調整機能

R Z 7 α7 III
視度調整機能 ?4.0?+2.0m-1 -4?+2m-1 -4.0-+3.0m-1
色温度調整機能 暖色、標準、寒色1、寒色2 10×10(100通り) 5段階
明るさ調節機能 5段階 11段階 5段階

視度調整はα7 IIIの自由度がやや高い。個人的にはRやZ 7の調整範囲で収まってしまう視力なので恩恵を受けませんが、この調整範囲が重要となってくる人もいることでしょう。

EOS Rとα7 IIIが色温度を4?5段階で調整できるのに対し、Z 7はホワイトバランスと同じく10×10通りのカラーカスタマイズが可能。また、明るさ調整もEOS Rやα7 IIIより細かく調整可能となっています。

こだわりのニコン・バランスのキヤノン・機能的なソニー

フルサイズミラーレス導入モデルらしく、Nikon Z 7もEOS Rも力の入ったファインダーだと感じます。

特にZ 7は力の入ったファインダー仕様となっており、同じ仕様のファインダーがより低価格なZ 6にも導入されているのだから驚き。明るさやカラー調整の自由度も高く、ファインダーのコストパフォーマンスで言えば圧倒的にZ 6と言うことが出来るでしょう。(Z 7の同価格帯だとLUMIX S1がえげつないファインダー載せてきましたね)

一方でキヤノンEOS Rは抜群の性能では無いものの、思ったよりも見やすく悪く無いファインダー像。特に下位モデル「EOS RP」とファインダー像を見比べると一目瞭然。EOS RPの携帯性も魅力的ですが、やはりEOS Rのファインダー像は欠かせない気がします。

α7 IIIのファインダーも悪くありませんが、他2台と見比べてしまうと見劣りしてしまうのは事実。特にアイカップ形状とアイポイントの短さが大きく影響しており、ファインダー像への写りこみや四隅の圧迫感が厳しい。ただし、社外製アクセサリーにより遮光性は大きく向上させることが出来るので、裸眼ならまずまず満足できるクオリティだと思います。

チルトモニタ展開時のアイセンサー自動オフはα7 IIIのみ。これが実写では利いてくる、評価に値するポイント。

今回使用した機材

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