このページではパナソニックのマイクロフォーサーズ用交換レンズ「LEICA DG Vario-Summilux 10-25mm F1.7 ASPH」の外観・操作性のレビューを公開しています。
LEICA DG 10-25mm F1.7 ASPH 外観
ポイント
- レンズケースはいつも通り
- 総金属製の頑丈なレンズの作り
- 見た目ほど重く感じない
- 2.5倍光学ズームレンズとしては回転角が大きい
- リニア操作に対応するクラッチ式MF
- 無段階で動画撮影に適した絞りリング
箱・同梱品
Leica DGシリーズではお馴染みの黒い箱。特筆すべき項目はありませんが、マイクロフォーサーズ用レンズの中では大きな箱となっているので保管したい人は留意しておくと良いでしょう。箱の中にはレンズ本体の他に、レンズフード、ソフトケース、説明書、保証書が同梱しています。このレンズの価格を考慮するともう少し頑丈なレンズケースを付属して欲しかったところ。
外装
レンズ本体の外観は他のLEICA DGズームと基本的に同じ。全ての操作リングと外装が金属製のしっかりとした作り。価格を考慮すると妥当な堅牢性と言えるでしょう。これで殴られたら痛そうです。ちなみに製造国は中国。
重量は約690g。総金属鏡筒に加えて10-25mmのF1.7超大口径ズームと考えると想像していたより軽い。確かにマイクロフォーサーズ用レンズの中では重く大きな部類のレンズですが、LUMIX G9やE-M1Xなど適切なサイズのカメラグリップがあれば悪く無い操作性かと思います。
ズーム動作・ズームリング
ズーミングで内筒が伸び縮みするタイプのレンズです。一般的に広角端で内筒が最も短くなりますが、このレンズは12?14mmの間で内筒が最も短くなります。この特性はM.ZUKO 12-40mm F2.8 PROと似ていますね。使い始めは気持ち悪さがあるものの、慣れてくると特に違和感は感じません。10mm側では僅かに伸び、25mm時に最も内筒が伸びます。
ズームリングの回転角は約90度であり、2.5倍ズームとしてはやや大きめ。素早いズーム操作には適していませんが、動画撮影時に緩やかなズーム操作をするなら便利と感じることでしょう。全体的に滑らかな操作が可能ですが、ズームレンジ両端に到達する際の抵抗量が少し大きい。
レンズフード
レンズフードはプラスチック製の花形で、側面に一か所ロック機構があります。内側に植毛はされておらず、反射防止用の切り込みが施されているのみ。
レンズフードの脱着で特にこれと言った問題点は無し。逆さ付け可能ですが、絞りリングの操作と干渉するので使用時は順付けか取り外してしまうのがおススメ。
M.ZUIKO 12-100mm F4 IS PROとの比較
レンズ直径は12-100RROと比べて明らかに大きいものの、レンズ全長は似ています。このため、収納性や携帯性は同じ感覚で使うことが可能。
前玉・後玉
マイクロフォーサーズ用レンズとしては最も大きい77mmフィルターを使用。これは「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」や「LEICA DG ELMARIT 200mm/F2.8/POWER O.I.S.」と同様ですが、他のレンズと比べるとかなり大きなフィルター径です(他は大きくても72mmや67mm)。
撥水撥油の特性を持つフッ素コーティングの使用は明記されていないので、この特性が必要であればプロテクトフィルターを用意しておくと良いでしょう。
後玉はマウント面に固定され動きません。レンズマウント周囲は防塵防滴用のガスケットが施されています。
フォーカスリング
他のレンズと同じくバイワイヤ式の電子制御ですが、フォーカスリングを手前にスライドすると表示されたピント距離に連動するリニアな操作性のマニュアルフォーカスを利用可能です。この際の回転角(近接?無限遠)は約90度。接写性能を考慮すると回転角は小さめですが、微調整が必要な場合はクラッチを前にスライドし、カメラ側からMFモードへ移行することで加速度に対応したマニュアルフォーカスを利用可能。
フォーカスリングは前後のクラッチに関わらず、適切な抵抗量で滑らかに回転します。最高の操作性と言うには少し滑らかさが足りないように感じますが、誤操作は少ないかと思います。
絞りリング
他のLEICA DGレンズと異なり、無段階の絞りリングを搭載。動画を想定した操作性となっており、静止画用途としては少し違和感を覚えるかもしれません。
静止画用としては、絞りリングのサイズ・配置・操作性がイマイチで手持ち撮影で小まめに操作したいデザインとは感じません。正直に言うとLUMIX G9のような大型ボディならば、ボディ側で操作した方が楽です。LUMIX GFやGMなど、カメラ側で絞り操作が面倒な場合はアリかなと思います。
LUMIX G9 PROとの組み合わせ
マイクロフォーサーズの中でも大きなボディであるLUMIX G9 PROと組み合わせてもレンズが大きいと感じます。レンズ直径が太く、カメラ底面より下に飛び出してしまう点は気を付けるべき(ロングプレートなどに固定する際は干渉するかもしれません)。
見た目に反してハンドリングは良好。前述したようにM.ZUIKO 12-100mm F4 IS PROと組み合わせた際と大きく変わらない操作性です。
雑感
見た目に反して良好なハンドリングなので、適切なグリップサイズのボディで使えば他のズームレンズと同じ感覚で使うことが可能。
スペック、操作性、そして公式ウェブサイトでも記述があるように、動画を強く意識した外観・操作性。もちろん静止画でも全く問題を感じませんが、このレンズデザインの恩恵を最大限享受できるのは動画撮影のはず。
今回使用した機材
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