このページではオリンパスのミラーレス用交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」のレビューを公開。連載6回目はOM-D E-M1 Mark IIIに装着してコマ収差テストを実施しています。
レンズのおさらい
主な特徴
オリンパス3本目となるPROシリーズの標準ズームレンズ。一般的なズームレンジを開放F値「F4」でカバーするベーシックな仕様。割と没個性的。
人気の高い他の2本「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」が存在する中、このレンズの存在価値があるのか?と考えてしまう人も多いはず。
このレンズの大きな特徴は主に2つ。「高い光学性能」と「IPX1規格に準拠する高い防塵防滴仕様」を兼ね備えた非常にコンパクトなF4ズームレンズであること。そして「PROシリーズ」の中では最も手ごろな価格設定のレンズであること。
小型軽量ながら12枚のレンズ構成中で9枚の特殊レンズを使用、諸収差を効果的に補正する光学設計です。254gと軽量ながら9点の防塵防滴用シーリングが施され、オリンパス製カメラと組み合わせることでIPX1規格に準拠した耐候性を発揮。一眼カメラで「IPX1」規格と明確に基準を主張しているメーカーはオリンパスくらいのはず。
決して明るいレンズでも、安いレンズでもありませんが、「携帯性・耐候性・光学性能」この3つを高水準に纏めたレンズが12-45mm F4 PROなのです。正直なところ、刺さる人は少ないと思いますが、この3つのバランスが必要な人にとって非常におススメできるレンズに仕上がっています。
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撮影環境
メモ
- 撮影日:2020年3月31日 夜
- OM-D E-M1 Mark III
- M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4 PRO
- Leofoto LS-365C+Leofoto G4
- ISO 800 固定
- 絞り優先AE
- Adobe Lightroom Classic CC
(RAW現像・クロップで使用) - シャープネス設定「0」
- Adobe Photoshop CC
(合成処理で使用)
12mm
メモ
コマ収差補正が完璧では無く、像高8割から外側でやや目立つ。光学的な歪曲収差を無理やり引き延ばしていることが影響している可能性あり。これは遠景解像テストで甘かった部分とほぼ同じ傾向。
ちなみに点光源の変形はF5.6まで絞ってもあまり改善せず、F8まで絞ってやっと解消。
光条はF8まで綺麗に発生しているものの、F11以降は回折の影響もあるのか非常に不自然な描写。
14mm
メモ
12mmと同じく絞り開放における四隅でコマ収差の影響あり。やはり歪曲収差の大きな補正が適用されているので12mmと似たような変形状態となっている。
ただし、1段絞ると完全に解消する点で12mmと異なる。
光条の生成具合は12mmと同じ。
18mm
メモ
12~14mmと形状が異なるものの、コマ収差の影響を受けている模様。いかにもコマフレアっぽい形状。このあたりから歪曲収差の影響が小さくなるのでコマフレアの形状が変化したか?14mmと同じくF5.6まで絞ると大きく改善。
光条の生成具合は12?14mmと同じ。
25mm
メモ
基本的に18mmと同じ傾向。
35mm
メモ
25mmとほぼ同じ。
45mm
メモ
12?35mmとは異なる形状のコマ収差が発生。影響度合いは18?35mmと同じくF5.6まで絞ればほぼ解消。
コマ収差テスト雑感
満足度:80点
全体的に良好なパフォーマンスの本レンズにおいて少しウィークポイントと感じるカテゴリ。
テスト結果は「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO」より悪く、改善に1?2段絞らないといけないのでイルミネーションや天体撮影との相性は悪い。(F4と暗いレンズなのでそもそも相性はあまり良く無い)特に広角側は強い歪曲収差補正の影響を受けているので四隅に引き延ばされるような形状。
ただし影響を受けるのは像高8割から外側であり、全体的な外観を損ねる程の収差量では無し。大きな問題と感じる人は多く無いはず。
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