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NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR レンズレビュー Vol.3 解像チャート 編

ニコン「NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR」のレビュー第三弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使い、Z 8と組み合わせた際の近距離解像性能をチェックしています。

NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VRのレビュー一覧

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:Z 8
  • 交換レンズ:NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 64 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

180mm

中央から隅に向かって性能が大きく低下するものの、中央に関しては絞り開放F5.6から非常に良好な性能を発揮。周辺部も良好ですが、中央と比べると1グレード低め。F8まで絞ると少し改善します。隅は描写が乱れがちで、F8までソフト。F8でも完璧からは程遠く、F11まで絞る必要があります。ただし、絞ったとしても中央や周辺部には追い付きません。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F5.6 4342 3145
F8.0 4731 3819 2067
F11 4673 3800 2818
F16 4247 3644 2886
F22 3322 3920 2800
F32 2551 2340 2267

実写確認

300mm

基本的には180mmと同じ傾向が続きます。極めてシャープな中央解像から隅に向かって大きく低下。ただし、隅の性能は180mmほどソフトではなく、ピークは若干向上。隅の性能が必要なければ、基本的に絞り開放からピークの性能と言えるでしょう。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F6.0 4757 3914 2581
F8.0 4777 3958 2897
F11 4579 3977 3220
F16 3904 3842 3220
F22 3359 3148 3052
F32 2632 2532 2396
F36 2516 2243 2282

実写確認

400mm

周辺部や隅の性能が向上し、中央に近い結果を得ることが出来ます。非常に均質性の高い結果であり、このズームレンズにおけるスウィートスポット。F6.0から非常に良好ですが、F8まで絞ると周辺部や隅の性能がピークとなります。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F6.0 4777 3895 3478
F8.0 4420 4285 4214
F11 4777 4362 3341
F16 4162 3707 3350
F22 3379 3206 2825
F32 2396 2493 2127
F36 2139 2262 2050

実写確認

500mm

400mmと比べると周辺や隅が性能低下。周辺はF8まで絞ると改善しますが、隅は向上しません。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F6.3 4420 3236 3379
F8.0 4754 4305 3448
F11 4735 4019 3560
F16 4226 3682 3285
F22 3447 3160 3110
F32 2436 2245 2245
F36 2220 2132 2105

実写確認

600mm

中央は望遠端の600mmでも非常に良好な性能を発揮。周辺部もそれに近い結果を得ることが出来ます。隅のみ性能が大きく低下するものの、2段絞ると改善。

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F6.3 4286 3984 2359
F8.0 4613 3913 2827
F11 4668 3613 3276
F16 4306 3613 3257
F22 3342 2958 2934
F32 2397 2153 2316
F36 2340 2097 1910

実写確認

まとめ

インナーズームタイプの600mmクラスとしては最短撮影距離が短く、小さな被写体をクローズアップできるレンズですが、接写時は周辺部や隅のパフォーマンスがガタっと低下するようです。特に広角側で顕著となり、望遠端でもその傾向あり。ピークは400mmで、絞り開放から均質性の高い結果を得ることができます。接写時に周辺部や隅の解像性能が必要となるシーンはそう多くないかもしれませんが、必要な時はF8~F11まで絞ることで安定感のある結果を得ることが可能。ただし、切れ味を重視する場合は出来るだけ中央に被写体を配置したほうが良いでしょう。

購入早見表

作例

オリジナルデータはFlickrにて公開。

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