OM SYSTEMのフラッグシップモデル「OM-1」を1か月ほど使った経験談をレビュー記事として公開。初めから伝え続けているように、粗削りながらポテンシャルの高いカメラに仕上がっています。
Index
OM-1のレビュー一覧
- OM SYSTEM OM-1 徹底レビュー 完全版
- OM SYSTEM OM-1を使いやすくするためのカスタマイズ解説
- OM SYSTEM「OM-1」徹底レビュー Vol.5 ダイナミックレンジ編
- OM SYSTEM「OM-1」徹底レビュー Vol.4 オートフォーカス編
- OM SYSTEM OM-1を一か月使って感じた良いところ・悪いところ
- OM SYSTEM「OM-1」徹底レビュー Vol.4 ISO感度ノイズ編
- OM SYSTEM OM-1で野鳥を撮影する
- OM SYSTEM「OM-1」徹底レビュー Vol.3 連写・ドライブ編
- OM SYSTEM OM-1に最適なSD UHS-IIカードはどれか?
- OM SYSTEM「OM-1」徹底レビュー Vol.2 メニュー編
OM-1 第一印象
オートフォーカス
応答性
クアッドピクセル方式を採用し、フレーム全域でクロスタイプ像面位相差AFに対応。さらに積層型CMOSセンサーのスキャンレートも手伝ってか応答性の高いオートフォーカスに仕上がっている。PROシリーズのレンズと組み合わせることで(精度や信頼性はともかく)驚異的な応答性のフォーカスを体験できる。
大デフォーカス時は合焦速度が低下するものの、それでもピントの迷いは少なく、快適に利用できる。中程度のデフォーカス状態であれば瞬間的にピントを合わせることが可能だ。(精度や信頼性はともかく)間違いなく瞬発力はある。
フォーカスエリア
従来の121点エリアから、フレーム全域を1053点でカバーする広範囲・高密度のAFシステムへと進化している。ただし、初期接点の「Single」は操作性を重視して測距点が間引かれている(図のグレーアウトしている部分)ので注意が必要である。全ての測距点を使い、細かくターゲットエリアを調整したい場合、カスタムモードをオンにしてスキップしない設定(1×1)を利用する必要がある。
ターゲットモードのシステムは基本的に従来機を踏襲しているが、ターゲットモード名称が変わり、メニュー画面のデザインも大幅に変わっている。新デザインが使いやすい・見やすいかどうかは個人差があると思うが、個人的には少し使い辛く感じた。
被写体認識
被写体認識はAFモードやAFグループのエリア設定に関係なく使用可能だ。ただし、通常の顔検出・瞳検出と組み合わせることはできない。鳥に加えて動物にも対応。犬や猫のみならず、小型生物や昆虫、魚類などでも反応する。ただし、被写体や撮影環境によっては検出が途切れやすく、1点フォーカスと組み合わせると検出した被写体と1点AFエリアをピントが行き来する可能性がある。そんな時は後述するC-AF+TRとの組み合わせが必要と感じる場合があったり、それでも難しい場合もある。
動画を見ていただくと分かると思うが、被写体を検出するものの頭部や瞳を検出するのは散発的だ。瞳や頭部を検出しない場合、補足した被写体(もしくはフレーム内)の最も手前にピントを合わせる傾向がある。このため、瞳では無く鼻先や翼にピントが移っている場合も多々あった。キヤノンのように瞳を常時検出するAFシステムと比べると改善の余地が残されている。
トラッキングAF
OM-1のトラッキングAFは従来機も実装している「C-AF+TR」だ。このモードは追従を始めたらフレーム全域を使って補足した被写体を追いかけるシステムである。キヤノンの追従優先AFやニコンの3Dトラッキング、ソニーのロックオンAFと似たシステムだ。ただし、競合他社と比べると、追従性能はかなり悪い。特に水平・垂直方向に被写体が移動する場合、他の部分にターゲットエリアが乗り移りやすく、いまいち信頼性に欠けるシステムとなっている。もちろん成功する場合もあるが、絶対に外せないシーンで使おうとは思わない。今のところC-AF+TRは常に被写体認識でターゲットを検出しておく必要があると感じる。
低照度AF
OM-1のAFは全点クロスタイプの位相差検出に対応している。横線と縦線に反応するので、低照度・低コントラストなシーンでもまずまず良好にAFが動作する。夜のイルミネーションでF4ズームを使用しても、(合焦速度は遅くなるが)AFが迷うことは少なかった。
連写・ドライブ
連写速度
追従AF時に50fps、AF/AE固定で120fpsの連写まで可能。どちらもRAW出力に対応しており、ワンショット時と同じ画質で連写できるのは驚異的だ。少なくともOM-1の価格帯で30fps以上の連写速度を重視するのであれば面白い選択肢である。
問題は連写後だ。ソニーなどは連写中のカットをグループ化でき、ミスショットの場合はまとめて消去することが出来る。一方でOM-1にはグループ化機能がなく、ミスショットの場合は画像をいちいち選択して消去しなければならない。特に50-120fpsの超高速連写でミスショットが発生すると苦痛である。消去が難しいので、超高速連写が使い辛く感じ、せっかくの50fpsを避ける場合もある。これは非常にもったいない。
バッファ
OM-1の問題点の一つ。
抜群の連写速度を備えているにも関わらず、RAWの連続撮影枚数は90枚まで。それ以降はSDカードへの書き込み速度がボトルネックとなり連写速度が著しく低下する。バッファ容量(約90枚のRAW)そのものは個人的に気にならないが、その後のバッファクリアが遅く、(バッファが空となり)次のシャッターチャンスに備えるまで待ち時間が発生してしまうのが悩ましい。
手持ちのSD UHS-IIカード(Sony、Transcend、ProGrade Digital 、Kingston)でテストすると、どう頑張っても毎秒10コマ程度しかバッファクリア処理できない。逆に言えば10fpsの連写速度であれば無限連写が可能だ。ただし、低速連写時はブラックアウトフリーを利用できないので気を付けたい(最低でもSH2の25fpsの連写速度が必要)。
プロキャプチャーモード
E-M1 Mark IIから実装している便利な機能。シャッター半押しでバッファリングを開始し、シャッター全押しでバッファリング中の最大70枚を遡って記録することが出来る。50fpsで連写したとしても1秒遡って記録できるのは魅力的だ。従来機は最大で35枚だったが、OM-1では2倍の70枚まで保存できるようなった。さらに追従AFで50fpsの性能も加わり、C-AFのプロキャプチャーがかなり使いやすくなっている印象を受ける。
とは言え、前述した通りバッファクリアが遅く、プロキャプチャーで70枚の枠を全て使ってしまうと、次の撮影まで最大10秒程度はフルに性能を発揮できなくなる。無駄をなくすためにも、撮影シーンに合わせてプリ連写枚数を調整したほうが良い。例えば私の感覚であれば50fpsでプリ連写枚数は多くても40-50枚あれば十分と感じた。
ローリングシャッター
OM-1は積層型CMOSセンサーを使用しており、従来機と比べてセンサーのスキャンレートが向上している。クアッドピクセルAF方式で実質8000万画素のデータを処理しているので、フルサイズミラーレスのようなスキャンレートではないが、それでもE-M1 Mark III比で2倍程度は速くなっている。(自前のテストでE-M1 IIIが16.6ms程度、OM-1が8.3ms程度)
正直なところE-M1 IIIでも十分と感じていたが、2倍の高速化でさらに汎用性が高まったことは歓迎できる。もちろん完璧ではなく、フラッシュの同調速度は1/100秒までだ。電子シャッター時のアンチフリッカー機能にも対応していない。
画質
高ISO感度
RAWの画質に関して言えば大きな違いは見られない。もちろんセンサーが変わってノイズの印象は変わったが(少しきめ細かくなったように見える)、カラーノイズが目立つタイミングは同様だ。ISO感度のノイズ耐性で「APS-Cやフルサイズを超えた」などの過度な期待は禁物だ。
その一方で、JPEGは非常によくなっている。ノイズ処理とシャープネスのバランスが非常によく、ISO 3200や6400も普通に使えるように感じる。従来機のJPEGと比べたらまさに段違いだ。ここ最近の撮影でJPEGを使う機会が間違いなく増えた。敢えて言えばHEIF 10bit出力に対応していると良かった。
解像性能
基本的には2040万画素のイメージセンサーであり、解像度は従来通りである。E-M1 III比でJPEGの処理は良くなったようにも見えるが、劇的な変化は無い。ハイレゾショットの仕様は従来通りで、結果も同様だ。Adobe LightroomでRAWを読み込むと、パナソニックのハイレゾRAWと比べてディテールが少しソフトになる。ボディやOM WorkspaceでハイレゾショットのRAWを現像するのがおススメだ。ハイレゾショットの合成時間は大幅に短縮しているので、手ぶれ・被写体ブレの影響がないシーンは積極的に使っていきたい。
ダイナミックレンジ
RAWのダイナミックレンジは従来機と比べて特に大きな変化は感じられない。もともとマイクロフォーサーズの中では良好なパフォーマンスだったので特に心配する必要は無い。もちろん、さらに改善していると尚良かったが…。この辺りはAPS-Cやフルサイズの新センサーでも劇的な変化が見られないので、物理的に難しいのかもしれない。
ちなみに、測光の傾向としてハイライト重視で白飛びを回避する傾向が見られる。場合によって、全体的にイメージしたよりも少し暗く写る場合があるので、自身の好みに応じて適正露出を調整しておきたいところ。
手ぶれ補正
E-M1 IIIやE-M1Xの時点で非常に良好な手ぶれ補正を実現しており、OM-1で目に見えるほどの違いは感じられない。しかし、新たに「手ぶれ補正アシスト」を利用できるようになり、スローシャッター時に視覚的に手ぶれを確認できるようになったのは大きい。手ぶれの量を撮影中・ライブビュー中に確認でき、スローシャッターで安定的に撮影できるかどうか判断しやすくなっている。
操作性
全体的なボディデザインはE-M1 Mark IIIを踏襲しているが、グリップ周辺はE-M1Xのようなデザインだ。ダイヤルとシャッターボタンが分離しているので、誤操作は少なくなったと思うが、ボディに埋没したダイヤルは個人的に使い辛く感じた。指のかかる面積が小さく、素早く快適に操作することができない。
また、よく見ると光軸がボディ左側に寄っているので、レンズマウントから右側が広く大きくなっている。AF-ONボタンの新設や大きなグリップを搭載するにはメリットとなるが、指が短い自分の場合、FnレバーやAELボタンが押し辛くなってしまった。
ファインダー・モニター
従来まで236万ドットの液晶パネルに0.74倍の光学系を使用していた。OM-1は576万ドットと解像度が2倍となり、OLEDパネルを使うことで高輝度・高コントラストなライブビュー表示を実現している。にも関わらず、リフレッシュレートやタイムラグは従来通りを維持しているとのこと。
実際にファインダーを覗いてみると、解像度以上に良好なコントラストと発色が気持ちよく感じた。ファインダー倍率も大きくて見やすい。従来と比べると撮影体験の質が向上していると感じ、ファインダーを覗いて楽しい気持ちになる。光学系も良好で、LUMIX G9のような糸巻き型の歪曲収差は残っていない。高輝度の場合は隅に倍率色収差が目に付く場合もあるが、そこまで気にならない。
注意点として、リフレッシュレート 120fpsを使用したとしても低照度のC-AF中はライブビューがかくつき、タイムラグも僅かに発生する。特に低照度時のAF作動中はライブビュー全体が少しノイジーとなるのが気になるところ。ただし、視認性は低下するがAF性能や精度で特に問題は感じなかった。
モニターは3.0型の162万ドット カラー液晶を採用。この価格帯のカメラとしては一般的なスペックであり、従来機の104万ドットのパネルと比べると少し良くなっているようにも見える。(ブラシーボかもしれない)
メニュー
メニューシステムはデザインから構成まで驚くほど細かく刷新されている。結果としての賛否はあると思うが、OM SYSTEMが従来のメニューシステムを改善しようという意気込みは感じられた。ここまで作り変えるのはとても大変だったと思う。
実際のところはどうなのか?正直に言うと使い辛い。メニューの構成は良くなっているように見え、グレーアウトしている項目で原因となる設定が表示されるようになったのは大きな進歩だと思う。
ただし、操作性が良くない。従来のメニューシステムに慣れてしまっているのもあると思うが、第一層のタブ切替操作がダイヤル限定だったり、階層の行き来に左右の方向ボタンを活用できなくなったり、未だにタッチ操作に非対応だったり、不満を感じる部分は多い。
バッテリー
従来のBLH-1から新型BLX-1バッテリーに切り替わっている。大容量化に加え、USB-C経由の給電や充電に対応している。さらにOM-1はUSB-PD対応製品を使うことで給電中にバッテリーを充電することまで可能だ。
フリーズ問題
OM-1を使用して撮影中、何度かカメラのフリーズを経験した。このような声は私のみならず、いくつかのOM-1ユーザーで確認している。この現象が何をトリガーとして発生しているのか今のところ不明。私の環境ではプロキャプチャーモード使用中に発生することが多かった。一度フリーズするとバッテリーの抜き差しで直ぐに回復しなかったが、SDカードの抜き差しで回復。SDカードをProGrade Digital Cobalt UHS-IIに切り替えたところ、現在はフリーズに遭遇していない(以前は古いレキサー製UHS-IIカードを使用していた)。ただし、SDカードが原因と確定したわけでは無いので、急いで買い替える必要は無いと思う。
まとめ
今後もマイクロフォーサーズをメイン機にするつもりで、特にAFや連写にこだわるのであれば最有力候補となる非常に強力なカメラだ。このセンサーサイズではトップクラスの画質を維持しつつ、驚異的な連写性能やAF性能が手に入る。特に50/120fpsのプロキャプチャーモードは非常に強力であり、競合他社と比べた際の武器となる。
さらにファインダーは大きく高解像となり、SHモードの連写中はブラックアウトフリーで利用可能。モニターも高解像となり、メニューシステムは完全に新しくなっている。バッテリーライフは強化され、USB-PDによる給電中の充電にも対応した。カメラサイズを抑えつつ、至れり尽くせりのカメラに仕上がっている。これで20万円ちょっとならアリだろう。
ただし、どれとっても完璧な仕上がりとは言い難く、AFシステムにせよ、メニューシステムにせよ、カメラの操作性にせよ、粗削りと感じる部分が多々見られる。カメラのポテンシャルは間違いなく高いと感じているので、あとはソフト部分を煮詰めることでさらに高みを目指せるように見える。おそらく、そこが大変なのだと思うが…。
新会社となり色々と難しいところもあると思うが、OM-1の潜在的な性能を活かすべく、ファームウェアの開発に力を注いで欲しい。
Pros&Cons
長所
- フラッグシップモデルとしては小型軽量
- 大きなグリップ
- 応答性の高いAFシステム
- 幅広い被写体認識に対応
- RAW出力に対応した超高速連写
- 従来比で2倍の保持が可能なプロキャプチャーモード
- 従来比で2倍のセンサースキャンレート
- 良好なJPEG画質
- 合成処理速度が向上
- 手ぶれ補正アシストの実装
- AF-ONボタンの実装
- 高解像・高コントラスト・高フレームレートのEVF
- 高解像の背面モニタ
- 機能性・構成が良くなった新メニュー
短所
- 前景にピントが合いがち
- 被写体を見失いがち
- C-AF+TRの信頼性
- バッファクリアが遅い
- 連写中のファイルをまとめることが出来ない
- RAW画質は従来機通り
- ダイヤル操作が難しくなった
- 低照度AF時にライブビューが粗くなる
- メニューの操作性が悪い
- HEIF非対応
- 稀にフリーズする
フルサイズやAPS-Cと比べて
異なるセンサーサイズのカメラと比べて、OM-1の強みは以下のようになる
- フルサイズと比べて:
・RAW出力の連写速度が倍以上
・シングルショットと同じ画質の超高速連写
・被写界深度が深くピント内に入れやすい
・小型軽量
・レンズも小型軽量
・低価格 - APS-Cと比べて:
・RAW出力の連写速度が倍以上
・シングルショットと同じ画質の超高速連写
・被写界深度が深くピント内に入れやすい
・豊富なレンズラインアップ
・少し安い
システムサイズが気にならず、金に糸目を付けぬのであれば、フルサイズの「Z 9」や「α1」「EOS R3」が優れたAF性能・センサー画質・レンズラインアップとして選択肢に浮上すると思う。今のところ最上の選択肢だ。
特にAF性能は追従性・被写体検出精度などを含めてOM-1を上回っていると思う。少なくとも手持ちのEOS R5はより良好な精度で動物の瞳や頭部を追従し続け、α7R IVやα7 IVは非常に粘り強いトラッキングAFを実装している。
しかし、積層型CMOS搭載のフルサイズセンサー搭載モデルはOM-1の数倍は資金を用意する必要があり、使いたいレンズが遥かに高価となる。F4ズームでも15万円前後、F2.8ズームは25~30万円台。超望遠レンズに至っては50~100万円以上となる場合もある。
さらにフルサイズ用のレンズは大きく重い。最近は小型軽量化して随分と軽くなったが、それでもマイクロフォーサーズシステムとの差は大きいと言わざるを得ない。超望遠レンズは大きなカメラバッグと一脚・三脚が必要と感じることだろう。「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」はとても優秀なレンズだったが、レンズサイズはトラウマになった。
目的があり、運搬手段があり、実際の使用時に問題がなければ、フルサイズシステムのサイズが気になることは無いと思う。結果も付いてくるので、場合によっては撮っていて楽しくなる。とは言え、色々と撮り歩きたい私のような撮影スタイルにはマッチしなかった。
APS-Cはフルサイズと比べるとコンパクトで低価格で導入可能だが、真剣にラインアップを充実させているのは富士フイルムのみ。その富士フイルムもマイクロフォーサーズシステムほどラインアップが充実しているとは言えない。それに今のところ積層型CMOSセンサーを導入したモデルが存在しない。富士フイルムから積層型BSI搭載の「X-H2」が登場しそうな雰囲気となっているが、被写体検出など高度のAFシステムが導入されるのか今のところ不明だ。
OM-1の強みがあるとすると、20万円ちょっとで積層型CMOSセンサーのカメラを手に入れることが出来ること。ローリングシャッターを抑えた超高速連写、ブラックアウトフリーのファインダー、抜群の応答性のAFシステムなどは積層型の強みと感じる。クアッドピクセル方式のAFが強みとは今のところ感じないが、50/120fpsの高速連写でシングルショットと変わらない画質のRAW出力に対応しているのは凄いと思う。
さらに4/3型センサーによる小型レンズシステムは携帯性やフォーカス速度の面で恩恵を受けることが多い。35mm判換算で24-200mmの画角を開放F4固定で利用できる便利なズームレンズや24-400mmをカバーする超高倍率ズーム、80-300mmの画角をF2.8でカバーする望遠ズームなどが存在する。全体的に接写性能が非常に高く、換算値で2倍の撮影倍率を備えたマクロレンズも多い。
焦点距離や撮影倍率は、高画素フルサイズシステムでクロップすることで同等の結果を得ることが可能だ。例えば6100万画素のα7R IVであれば4/3センサーサイズまでクロップしても1600万画素くらいの解像度で利用できる。通常はより広い画角で高解像を利用することができ、場合によってクロップできる柔軟性は魅力的である。ただし、前述した通り価格やサイズは遥かに高く大きくなり、4/3並みにクロップ可能な解像度のセンサーは限られている(そしてローリングシャッターの幕速も遅い)。
小型軽量で低価格のOM-1は、特に混雑した撮影シーンや悪天候で使い潰しやすいのが魅力的と感じる。特に私は人の目を気にするタイプなので、混雑した環境で大きなカメラ・レンズを持ち歩くことが出来ない。観光や通行の妨げとなる可能性があり、特に三脚や一脚が必要なシステムは自身にとっても他者にとっても良い影響はない。スリングバッグから素早く取り出し、素早く撮って、素早くしまえるようなシステムが理想的と感じる。破損や盗難が発生したとしても(ラージフォーマットのシステムと比べて)リスクは最小限だ。
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