キヤノン「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」のレビュー第二弾を公開。今回は恒例の撮影地点からレンズの遠景解像性能をチェックしています。
RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STMのレビュー一覧
遠景解像力
テスト環境
- 撮影日:2022年6月23日
- カメラ:EOS R7
- 三脚:Leofoto LS-365C
- 雲台:Leofoto G4
- 露出:絞り優先AE ISO100
- RAW:CR3 Lightroom Classic CC
・シャープネスオフ
・そのほか初期設定
・カメラ補正は極力オフ
18mm
高倍率ズームの広角端としては良好な結果だ。抜群の解像性能ではないが、絞り開放から中央から隅まで良好な結果を得ることができる。隅の端でも画質の破綻が無く、安定感がある。レンズ補正やDLO(デジタルレンズオプティマイザ)を適用することで、さらに良好な結果となるだろう。絞っても顕著な改善効果は得られないものの、フレーム隅の画質が少し向上する。絞りはF22まで利用可能だが、F11以降は回折の影響が顕著となるので被写界深度が必要でない限りはおススメしない。
中央
周辺
四隅
24mm
基本的に18mmと同じ傾向だ。中央から周辺部まで広い範囲で18mmよりも少し良好に見えるが、じっくり見比べないと分からない程度の差である。やはり絞っても顕著な改善効果は得られない。
中央
周辺
四隅
35mm
広角側と同じくフレーム全域で良好な解像性能だ。隅に向かってコントラストが低下するので、切れ味を追求するのであれば画像処理や後処理で調整が必要となるかもしれない。
中央
周辺
四隅
50mm
広角・標準域を超えても安定感のある結果は健在だ。中央や周辺部のみならず、隅まで良好となる。ただし絞っても大きな改善効果は得られない。
中央
周辺
四隅
70mm
中央のコントラストが低下してきたようにも見えるが、基本的には良好な解像性能だ。周辺部や隅に顕著な性能低下は見られず、良く言えば均質性が向上している。これまでと同様、絞っても大きな改善効果は無い。
中央
周辺
四隅
100mm
70mmと同じくフレーム全体で均質性が高く、良好な画質を実現している。広角側と比べると倍率色収差の影響が少ないようにも見える。
中央
周辺
四隅
150mm
望遠端となる150mmでは中央のコントラスト低下が少し気になるものの、隅に向かって大きな性能低下は見られない。
中央
周辺
四隅
まとめ
EF-Mと同じ光学系と分かった時は少しがっかりしたものの、実際に使ってみると良好な性能の高倍率ズームレンズであることが分かった。高倍率ズームながら焦点距離全域で極端な画質の破綻は見られず、快適に利用することが出来る。
望遠側やフレーム隅に向かってコントラストの低下は否めないが、単焦点やショートズーム並の画質も求めるのはお門違いだ。レンズ補正や画像処理で差が縮まるかもしれないが、R7の解像性能をフルに活かしたい場合や、本当に画質を追求するのであれば単焦点などを検討したほうが良いだろう。旅先やちょっとした行楽シーンでレンズ交換をしたくない場合、妥協が少ない便利な高倍率ズームの選択肢として活躍できる可能が高い。
注意点があるとすればF値だ。開放F値が大きく、ズーム時には急速に数値が大きくなる。低照度や高速シャッタースピードを利用する場合はISO感度が高くなりやすく、結果的に解像性能の低下に繋がる可能性がある。その辺りに気を付けて使えば満足度の高いレンズとなるはずだ。
購入早見表
作例
オリジナルデータはFlickrにて公開
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