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RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編

キヤノン「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」のレビュー第一弾を公開。今回はレンズの外観や操作性、カメラに装着してAF/MFの使いやすさなどを確認しています。

RF24-50mm F4.5-6.3 IS STMのレビュー一覧

まえがき

2023年にEOS R8のキットレンズとして登場。標準域をカバーするズームレンズとしては6本目となり、24mmから50mmまでのショートズームながら、沈胴構造を採用したコンパクトなレンズサイズが特徴。さらにフルサイズ用の標準ズームとしては最も手ごろな価格を実現しており、気軽に携帯する標準ズームに最適と言えるでしょう。

レンズの仕様
発売日 2023年4月下旬 初値 45,342円
マウント RF 最短撮影距離 0.3m(24mm)
0.35m(50mm)
フォーマット フルサイズ 最大撮影倍率 0.11倍(24mm)
0.19倍(50mm)
焦点距離 24-50mm フィルター径 58mm
レンズ構成 8群8枚 手ぶれ補正 4.5段分
開放絞り F4.5-6.3 テレコン -
最小絞り F22-32 コーティング 不明
絞り羽根 7枚
サイズ・重量など
サイズ φ69.6mm×58mm 防塵防滴 -
重量 210g AF STM
その他 沈胴構造
付属品
キャップ

光学倍率は約2倍と低く、広角24mmから標準50mmまでをカバー。70mmや105mmの中望遠~望遠域を使えないため、遠くの被写体やクローズアップには不向きなレンズです。撮影倍率もズーム全域で高いとは言えず、(スペックだけで言えば)あくまでも携帯性と価格を重視した際に選ぶレンズとなっています。小型軽量ながら光学手振れ補正を搭載しているため、ボディ内手振れ補正を搭載していないコンパクトサイズのEOS R8やEOS RPと特に相性が良好。

価格のチェック

単体での売り出し価格は45,342円。ニコンやソニーの競合製品と同程度の価格設定となっています。さらにEOS R8のレンズキットとして入手する場合は約3万円程度と非常に安価。フードは付属していないので、追加で購入する必要あり。小型軽量で安価な標準ズームがどのような光学性能を備えているのか、今後のテストで明らかにしていきたいと思います。

RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
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外観・操作性

箱・付属品

EOS R8のレンズキットとして入手したため、レンズ専用の外箱や説明書はありません。レンズの付属品は前後のキャップのみ。レンズフードは付属していないので、必要であれば別途購入しておく必要があります。

外観

RFレンズらしいデザイン・質感。全体的にプラスチックパーツを使用していますが、剛性に問題は感じず、極端な安っぽさはありません。ただし、高級感もありませんが。そして「非Lレンズ」の中でも少し高めのレンズ群と比べると僅かにプラスチッキーです。これが素材の問題なのか、塗装の問題なのか不明。

コントロールリングとズームリングはどちらもプラスチック製。キヤノンのロゴ以外の表示はプリントで、加工が施されているのはCEマークなど消えてはいけないもののみ。

ハンズオン

フルサイズ用の標準ズームレンズとしては非常に小さく、軽量です。他社を見渡せば似たような製品が存在するものの、キヤノンユーザーとして、このようなサイズの標準ズームを利用するのは初めて。

前玉・後玉

レンズ全面には反射を抑えるためのグレーでレンズ名やフィルター径が印字されています。反射した光がフィルター装着時に影響受けないとも限らないので、このようなグレー塗装は好ましい。比較してニコンは明るめに印字されています。

フィルター径は58mm。キヤノンレンズは数あれど、58mmフィルター径を採用したモデルはそう多くありません。対応製品も古いEFレンズが多く、RFレンズで58mmフィルターを共有するのは現状で難しい。高価なC-PLやNDフィルターはステップアップリングなどで対応したほうが良いかもしれません。

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レンズマウントはプラスチック製で4本のビスを使って本体に固定されています。プラスチックマウントは賛否両論あると思いますが、個人的にプラスチック製で不便と感じたことはありません。もちろん、金属製レンズマウントであることに越したことはないと思いますが…。

光学系最後尾のレンズは沈胴構造でマウントギリギリまで格納されます。フランジバックの短いミラーレスだからこそ実現した設計と言えるでしょう。また、格納状態から24mmの使用時までレンズを展開しても、最後尾のレンズはマウント付近に配置されています。フレアカッターは見当たらず、逆光時にどのような影響が発生するのか気になるところ。

フォーカス / コントロールリング

フォーカス操作とコントロール操作を兼用するリングをレンズ先端に搭載。材質はプラスチックで、Lレンズではコントロールリングに施されるタイプのローレット加工が施されています。ただし、回転時にクリック感はなく、無段階で滑らかな操作が可能。回転動作は緩すぎず、硬すぎず、電子制御のリングとしては適度な抵抗感だと思います。フォーカス操作時のストロークはカメラ側で調整可能。リニアレスポンス時は180度で接写から無限遠まで操作できます。ノンリニアレスポンス時にゆっくり回転すると360度ほど(応答性は初期設定)。

ズームリング

プラスチック製のズームリングを搭載。コントロールリングとは加工が異なり、ファインダー越しでも触感で識別可能。リングは沈胴時のポジションから、24mm・28mm・35mm・50mmまで回転します。沈胴時と24mmの間に物理的な固定手段はなく、クリック感と強めの戻り止めで誤操作を防止。24mmから50mmまでは適度な抵抗感で滑らかに回転します。途中で抵抗感が変化することもなく、動画撮影でも滑らかなズーム操作が可能。

沈胴時から24mmまでリングを操作すると、内筒が前方へ3cmほど伸びます。24mmで最も長く伸び、40mm付近で最も短く、50mmで再び少し伸びます。内筒はプラスチック製で、伸ばした際のぐらつきは無し。

F値の変動

このレンズは焦点距離によって絞り開放F値と最小絞りのF値が変動します。変動するタイミングは以下の通り。

  • 24mm:F4.5-F22
  • 25mm:F5.0-F22
  • 27mm:F5.0-F25
  • 32mm:F5.6-F25
  • 34mm:F5.6-F29
  • 40mm:F6.3-F29
  • 43mm:F6.3-F32

開放F値と最小絞りが変動するタイミングが異なるようです。

スイッチ類

新デザインの「AF/MF/コントロール」スイッチを搭載。従来の非LレンズはAF/MFスイッチが省略され、リングの機能を変更する「フォーカス / コントロール」切替スイッチのみでした。このレンズはAF/MFスイッチと統合したデザインとなり、省スペースながら効果的な操作が可能。中間の「コントロール」に合わせるには力加減の慣れが必要ですが、そこまで難しくありません。個人的に、このデザインはとても良いと感じています。既存レンズのRF50mm F1.8やRF16mm F2.8でも採用してほしかったデザイン。ちなみにニコンやソニーの競合モデルはスイッチ類がありません。キヤノンのレンズは比較的操作性が良いと言えるでしょう。

レンズフード

別売りレンズフード「EW-63C」を購入。このレンズの登場に合わせてリリースされたフードではなく、APS-C一眼レフ用交換レンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」のために作られたフードです。登場から既に時間が経過しており、社外製の互換品も多く出回っています。純正にこだわらなければ安く手に入れることが可能。

装着例

EOS R8に装着。フルサイズとは思えないほど小型軽量で、携帯性・機動力の高い組み合わせ。フルサイズを気軽に携帯したい時に面白い選択肢となりそう。カメラ側のコントロールが少ないEOS R8のようなカメラでも素早くAF/MFを切り替えられるのがGood。

AF・MF

フォーカススピード

フォーカスレンズはステッピングモーター駆動で動作します。NanoUSMや他社のリニアモーター駆動ほど高速ではなく、大きなピント移動を伴う際は少し遅め。とは言え、実写でフォーカス速度を不満と感じることが無い程度には高速です。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

広角側はとても良好に抑えられていますが、ズーム中間域(35mm)でやや目立つようになり、望遠端の50mmで最も目立ちます。とは言え、目に付くのは50mm付近のみで、広角や準広角域では問題と感じない程度によく抑えられています。

精度

EOS R8やEOS R5と組み合わせた限りでは特に問題なし。フォーカスブリージングが抑えられているので、周辺部を使ったAFでも動作が不安定とならず、接写時も良好な精度を維持しています。

MF

前述のとおり、使い勝手のよいフォーカスリングで操作でき、ボディ側のピーキングやフォーカスガイドを利用可能。拡大機能を使わなくても簡単に精度の高いピント合わせが可能です。

まとめ

小型軽量で手ごろな価格のキットレンズですが、全体的によくまとまっています。レンズサイズこそニコンやソニーのコンパクトさに及ばないものの、24mmの広い画角や光学手振れ補正に対応。最短撮影距離もわずかに良好で、AF/MF切り替えスイッチや手振れ補正スイッチを搭載しています。

フォーカスブリージングも(特に広角側で)よく抑えられ、AFは静かで滑らか、そして正確に動作します。欠点を挙げるとしたら沈胴構造を展開する必要があり、その際は内筒が大きく伸びます。とは言え、競合他社も似たような状況であり、このレンズ特有の欠点とは言えません。光学性能はチェック中ですが、途中経過を見ている限りでは非常に良好です。解像テストの結果をこうご期待。

購入早見表

RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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