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TTArtisan AF 17mm F1.8 C レンズレビューVol.5 ボケ編

「TTArtisan AF 17mm F1.8 C」のレビュー第五回 ボケ編を公開しました。

おことわり

PERGEARより無償貸与の製品を使用しています。
レビューにあたり金銭の授受や内容への指示は全くないことを冒頭に明記させていただきます。

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簡易的なまとめ

かなり癖の強いボケですが、絞りによるコントロールが容易。周辺や隅が騒がしいと感じる場合はF2.8前後まで絞ると癖の強さが緩和します。基本的には球面収差による柔らかいボケが期待できるので、積極的に近づいて見ると面白い写真が撮れることでしょう。

17mm F1.8で玉ボケを気にする機会は少ないと思いますが、絞ると六角形となってしまう点には注意が必要です。(絞り操作による)諸収差の抑制とトレードオフになるため、状況に応じて絞りを適切に操作する必要があります。

The bokeh has a rather distinctive character, but it’s easy to control by adjusting the aperture. If you find the edges or corners too busy, stopping down to around f/2.8 will soften this distinctive character. Since you can generally expect soft bokeh caused by spherical aberration, getting up close will likely result in some interesting photos.
While you’ll rarely need to worry about bokeh shape at 17mm F1.8, be aware that stopping down will result in hexagonal bokeh. Since this is a trade-off for suppressing various aberrations (through aperture adjustment), you’ll need to adjust the aperture appropriately depending on the situation.

*当ブログのレビューは冒頭に断りが無い限り、自費購入となっています。

TTArtisan AF 17mm F1.8 Cのレビュー一覧

球面収差

球面収差とは?

球面収差とは、レンズの中心を通る光と周辺を通る光が異なる位置でピントを結んでしまう収差。その結果、ピントが合っているはずの部分でも像がわずかににじみ、シャープさやコントラストが低下。

理想的なレンズでは、すべての光が同じ位置に収束。しかし実際のレンズは、中心付近を通る光と周辺部を通る光の集まり方が異なるため、一点に完全には集まりません。

球面収差が大きいレンズでは、開放F値で撮影した際に全体が少し柔らかく見えたり、光がにじんだような描写。特にポートレート用レンズでは、この特性を活かして肌をなめらかに見せる場合もあります。一方、風景や建築写真では解像感の低下につながるため、できるだけ少ないことが望ましい。

球面収差は前ボケと後ボケの見え方にも大きく影響。球面収差の補正状態によってボケの柔らかさや輪郭の強さが変化するため、レンズごとの描写の個性を生む要素の一つ。

一般的にはレンズを絞ることで周辺光線が制限され、球面収差は大幅に改善。レンズレビューで「球面収差がよく補正されている」と評価される場合は、開放F値から高い解像感とコントラストを得やすいことを意味します。一方で、あえて球面収差を少し残すことで、柔らかく自然なボケ描写を実現しているレンズも存在。

実写で確認

少なくとも近距離では前後のボケ質に大きな差があります。軸上色収差のテスト結果から分かるように、絞るとピント位置が遠側に移動します。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

綺麗なボケとは、輪郭が目立たず、背景がなめらかに溶けるような描写。被写体が背景から自然に浮かび上がり、見る人の視線を主題へ導きやすい。ポートレートや花の撮影で好まれることが多く、「柔らかいボケ」「なめらかなボケ」と表現される場合もある。

騒がしいボケとは、背景の輪郭や模様が強調されて見えるボケ。木の枝や葉、フェンスなど細かな模様が二重線になったり、ざわついた印象になったりする。背景が目立ちすぎるため、主題への視線が分散することがあります。

ボケの良し悪しは単純に明るいレンズほど優れるわけではなく、球面収差の補正状態やレンズ構成、絞り羽根の形状などによって変化します。また、撮影距離や背景との距離によっても印象は大きく変わります。

ボケの評価には好みも大きく関係。一般的にはなめらかなボケが高く評価されることが多いものの、被写体や作品の雰囲気によっては、少し騒がしいボケが独特の立体感や個性を生む場合もあります。そのため、ボケの質はレンズの性能だけでなく、写真表現の一部として捉えることが重要。

後ボケ

近接時は球面収差の影響でとても柔らかい後ボケ。ただし、隅に向かって諸収差の影響が強いので、柔らかい描写となるのは中央とその周辺のみ。

前ボケ

後ボケとは反対に、縁どりが非常に強い描写。見苦しいボケですが、17mm F1.8で前ボケをフレームに入れる機会は少ないはず。心配する必要はありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

玉ボケとは、背景や前景にある小さな光源が、丸い光の円として写るボケ表現のこと。夜景のイルミネーションや木漏れ日、水面の反射などでよく見られる。一般的に、明るいレンズほど大きな玉ボケを作りやすく、背景を印象的に演出できるため、ポートレートやスナップ撮影で人気がある。

理想的な玉ボケは、円形で輪郭が目立たず、内部の明るさが均一な状態で。しかし実際にはレンズ設計の影響により、さまざまな特徴が現れることがある。例えば、輪郭が明るく縁取られた玉ボケは背景が騒がしく見えやすく、内部に同心円状の模様が現れるものは「玉ねぎボケ」と呼ばれる。

また、画面周辺では玉ボケが円形を保てず、楕円形や猫の目のような形に変形することがある。これは周辺部で光が一部遮られるためで、「口径食」と呼ばれる現象によるもの。

実写で確認

絞り開放でも少し歪な形状の玉ボケです。内側の描写は滑らかですが、縁どりに色収差の影響あり。絞ると改善するものの、急速に六角形に変化します。

ボケ実写

至近距離

至近距離では球面収差が強めに影響します。
後ボケは柔らかく滑らかですが、周辺・隅はコマ収差などが影響しているのか少し騒がしい。絞ると落ち着くものの、玉ボケは角ばります。

近距離

中央は滑らかですが、中央周辺から隅にかけて収差の影響で見苦しい描写。「悪いボケ」とは言いませんが、かなり個性的な描写に違いありません。気になる場合はF2.8前後まで絞ると改善します。

中距離

球面収差の変動で、全体的に騒がしめの描写。ただし、ボケが小さいのであまり目立ちません。気になる場合はF2.8くらいまで絞ると落ち着きます。

ポートレート

全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。

フレームに全身を入れる撮影距離の場合、背景から被写体を分離することは難しい。大きなボケが得られるのは上半身やバストアップまで近寄った時。顔のクローズアップ以外では癖の強いボケとなるので、少し絞って使ったほうが良いかもしれません。

まとめ

かなり癖の強いボケですが、絞りによるコントロールが容易。周辺や隅が騒がしいと感じる場合はF2.8前後まで絞ると癖の強さが緩和します。基本的には球面収差による柔らかいボケが期待できるので、積極的に近づいて見ると面白い写真が撮れることでしょう。

17mm F1.8で玉ボケを気にする機会は少ないと思いますが、絞ると六角形となってしまう点には注意が必要です。(絞り操作による)諸収差の抑制とトレードオフになるため、状況に応じて絞りを適切に操作する必要があります。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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