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SIRUI AF 85mm F1.4 FF レンズレビューVol.2 解像チャート編

「SIRUI AF 85mm F1.4 FF」のレビュー第二弾 解像チャート編を公開。絞り開放から抜群の解像性能とはいかないものの、2段ほど絞ると非常にシャープな結果が得られました。

簡易的なまとめ

近距離で絞り開放から完璧とは言えませんが、これはサードパーティ製レンズの多くが同じ傾向です。絞って全体的に改善するぶん、良好なほうとも言えます。近接でもF1.4からシャープな結果が得たい場合はニコン・ソニー純正品を検討するしかありません。もちろん、それ相応の対価が必要となります。

このSIRUIレンズはF1.4こそソフトな結果ですが、ポートレート向けのレンズと考えるとプラスに作用する可能性があります。必要十分な解像性能で、きつ過ぎないコントラストの得られるレンズ。また、2段絞ると結果は大幅に変化します。

Although it is not perfect from open aperture at close range, this is the same tendency for many third-party lenses. It can be said to be good because it improves overall when it is stopped down. If you want to get sharp results from F1.4 even at close range, you have no choice but to consider genuine Nikon or Sony products. Of course, you will need to pay a corresponding price.

Although the results with this SIRUI lens are soft at F1.4, it may have a positive effect if you think of it as a lens for portraits. It is a lens that provides sufficient resolution and a contrast that is not too strong. Also, the results change significantly when you stop down two stops.

SIRUI AF 85mm F1.4 FFのレビュー一覧

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:Z 8
  • 交換レンズ:SIRUI AF 85mm F1.4 FF
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

近距離テストでは絞り開放付近が全体的にソフト。球面収差が残存しており、コントラスト低め。軸上色収差の影響も僅かにあります。F2まで絞ると少し改善しますが完璧とは言えません。F2.8まで絞ると劇的に改善、特に中央で非常にシャープな結果を得ることができます。

周辺や隅もF5.6-8まで絞ると非情に良好ですが、倍率色収差の影響で測定数値が伸び悩んでいるように見えます。実際の現像では色収差を簡単に補正できるため、より良好な結果を期待できます。

中央

少なくとも近距離では球面収差の変動が大きく、かなりソフトな結果となります。解像性能の観点で見るとマイナスですが、ボケ質や全体の描写としてはプラスに作用する可能性があります。

このような傾向は2段絞るとほぼ収束。以降は非常にシャープな結果となります。キレのあるピント面が必要であれば、最低でも2段絞るのがおススメ。

周辺

基本的には中央と同じ傾向。比較して若干ソフトですが、画質の極端な落ち込みはありません。ただし、前述したように倍率色収差の影響が出始めるため、コントラストの高いシーンでは不自然な色づきが気になる可能性あり。

四隅

周辺と同程度ですが、倍率色収差の影響はさらに強くなります。このため、絞っても数値的に改善の伸びしろが少なめ(倍率色収差は絞っても改善しない)。簡単に補正できるので無視できる範囲内、とはいえ、高輝度シーンでは目立つ可能性あり。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F1.4 3013 2377 2359
F2.0 3644 3104 2428
F2.8 4689 3595 2679
F4.0 4774 3811 3018
F5.6 4812 4321 3368
F8.0 4818 4380 3205
F11 4029 3817 3090
F16 3830 3230 2827

実写確認

競合製品との比較

SIRUIは絞り開放がソフトですが、絞ると中央が大幅に改善。周辺や隅も良好ですが、同価格帯のZ 85mm F1.8ほど安定感はありません。悪くない結果でしすが倍率色収差が目立ち、測定数値に影響している可能性あり。

傾向としてはサムヤンと似ているものの、全体的に良好。ただし、テスト機が異なるので参考までに。

まとめ

近距離で絞り開放から完璧とは言えませんが、これはサードパーティ製レンズの多くが同じ傾向です。絞って全体的に改善するぶん、良好なほうとも言えます。近接でもF1.4からシャープな結果が得たい場合はニコン・ソニー純正品を検討するしかありません。もちろん、それ相応の対価が必要となります。

このSIRUIレンズはF1.4こそソフトな結果ですが、ポートレート向けのレンズと考えるとプラスに作用する可能性があります。必要十分な解像性能で、きつ過ぎないコントラストの得られるレンズ。また、2段絞ると結果は大幅に変化します。

サムヤン AF 85mm F1.4 とよく似た傾向ですが、ニコンZマウントでは利用できません。ソニーEマウントであれば、併せて検討する価値があります。軽さ優先ならサムヤン、操作性や中央の解像性能を優先するならSIRUIを選ぶと良いでしょう。

投入できる資金にもう少し余裕があるのなら、シグマ 85mm F1.4 DG DN も要検討。より良好な色収差補正を実現していますが、接写時はSIRUIと同じく隅に向かって画質が低下します。球面収差の変動は少なめ。

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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