このページでは一眼カメラ用交換レンズ「XF16-80mm F4 R OIS WR」の情報を収集しています。
最新情報
- 2020-06-30:富士フイルムがファームウェアアップデートを公開しました。
- 2019-12-18:Lenstipがレビューを掲載しています。
- 2019-07-18:正式発表されました。カメラのキタムラにて9万円台の出品を確認、発売は9月下旬となっています。
- 2019-07-18:間もなく予約販売が開始されると噂が出回り始めたので専用ページを作成しました。量販店価格で税込102,060円とのこと。
レンズデータ
レビュー
参考サイト
購入早見表
レンズデータ
レンズ仕様
型番 | XF16-80mmF4 R OIS WR |
---|---|
レンズ構成 | 12群16枚 (非球面レンズ:3枚、ED非球面レンズ:1枚) |
焦点距離 | f=16-80mm (35mm判換算:24-122mm相当) |
画角 | 83.2°-20.1° |
最大口径比(開放絞り) | F4 |
最小絞り | F22 |
絞り形式 |
|
撮影距離範囲 | 35cm?∞ |
最大撮影倍率 | 0.25倍(テレ端) |
外形寸法:最大径×長さ(約) ※先端よりマウント基準面まで |
φ78.3mm x 88.9mm (ワイド端) φ78.3mm x 131.5mm (テレ端) |
質量(約) ※レンズキャップ含まず |
440g |
フィルターサイズ | φ72mm |
MTFチャート
レンズ構成図
関連レンズ
- XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ
- XC16-50mmF3.5-5.6 OIS II
- XF16-55mmF2.8 R LM WR
- XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
- XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR
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サイズ比較
海外の評価
Optical Limits
Optical Limits:Fujinon XF 16-80mm f/4 R OIS WR - Review / Test Report
- レンズの紹介:
・フルサイズで24-120mm相当のズームレンジをカバーする汎用性のある焦点距離を、開放F値「F4」でカバーする標準ズームレンズだ。 - ビルドクオリティ:
・ビルドクオリティはとても高い。金属マウントをベースとして、ハイクオリティなプラスチックパーツと金属パーツを組み合わせて作られている。
・WRのモデルネームが示す通り、このレンズは防塵防滴仕様だ。
・ズーム操作により内筒が大きく伸びる。
・プラスチック製の花形フードが付属している。 - 携帯性:
・通常のキットズームレンズよりも少し大きく重いが、XF16-55mm F2.8ほど大きくは無い。
・X-T30と組み合わせてもバランスが取れている。 - 操作性:
・絞りリングと幅広く良好な抵抗を持つズームリングとフォーカスリングを備えている。
・スイッチ類が無いので、AF/MFの切替や手ぶれ補正のオンオフはカメラ側で操作する必要がある。 - オートフォーカス:
・ステッピングモーター駆動のAFは非常に高速で静かに動作する。
・ズームレンジ全域で0.35mまで寄ることができ、望遠端での撮影倍率は0.25倍だ。幕レンズほどでは無いが、クローズアップで歓迎できる仕様である。 - マニュアルフォーカス:
・記載なし。 - 手ぶれ補正:
・公称値は6段分だが、これは割り引いて見ておく必要がある。
・実写では以前の富士フイルム製OIS搭載レンズと比べて効果的だと感じた。 - 解像性能:
・良い点と悪い点が混在している。
・中央やその周辺は広角側で非常に優れており、望遠側で少し低くなる。それでもとても良好な性能だ。
・フレーム端や四隅の性能は別だ。フレーム端は良好だが、四隅の絞り開放はまずまずだ。絞ると良好な水準まで改善する。
・23mmと35mmは端と隅は良好となる。そして、絞ると端はとても良好となる。
・50mmは奇妙な動きを示している。少し絞ると端や四隅が低下し、F8?F11まで絞ると高い数値に回復する。
・最も残念なのは望遠端だ。端はまずまずだが、四隅は絞り値に関係なく貧弱な解像性能となる。
・上記の結果は無補正のRAWを測定したものだ。補正適用時のイメージを測定すると、16mmで大部分が影響を受けていないが、四隅で10%程度の解像性能低下が見られる。
・23mmは補正量が小さいので影響も小さい。
・23mm以降の糸巻き型歪曲は強めの補正でも悪影響は少ない。 - 像面湾曲:
・記載なし。 - ボケ:
・玉ボケにはある程度の縁取りがあり、内側には玉ねぎボケの兆候がいくらか見られる。
・9枚の絞り羽根のおかげで、絞っても円形を維持しているように見える。
・玉ボケはF4で口径食の影響を少し受けるが、絞ると改善する。
・後ボケはとても滑らかだが、前ボケは少し騒がしい。
・ボケの品質は際立ったものでは無いが、ズームレンズとしては問題無く、平均よりも良好である。 - 色収差:
・記載なし。 - 球面収差:
・記載なし。 - 歪曲収差:
・Xマウントの多くのレンズはソフトウェア補正を適用している。適用時は大部分が目立たない収差に抑えられている。
・このレンズはカメラ側で補正をオフにすることは出来ない。
・RAW現像ソフトではソフトウェア補正をオフにできるものもある。その場合はレンズ本来の歪曲収差が明らかとなる。その際はライブビューと大きく異なる歪曲収差が現れる。
・16mmでは大きな樽型歪曲だ。ズームレンズで見た中で最悪とは言えないが、それほど遠い数値でもない。
・23mmで既に糸巻き型歪曲へと変化するが非常に穏やかだ。焦点距離が長くなるにつれて糸巻き型歪曲が増加する。
・歪曲収差の補正には画角の変化や画質低下が伴う。16mmで過剰に補正しているのは少し驚いた。 - 周辺減光:
・歪曲収差と同じく自動補正される。この際はズーム両端の絞り開放で減光が少し高くなる。絞ると改善し、中程度の絞り値でほぼ問題とならない。
・補正をオフにするとズーム両端の減光が非常に顕著となる。特に16mmは絞ってもかなり目立つ。
・周辺減光は簡単に補正できるが、補正後はノイズが増加する。特に高感度ISO使用時で四隅のノイズが非常に目立つ可能性がある。 - コマ収差:
・記載なし。 - 逆光耐性:
・記載なし。 - 作例集
総評
正直に言うと、優れた光学性能を求めて購入を検討すべきレンズではない。標準ズームレンズの設計は難しく、妥協点がいくつかある。
レンズのビルドクオリティは良好で頑丈な作りだ。AFは静かで高速、OISは見事な補正効果だ。防塵防滴仕様のため様々な環境に対応できる。中央のシャープネスに問題は無いが、焦点距離によってフレームの端や四隅が問題となる場合がある。16mmは歪曲補正時に四隅が少し甘くなり、80mmでは端や四隅の性能が非常に低い。富士フイルムはズームレンジを少し広げ過ぎた様に見える。ただし、ボケは際立った描写では無いが、確かに平均以上の質感だ。
際立った性能のレンズでは無いのは明らかだ。しかし、汎用性のある標準ズームレンズは他に選択肢がなく、妥協を受け入れる必要がある。このレビューが検討する際の参考になれば幸いだ。
Dustin Abbott
Fujinon XF 16-80mm F4 OIS Review
- 大きすぎず、小さすぎず、重すぎず、軽すぎず、ちょうど良いレンズだ。「XF16-55mmF2.8 R LM WR」と「XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS」の間に上手く収まる。X-T3との組み合わせがとても適している。
- 直径78.3mm、全長88.9mmと中程度のサイズである。重量も440gと適切であり、防塵防滴仕様であることを考えると全く問題が無い。
- 絞りリングは1/3段ごとに動作する。絞り羽根は9枚で16-55mmと同様だ。
- 幅広いズームリングはきちんと減衰され、滑らかに動作する。80mmまでズームすると鏡筒は大きく伸びる。
- 鏡筒にスイッチは無いので、AF/MFの切替はカメラ側で操作する。
- 光学手ぶれ補正のスイッチも存在しないが、三脚の使用を自動的に検出するようだ。効き目はとても良好で、私が使って来たレンズの中では最高の補正効果である。
- フォーカスリングに問題は無いが、最高の操作性とは言えない。カメラ側でフォーカスリングの動作を「リニア」に設定すると広角側のストロークがとても小さくなる。90度未満で最短撮影距離から無限遠まで移動するため正確なフォーカス操作が難しい。80mm側ではストロークが長くなり、使いやすくなる。
- 0.25倍の撮影倍率はとても有用だ。
- リニア駆動のオートフォーカスは高速かつ静か。電光石火のAFは最短撮影距離から無限遠まで瞬時に移動する見事な性能だ。富士フイルム製レンズとしては滑らで良好な動作である。
- 瞳検出と組み合わせると、少し前ピンになることがある。また、ピントが完全に外れているカットもあった。ソニーやキヤノンと比べると少し残念な結果だ。
- 光学5倍のズームレンズにはいくらか妥協点がある。特に望遠側が弱点となる。
・16mmにおける解像性能は中央領域から周辺領域にかけて良好だが、フレーム端に向かってコントラストと解像度が著しく低下する。F5.6まで絞るとコントラストが大きく改善し、解像度もいくらか改善する。
・22mmは16mmと似ているが、中央領域がさらにシャープだ。F5.6まで絞ると大きく改善する。
・35mmのパフォーマンスも似ているが、コントラストはさらに改善し、少しシャープとなる。
・50mmは35mmとよく似ている。
・80mmは中央領域のコントラストが低下し、周辺や端の領域はかなり悪化する。絞っても大きく変化しない。 - 逆光耐性はとても強力でケチのつけようが無い。
- 倍率色収差・軸上色収差を良好に補正している。
- 発色は優れており、コントラストは良好だ。
ここでの勝者は明らかに消費者だ。富士フイルムは信頼できる3本の標準ズームレンズを選択肢を用意した。個人的に「18-55mm」は少し過大評価されていると感じるが、市場では定評のあるレンズだ。「16-55mm F2.8」はとても好きなレンズだが、一部の人にとって大きすぎると感じるはずだ。
この「16-80mm F4」は多くのフォトグラファーに喜ばれるバランスの取れたレンズだ。サイズ・重量・価格・ズームレンジのバランスが良く、耐候性・リニアAFを備えている。そして私が使って来た光学手ぶれ補正の中では最も優れたパフォーマンスを持っている。
80mmのパフォーマンスは抜群と言えず、瞳AFを使うといくらかミスショットが目に付く。しかし、それでも旅行中にこのレンズがカメラから外れることは滅多にないだろう。
長所:防塵防滴・ズームレンズを考慮すると適切なサイズと重量・リニアモーター駆動・6段分の素晴らしい光学手ぶれ補正・ズームレンジ全域で良好な中央解像・
短所:80mmでパフォーマンス低下・瞳AFで一貫性の無い結果・フレーム端は中央ほど良く無い
PhotographyBlog
Fujifilm XF 16-80mm F4 R OIS WR?Review
- 重さ440g、縮長88.9mmのコンパクトな標準ズームレンズだ。
- 16mmから80mmへズームするとレンズが徐々に伸び、80mmで全長が131.5mmとなる。
- 全体的なビルドクオリティはとても優れている。外装は金属マウントといくらか金属パーツを含むプラスチック製だ。
- 十分に広いズームリングを操作することで内筒が4cmほど伸びる。動作は滑らかで自重落下の傾向は見られない。
- 絞りリングは1/3段ごとに動作する。
- 6段分の光学手ぶれ補正を備えているが、オン・オフを切り替えるスイッチは存在しない。
- オートフォーカスはとても静かなリニアモーター駆動だ。高速かつ正確に動作し、静止画・動画どちらにも適している。
- 歪曲収差はほとんど無い。
- 広角端と望遠端のF4でいくらか周辺減光が見られる。解消するにはF8まで絞る必要がある。
- 色収差の問題は無い。
- レンズフードを装着しても、逆光時にいくらかフレアが発生する。
- ボケ描写の評価には個人差があると思うが、我々の見解としては良好に見える。
- シャープネス16mm:中央はF4からとてもシャープでF5.6~F11においてピークのパフォーマンスとなる。回折はF16付近で始まり、F22で顕著となる。フレーム端はF4で少しソフト、F5.6~F11で最適となる。
- シャープネス23mm:中央はF4からとてもシャープでF5.6~F11においてピークのパフォーマンスとなる。回折はF16付近で始まり、F22で顕著となる。フレーム端はF4で少しソフト、F5.6~F11で最適となる。
- シャープネス35mm:中央はF4で少しソフトだがF5.6~F11においてピークのパフォーマンスとなる。回折はF16付近で始まり、F22で顕著となる。フレーム端はF4で少しソフト、F5.6~F11で最適となる。
- シャープネス50mm:中央はF4で少しソフトだがF5.6~F11においてピークのパフォーマンスとなる。回折はF16付近で始まり、F22で顕著となる。フレーム端はF4で少しソフト、F5.6~F11で最適となる。
- シャープネス80mm:中央はF4で少しソフトだがF5.6~F11においてピークのパフォーマンスとなる。回折はF16付近で始まり、F22で顕著となる。フレーム端はF4で少しソフト、F5.6~F11で最適となる。
「XF16-55mmF2.8 R LM WR」と比較して画質やビルドクオリティは見劣りするが、小型軽量・幅広いズームレンジ・6段分の光学手ぶれ補正を備えた汎用性の高いズームレンズだ。
ePHOTOzine
Fujifilm Fujinon XF 16-80mm f/4 R OIS WR Review
- 外観は他の富士フイルムレンズと同じくとても高水準な仕上がりだ。X-T3のブラックカラーと見事に調和している。
- 重量は440gと適当で長時間の携帯で苦にならない。
- 付属レンズフードは適切かつ滑らかに装着でき、使用中に緩む気配はない。
- 電子制御のマニュアルフォーカスリングは操作がとても軽い。
- ズームリングはフォーカスリングと比べると遥かに固い。動作は滑らかで16mm・23mm・35mm・50mm・80mmの焦点距離を表示している。
- 絞りリングは1/3段ごとに動作する。ノッチは軽く目立たない。
- 頑丈な金属製レンズマウントには防塵防滴用のシーリングが施されている。
- 光学手ぶれ補正の公称値は6段だが、実写では4段と現実的だった。公称値には及ばないが効果的な手ぶれ補正ユニットである。
- シャープネス16mm:
中央はF4~F11の間で優れている。F16でも非常に良好、F22でも良好だ。その一方、フレーム端は絞り値全域でぼちぼちだ。 - シャープネス23mm:
中央は16mmと同じ傾向だ。F4~F11の間で優れている。F16でも非常に良好、F22でも良好だ。フレーム端はいくらか改善するものの、まだぼちぼちだ。 - シャープネス35mm:
中央は16mmと同じ傾向だ。F4~F11の間で優れている。F16でも非常に良好、F22でも良好だ。フレーム端もカッチリと写り、F4~F8の間で非常に良好、F11で良好、F16~F22の間でまずまずとなる。 - シャープネス80mm:
中央はF4~F16の間で非常に良好だ。ただしF22まで絞るとぼちぼちとなる。フレーム端は再び低下し、絞り値全域でぼちぼちだ。 - 測定した数値を否定するわけでは無いが、一般的な撮影距離の結果はいくらか良好だ。
- 色収差をとても良好に補正している。
- 歪曲収差は広角で糸巻き型となる奇妙な補正状態だ。幸いにも数値は小さく実写で邪魔になる量ではない。
(訳注:おそらくレンズプロファイルの補正込です) - ボケはとても心地よい。
- 逆光耐性は抜群だ。フレアをほぼ完全に抑えている。
- 周辺減光は驚くほど控えめだ。
(訳注:おそらくレンズプロファイルの補正込です) - このレンズは現在699ポンドで販売中だ。競合レンズはそう多く無いが、価格設定は妥当に見える。
特定の状況でフレーム端のシャープネスに気を付ける必要があるものの、全体的に見ると輝かしいパフォーマンスだ。有用なズームレンジと相まって常用レンズとなることだろう。
長所:中央シャープネスがとても良好・色収差が実質ゼロ・逆光耐性が優れている・操作性が優れている・ビルドクオリティが高い・歪曲が小さい・周辺減光が少ない・F4固定
短所:フレーム端のシャープネス・絞りリングのノッチが不明瞭
Lenstip
価格を考慮すると残念
- レンズ後玉は直径約26mmで1cmほど奥に入り込んだ所で固定されている。このためレンズは密閉され防塵防滴性が高まっている。
- 製造国はフィリピンだ。
- 幅13mmの絞りリングは1/3段ごとに動作し、快適に操作できる。
- 幅26mmのズームリングはゴム製グリップに覆われている。焦点距離表示は16mm・23mm・35mm・50mm・80mmだ。適切な抵抗量を持ち、滑らかで均質的な動作となっている。
- 幅15mmのフォーカスリングはフォーカスバイワイヤ構造でピント位置の表示は無い。素早く操作すると約120?130度の回転量でピント距離全域を操作可能だ。ゆっくり操作すると回転量は360度となり、正確な操作が可能である。
- 光学手ぶれ補正は公称値の「6段分」に及ばないが、我々のテストで「4.5段分」と優れたパフォーマンスを発揮する。これは称賛に値するものだ。
- 解像度(中央)
・テスト結果はX-T2のRAWファイルに基づいている。
・良像の基準値は44-45lpmmだ。
・最高の単焦点レンズで80lpmmに達している。
・例えば50mm F2 R WRのピークで約83lpmmである。
・中央解像は16mmでベストの結果となる。絞り開放から既に70lpmmと非常に高い解像性能を発揮し、F5.6まで絞ると72lpmmまで向上する。30mmへズームしてもまだ良好だ。50mmは「XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ」の望遠端より良好だ。
・ちなみに「XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZ」の15mmにおける中央解像は77-79lpmmである。
・より安価な「17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM」もF5.6まで絞ればほぼ互角だ。 - 解像度(四隅)
・ズーム中間域が最も良好となり、批判すべきポイントは見当たらない。
・16mmは少し遅れを取っているが、それでも画質はまともである。
・80mmの四隅が最も悪く、絞ったとしても良像は期待できない。
・シグマ「17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM」やキヤノン「EF-S15-85mm F3.5-5.6 IS USM」でこのような欠点は見当たらない。
・価格を考慮した期待値には及ばないテスト結果となった。 - 軸上色収差の補正について問題は何も無い。ただし、このグループとしては一般的な傾向である。
- 倍率色収差の補正はズーム中間域で最良となる。50mmで実質的にゼロ収差となり、30mmでも絞り値に関わらず低い数値を維持している。広角側で僅かに増加し、望遠端でも中程度だ。このカテゴリはライバルと比較して非常に肯定的な結果である。
- 球面収差は完璧に補正していない。
- 歪曲収差
・JPEG出力であれば歪曲に気が付くことは無い。
・ただし、光学的な歪曲収差(RAW)を調べると、16mmでは-6.39%と途方もない樽型歪曲が現れる。この収差はズームすることで急速に減少、23mmまでに0.85%の糸巻き型歪曲へと変化する。
・一般的に望遠側の歪曲収差は抑えられているものだが、このレンズは35mmで3.49%、50mmで3.66%、80mmで3.06%と大きな糸巻き型歪曲が発生している。
・歪曲収差を犠牲にしている分、他の光学収差をより良好に補正しているものだが、このレンズでそのような恩恵は無いように見える。 - コマ収差の影響が僅かで他社の同クラスより優れているように見える。
- 非点収差の平均値は8.6%と中程度の結果となるので心配する必要は無い。ただし、80mmにおける非点収差が17.7%と目立つ点には留意しておくべきだ。この焦点距離における画質悪化の原因である。
- ボケはそれほど見事では無い。玉ボケには非球面レンズ4枚の影響と思われる同心円状の輪が確認できる。このカテゴリで評価するとしたら、1段絞れば解消する口径食くらいだろう。
- 周辺減光は歪曲収差のデジタル補正と相まってJPEGでは全く見られない(四隅がトリミングされるため)。しかし、RAWではJpegより遥かに減光が目立つ結果となる。16mm F4で-1.83EVとかなり目立ち、さらに絞ってもあまり改善しない。30mm F4は-0.97EVとなり大きく改善し、50mm F4ではさらに良好となる。80mm F4では再び悪化し、F4で-1.24EVと目立つ。
- 逆光時のゴースト発生は穏やかでコントラストの著しい低下は見られない。とは言え、ライバルと比べると逆光耐性は弱いように見える。(訳注:逆光耐性はミラーレス用レンズと一眼レフ用レンズで差が出やすいです)
- X-T2との組み合わせでピント距離全域を0.3?0.4秒で移動する高速フォーカスだ。動作音は静かでノイズは聞こえない。低照度では1秒程度まで低下することがある。ピント精度に問題は無いが、低コントラストな被写体ではピントがズレることがある。
長所:頑丈な防塵防滴仕様・非常に良好な中央画質・16-50mmまでのフレーム隅における程よい画質・軸上色収差なし・ライバルより良好な倍率色収差補正・僅かなコマ収差・静かで高速正確なAF・非常に効果的な手ぶれ補正
短所:80mmのける四隅の画質・80mmにおける非点収差が目立つ・RAWで大きな歪曲収差・RAWで周辺減光が目立つ・逆光耐性はもっと良好だとよかった
汎用性の高いズームレンジを備え、高速で正確なオートフォーカス、非常に効果的な手ぶれ補正を併せ持つレンズだ。残念ながら800ドルの値札を考えると欠点が多い。少なくとも25%程度は値を下げないとおススメすることは出来ない。
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