Dustin Abbottがニコン「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」のレビューを掲載。コントロールがシンプルではあるものの、優れた解像性能とコントラストを備えた最高の50mm F1.8 レンズと評価。
Dustin Abbott:Nikkor Z 50mm F1.8 S Review
- 外観:フィルター径は62mmでやや珍しいが、ニコンは同径を他のレンズにも採用し、普及を進めている。奥行きのある専用レンズフードが付属し、内側には反射防止のリブ、外側には着脱しやすい突起がある。
- 構造:鏡筒は堅牢なポリカーボネート製で、マウントと一部部品には金属が使用されている。マウント部には耐候性ガスケットがあり、レンズ全体に内部シールが施されている。シーリングは6〜7箇所で、ニコンのSラインに対する自信が感じられる構造である。
- 携帯性:Zマウントの50mmレンズ(マクロを除く)の中で最も小さいとされるが、F1.8レンズとしては決して小型とは言えない。重量は約415gで、取り回しは適度である。
- 操作性:鏡筒にはリングが1つだけのシンプルな構成で、これは新型F1.4レンズと比較すると少ない。F1.4レンズには2つのリングがある。
- AF:STM駆動により、フォーカスは非常に高速かつ正確である。屋内外を問わず快適に作動し、Z8での20コマ/秒の連写にも追従性が高く、フォーカス精度も優秀であった。
- MF:マニュアルフォーカスリングの感触は良好で、適度な抵抗感と精密な調整が可能である。ニコンの設定によってリニアレスポンスや任意距離の指定も可能。フォーカスブリージングは十分に抑えられている。
- マクロ:最短撮影距離は40cmで、F1.4レンズの37.2cmよりやや劣る。最大撮影倍率は0.15倍で、50mmレンズとしては標準的である。F1.4は倍率が高いが、画質ではF1.8 Sの方が明らかに優れる。
- 手ぶれ補正:記載なし。
- 解像性能:SラインのF1.8レンズはコントラストが非常に高く、シャープネスにも優れる。F1.8開放から中央〜中間部の解像は際立ち、フレーム端でやや低下するものの全体として印象的。F2まで絞ればさらにコントラストが改善される。アポクロマートレンズに近い描写が得られる。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:ボケの玉は小さく、内部に乱れがある点が減点要素である。F1.4 Zは補正が優れているが、F1.8 Sも開放F値が異なる条件で比較してもボケのコントロールが優れている印象がある。特にフレーム周辺のボケはF1.8 Sの方が滑らかである。鏡面ハイライトのサイズや柔らかさはF1.4が勝るが、全体の描写に大きな差は見られない。
- 軸上色収差:フリンジはテストチャートでもほとんど確認されず、補正は優秀である。
- 倍率色収差:フレーム端での横方向色収差は実質的に発生せず、問題にはならない。
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:ごく軽度の樽型歪曲があるが、+2の補正で十分に修正可能である。
- 周辺減光:周辺減光補正には+71の補正が必要で、F1.4よりは良好だが完全ではない。
- コマ収差:記載なし。
- 逆光耐性:フレア耐性は高く、光源が画面外にあるときにフラッシュが見える場合はあるが、通常時のゴーストやコントラスト低下は最小限である。
- 光条:記載なし。
- 作例集:
- 総評:ニコンのF1.8単焦点戦略は従来の手法とは異なるが、性能重視の姿勢が見える。F1.4やF1.2よりもコストと携帯性に優れつつ、非常に高い解像力とコントラストを実現。特にZ 50mm F1.8 Sは、開放F値こそ控えめだが、それを補って余りある描写性能を持つ。現時点で最高の50mm F1.8レンズの一つであると評価できる。
- 競合について:F1.4 Zの利点は価格、明るさ、操作性だが、F1.8 Sは解像力、補正、AF性能で上回る。今後登場予定のViltrox製レンズと競合する可能性があるが、本レンズの完成度は非常に高く、2025年以降も有力な選択肢となる。
- 備考:
2018年に発売したニコンZシステムにおける最初期のレンズ。従来の50mm F1.8と比べると遥かに高価ですが、「S-Line」らしい高い光学性能と堅牢さを両立。9群12枚のレンズ構成で、フレーム周辺部まで良好な光学性能を実現し、ダブルガウスのラスボス的な50mm F1.8となっています。
Dustin Abbottのレビューでは、ビルドクオリティ・光学性能ともに文句なしのレンズに仕上がっている模様。シンプルなコントロール以外にこれと言った欠点が無く、レンズサイズと価格設定を許容できれば面白いレンズ。少なくとも50mm F1.8で性能を追求するならベストな選択肢のようです。私もZ 7と共に購入して2018年から使い続けています。この間にキヤノンやソニーの50mm F1.8・55mm F1.8などと撮り比べており、Z 50mm F1.8が優れたレンズであると再確認。特に色収差補正がとても良好で、厳しいコントラストでも目立つ色収差が発生し辛いのは評価できるポイント。さらに絞り開放からフレーム端まで非常に高い解像性能を発揮し、コマ収差も良く抑えられているので、夜景などにも使いやすい。ボケは滲みを伴う個性的な描写とは言えませんが、癖を徹底的に抑えて使いやすい描写を実現しているように見えます。
難点はレンズサイズが少し大きく、価格が少し高めですが、ハイエンドな50mm F1.8を楽しみたい人にとっておススメしやすいレンズに仕上がっています。
ニコン NIKKOR Z 50mm f/1.8 S 最新情報まとめ
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