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M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO レンズレビュー完全版

このページでは「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO」のレビューを掲載しています。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PROのレビュー一覧

レンズの評価

ポイント 評価 コメント
価格 F4ズームレンズとしては若干高め
サイズ 沈胴構造で収納性抜群
重量 150mm F4 ズームとしては軽量
操作性 必要最低限
AF性能 非常に高速・ブリージング皆無
解像性能 優れた中央解像・欠点なし
ボケ ニュートラルで使いやすい描写
色収差 良好な補正状態
歪曲収差 悪くないが補正は必要
コマ収差・非点収差 良好な補正状態
周辺減光 穏やか
逆光耐性 全体的に良好
満足度 MFTらしさを詰め込んだレンズ

評価:

ポイント

MFTらしさを詰め込んだ丁度いい望遠ズームレンズ

マイクロフォーサーズらしさ、OM SYSTEMらしさ、を詰め込んだF4望遠ズームレンズ。
コントロールの簡素化は注意が必要ですが、AFは高速で、癖のない光学性能やボケ描写で使いやすい。「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4 PRO」と組み合わせる面白い選択肢。

販売価格が悩ましいところですが「150mm F4」をコンパクトに携帯性したい人にとって唯一無二と言えそうです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO
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まえがき

2022年に登場したM.ZUIKO PROシリーズの望遠ズームレンズ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」と同じ焦点距離をカバーしつつ、沈胴構造を採用することで小型軽量なレンズサイズを実現。沈胴構造を解除後はインナーズームという珍しい方式を採用しています。

PROシリーズらしく、金属鏡筒や防塵防滴仕様を採用。コントロールは簡略化されていますが、耐候性と携帯性を重視したオリンパス・OM SYSTEMらしいデザイン。

主な仕様

レンズの仕様
発売日 2022年 3月25日 発売 初値 114,840円
マウント MFT 最短撮影距離 0.7m
フォーマット 4/3 最大撮影倍率 0.21倍
焦点距離 40-150mm フィルター径 62mm
レンズ構成 9群15枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F4 テレコン -
最小絞り F22 コーティング ZERO・F
絞り羽根 7枚
サイズ・重量など
サイズ φ68.9×99.4mm 防塵防滴 対応
重量 382g AF STM
その他
付属品
レンズフード・ポーチ

価格のチェック

売り出し価格は11万円前後。現在も同程度の価格を維持しています。
F4ズームレンズとしては「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4 PRO」よりも高く、パナソニックの「LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.」に近い値付けとなっています。

安いとは言えないものの、「150mm F4」を利用できるコンパクトな望遠ズームレンズに価値を見出すことができるかどうか。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO
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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

ここ最近の新製品と同じく、エコパッケージ化したデザインを採用。

他社も同じような路線を採用する場合があるものの、ここまでそぎ落としたメーカーはありません。

レンズ本体のほか、レンズフード、レンズポーチ、説明書・保証書が付属します。

外観

フォーカスリング・ズームリングまで金属製のしっかりとした外装。高級感のある作りですが、光沢のある塗装は指紋など油汚れが目立ちやすく、傷ついた際に塗装剥がれが目立ちやすい。同じ金属製でもLEICA DGシリーズのほうが個人的には好み。

装飾は僅かですが、ブランドカラーとなるブルーリング、ズームリングリング直後のグレーのリングなど、最近のレンズと比べると主張が強め。特に前述した光沢のある塗装が目立ちやすい。

沈胴構造を展開した際の内筒はプラスチック製。がたつきは無く、しっかりとした作りです。

沈胴構造・インナーズーム

沈胴構造は使用時に内筒を伸ばす必要があります。展開後は内筒が約3cm伸びます。

その後は40mmから150mmまで全長に変化のないインナーズーム構造という珍しいレンズ。携帯性を重視した面白い製品ですが、「伸ばす・縮める」という手間や密閉性の低下を残念と感じる場合もあることでしょう。

ハンズオン

サイズ 重量
40-150mm F4 φ68.9×99.4mm 382g
40-150mm F2.8 φ79.4×160mm 760g
Leica 35-100mm Φ67.4mm×約99.9mm 360g

沈胴構造もあって40-150mm F2.8よりも遥かにコンパクトで収納性が高い。使用時は伸びるものの、収納性はパナソニックの35-100mm F2.8とよく似ています。重量も同程度(ただし、PROは手振れ補正非搭載です)。

前玉・後玉

マイクロフォーサーズ用のレンズとしては珍しい62mm径フィルターに対応。防塵防滴仕様ですが、フッ素コーティング処理されていないため、前面に水滴や油汚れが付着しやすい環境では保護フィルターを装着しておきたいところ。

金属製レンズマウントは4本のネジで本体に固定されています。マウント面には「Maide in Vietnam」の記載あり。

40-150mm F2.8 PROと異なり、テレコンバージョンレンズには対応していません。

フォーカスリング

金属製フォーカスリングを搭載。適度なトルク感で滑らかに回転します。

ピント移動距離はリング回転速度に依存。ゆっくり回転した場合はピント全域を移動するのに1回転ほど必要。素早く回転すると、90度ほどで操作可能ですが、焦点距離によってストロークが異なります。

ズームリング

沈胴状態から展開までの操作を除けば、40mmから150mmまで90度に満たないストロークで操作可能。適度なトルク感で滑らかに操作することが可能。焦点距離は操作中にライブビュー画面に表示可能。

レンズフード

円筒形のシンプルなレンズフードが付属。フィルター操作窓などはありません。逆さ付け可能ですが、この際はフォーカスリングが隠れてしまいます。

装着例

OM-3に装着。重量的なバランスは悪くないものの、グリップが無いと保持し辛いレンズ重量であるのは確か。基本は左手でレンズを支えて撮影することになると思います。OM-1 Mark II やG9M2であれば問題ありません。

AF・MF

フォーカススピード

MSCという名のステッピングモーター駆動。フォーカスはキビキビと動作。ボイスコイルモーター駆動ほど電光石火ではないものの、大部分の撮影で快適なフォーカス速度。フレーム隅を使用しても問題ありませんでした。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

焦点距離全域でフォーカスブリージングはほぼゼロに抑えられています。非常に快適。

40mm
Before imageAfter image
70mm
Before imageAfter image
150mm
Before imageAfter image

精度

OM-3との組み合わせで問題ありませんでした。再現性の高いAFが可能。

MF

リニア・ノンリニアの2種類に対応し、全体的に滑らかで応答性の高い操作が可能。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:LUMIX DC-G9M2
  • 交換レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO
  • パール光学工業株式会社
    【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

40mm

テスト結果

  • 中央:回折の影響で低下するまでの絞り範囲が狭いものの、絞り開放から非常に良好。
  • 周辺:中央と比べると少し低下。絞ると改善し、F8で中央とほぼ同じ。
  • 隅:周辺とほぼ同じ傾向。顕著な低下が無く、F8まで絞るとフレーム全体で均一性の高い結果。
ハイレゾモード

  • 中央:F4から良好、F5.6まで絞ると大幅に改善。
  • 周辺:中央に近い結果。
  • 隅:中央や周辺と比べると低下するものの非常に良好。絞っても改善しません。
数値確認
Center Mid Corner
F4.0 3484 2628 2365
F5.6 3852 3177 2747
F8.0 3144 3308 3026
F11 2955 2819 2704
F16 2458 2458 2293
F22 1857 1728 1768

70mm

テスト結果

  • 中央:引き続き非常に良好。
  • 周辺:絞り開放から中央に近い良好な性能。F5.6まで絞るとほぼ同水準。
  • 隅:非常に良好ですが、絞っても大きな改善はありません。
ハイレゾモード

  • 中央:F4から優れた結果。
  • 周辺:絞り開放から中央に近い良好な性能。
  • 隅:非常に良好ですが、絞っても中央や周辺には及びません。
数値確認
Center Mid Corner
F4.0 3668 3260 3066
F5.6 3658 3574 2938
F8.0 3455 3647 3158
F11 2631 2897 3066
F16 2439 2487 2462
F22 1851 1851 1911

150mm

テスト結果

  • 中央:広角側・中間と比べると数値が低下。絞っても改善しません。
  • 周辺:中央と比べるとややソフト。絞ると中央に近い結果が得られます。
  • 隅:周辺とほぼ同じ。画質の顕著な低下はありません。
ハイレゾモード

  • 中央:引き続きF4から非常に良好。
  • 周辺:中央と比べると見劣りするものの、非常に良好。
  • 隅:ハイレゾの恩恵が少ないものの、良好な結果。
数値確認
Center Mid Corner
F4.0 3668 3260 3066
F5.6 3658 3574 2938
F8.0 3455 3647 3158
F11 2631 2897 3066
F16 2439 2487 2462
F22 1851 1851 1911

40-150mm F2.8 との比較

少なくとも解像チャートテストにおいて、150mmはF2.8 PROの圧勝。フレーム中央から隅まで非常にシャープで、96MPハイレゾモードを十分に活かせる性能を備えています。

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2026.4.16 晴れ
  • カメラ:LUMIX DC-G9M2
  • 三脚:SIRUI AM324
  • 雲台:アルカスイスZ1+
  • 露出:ISO 100 絞り優先AE
  • RAW:Adobe Camera RAW
  • シャープネスオフ
  • ノイズリダクションオフ
  • レンズ補正オフ

40mm

中央

絞り開放で細部のコントラストが僅かにソフト。F5.6まで絞ると改善します。

周辺

絞り開放から大きな変化はありませんが、画質のピークはF8に見えます。

四隅

周辺と同程度。F4から実用的ですが、画質のピークはF8。

70mm

中央

絞り開放から良好。画質のピークのF5.6-8で、F4と比べると僅かに改善しています。

周辺

絞り開放から良好。絞りによる変化は目立ちません。

四隅

周辺と同じ傾向。

150mm

中央

絞り開放から絞っても大きな変化はありません。F8以降は回折の影響で画質が徐々に低下しています。

周辺

中央と同程度。絞りによる大きな変化はありません。

四隅

周辺と同程度。大きな変化はありませんが、実用十分。

像面湾曲

像面湾曲とは?

像面湾曲とは、本来は平らなはずのピント面が、レンズの特性によって曲面になってしまう収差。

理想的なレンズでは、平らな被写体を撮影した際に画面全体へ同じようにピントが合う。しかし、像面湾曲があると、中央にピントを合わせたときに周辺がぼやけたり、逆に周辺へピントを合わせると中央がぼやけたり。

例えば、壁や新聞、建物の正面など平面的な被写体を撮影すると、中央はシャープなのに四隅だけ甘く見えることがあります。この場合、レンズの解像性能が低いのではなく、ピント面が湾曲していることが原因の可能性あり。また、像面湾曲には内側へ曲がるものと外側へ曲がるものがあり、レンズによって傾向が異なる。

像面湾曲は画面の隅に向かうほど影響が大きくなるため、風景や建築写真では重要な性能項目の一つ。一方、ポートレートや近接撮影では必ずしも欠点とは限らず、被写体の立体感や独特の描写に寄与することも。

なお、像面湾曲はピント位置の問題であり、色収差や歪曲収差とは異なります。また、レンズを絞ると被写界深度が深くなるため影響が目立ちにくくなる。レンズレビューで「像面湾曲が少ない」と評価される場合、画面中央から周辺まで均一なピント面を維持しやすく、風景や建築物をシャープに撮影しやすいことを意味する。

参考:ニコン 収差とは

ピント面が分かりやすいように加工しています。

実写で確認

ズーム全域で像面湾曲の影響は無視できる程度まで抑えられています。

40mm
70mm
150mm

倍率色収差

倍率色収差とは?

倍率色収差とは、レンズが光の色によって異なる倍率で像を結んでしまう現象。その結果、画像の色ごとの大きさがわずかに異なり、被写体の輪郭部分に色のずれが発生。

軸上色収差がピント位置の前後で起こるのに対し、倍率色収差は主に画面周辺で目立つ。例えば、建物の輪郭や電線、木の枝などの境界部分に、赤や紫、青、緑などの色の縁取りなど。画面中央ではほとんど見えないものの、周辺へ行くほど目立ちやすくなるのが特徴。

倍率色収差は絞りを変えてもほとんど改善しないため、レンズ設計による補正が重要。一方で、軸上色収差と異なり、デジタル補正との相性が良く、多くのミラーレスカメラや現像ソフトでは自動補正容易。そのため実際の撮影では大きな問題になりにくい場合も多い。

ただし、高解像モデルで風景や建築物を撮影する際には解像感の低下につながる可能性あり。レンズレビューで「倍率色収差が良好に補正されている」と評価される場合、画面周辺でも色の縁取りが少なく、被写体の輪郭をより正確かつシャープに描写できることを意味しています。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

ズーム全域で目立つ倍率色収差はありません。

40mm
70mm
150mm

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とは、レンズが光の色ごとに異なる位置へピントを結んでしまう現象。光には赤や緑、青などさまざまな色が含まれており、レンズを通ると色によって曲がり方がわずかに異なる。そのため、ある色にピントが合っていても別の色は前後にずれ、画像に色のにじみが発生。

軸上色収差は主にピント面の前後に現れ、ピントより手前では紫色やマゼンタ色、奥側では緑色のにじみとして見えることが多い。特に開放F値の明るいレンズや望遠レンズで目立ちやすく、金属の反射部分や白い文字、逆光の被写体など高コントラストな場面で確認しやすい。

また、画面中央でも周辺でも発生するため、絞りを開けた状態では画面全体の解像感やコントラストを低下させる原因となる。一般的にはレンズを1~2段ほど絞ると大幅に改善。近年の高性能レンズでは特殊低分散ガラスなどを使用して補正されているものの、完全にゼロにすることは難しい。レンズレビューで「軸上色収差が少ない」と評価される場合は、ピント面前後の色にじみが少なく、よりシャープな描写が期待できるという意味。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

僅かに残存していますが、広角側で大きな問題とはなりません。望遠側で厳しい状況の場合にクロップすると目立つ可能性あり。

40mm
70mm
150mm

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、被写体の形そのものが変形して写る現象。レンズの解像力やピントとは別の問題で、直線であるはずのものが曲がって記録されるのが特徴。

代表的なものは「樽型歪曲」と「糸巻き型歪曲」。樽型歪曲では画面中央から外側へ向かって線が膨らみ、建物の壁や地平線が外側へふくらんで見える。一方、糸巻き型歪曲では線が内側へ引っ張られたように曲がる。また、ズームレンズでは広角側で樽型、望遠側で糸巻き型になることも多い。

歪曲収差は特に建築物や室内、風景写真など、直線が多い被写体で目立ちやすい。人物撮影では気付きにくい場合もありますが、画面周辺に人物を配置すると体形や顔の形がわずかに変形して見える可能性あり。

他の収差と異なり、歪曲収差は画面のシャープネスや色にじみにはほとんど影響しません。そのため、近年のミラーレスカメラや現像ソフトではデジタル補正が広く利用されており、多くのレンズで自動的に補正されています。

レンズレビューで「歪曲収差が少ない」と評価される場合は、建物や水平線などの直線を自然な形で再現できることを意味しています。一方、歪曲収差をソフトウェア補正する前提で設計されたレンズも多く、実写では大きな問題にならない場合も少なくない。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

40mm

穏やかな樽型。レンズ補正で簡単に修正可能。

Before imageAfter image
70mm

穏やかな糸巻き型。レンズ補正で簡単に修正可能。

Before imageAfter image
150mm

70mmと同じく中程度の糸巻き型。

Before imageAfter image

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差とは、画面周辺の点光源が彗星(Comet)のように尾を引いた形に変形して写る現象。名称の「コマ」は英語の Coma(彗星)に由来。

本来、星や街灯のような点光源は丸い点として写るべきところ、コマ収差が大きいレンズでは画面周辺で三角形や鳥が羽を広げたような形に崩れる。特に画面の隅に近づくほど目立ちやすい。

コマ収差は星景写真や夜景撮影で重要な性能項目。例えば、画面中央の星はきれいな点に写っていても、四隅の星が流れたような形に。昼間の撮影では気付きにくいものの、夜間の点光源では容易に確認可能。

一般的にはレンズを少し絞ることで改善。レンズレビューで「コマ収差が良好に補正されている」と評価される場合、画面周辺の星や街灯も点に近い形で再現できることを意味しています。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

ズーム全域で大きな問題はありません。

40mm
70mm
150mm

球面収差

球面収差とは

球面収差とは、レンズの中心を通る光と周辺を通る光が異なる位置でピントを結んでしまう収差。その結果、ピントが合っているはずの部分でも像がわずかににじみ、シャープさやコントラストが低下。

理想的なレンズでは、すべての光が同じ位置に収束。しかし実際のレンズは、中心付近を通る光と周辺部を通る光の集まり方が異なるため、一点に完全には集まりません。

球面収差が大きいレンズでは、開放F値で撮影した際に全体が少し柔らかく見えたり、光がにじんだような描写。特にポートレート用レンズでは、この特性を活かして肌をなめらかに見せる場合もあります。一方、風景や建築写真では解像感の低下につながるため、できるだけ少ないことが望ましい。

球面収差は前ボケと後ボケの見え方にも大きく影響。球面収差の補正状態によってボケの柔らかさや輪郭の強さが変化するため、レンズごとの描写の個性を生む要素の一つ。

一般的にはレンズを絞ることで周辺光線が制限され、球面収差は大幅に改善。レンズレビューで「球面収差がよく補正されている」と評価される場合は、開放F値から高い解像感とコントラストを得やすいことを意味します。一方で、あえて球面収差を少し残すことで、柔らかく自然なボケ描写を実現しているレンズも存在。

実写で確認

解像テストを見る限りでは、40mmは収差が最も残存する領域。しかし、特に大きな問題はないように見えます。フォーカスシフトの兆候もありません。

40mm
70mm
150mm

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

綺麗なボケとは、輪郭が目立たず、背景がなめらかに溶けるような描写。被写体が背景から自然に浮かび上がり、見る人の視線を主題へ導きやすい。ポートレートや花の撮影で好まれることが多く、「柔らかいボケ」「なめらかなボケ」と表現される場合もある。

騒がしいボケとは、背景の輪郭や模様が強調されて見えるボケ。木の枝や葉、フェンスなど細かな模様が二重線になったり、ざわついた印象になったりする。背景が目立ちすぎるため、主題への視線が分散することがあります。

ボケの良し悪しは単純に明るいレンズほど優れるわけではなく、球面収差の補正状態やレンズ構成、絞り羽根の形状などによって変化します。また、撮影距離や背景との距離によっても印象は大きく変わります。

ボケの評価には好みも大きく関係。一般的にはなめらかなボケが高く評価されることが多いものの、被写体や作品の雰囲気によっては、少し騒がしいボケが独特の立体感や個性を生む場合もあります。そのため、ボケの質はレンズの性能だけでなく、写真表現の一部として捉えることが重要。

後ボケ

滑らかですが、硬めの描写。前景のボケと質感がほとんど変わりません。高性能なレンズに多いニュートラルなボケ。

前ボケ

前景にボケを積極的に入れても、過度に悪目立ちすることはありません。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

玉ボケとは、背景や前景にある小さな光源が、丸い光の円として写るボケ表現のこと。夜景のイルミネーションや木漏れ日、水面の反射などでよく見られる。一般的に、明るいレンズほど大きな玉ボケを作りやすく、背景を印象的に演出できるため、ポートレートやスナップ撮影で人気がある。

理想的な玉ボケは、円形で輪郭が目立たず、内部の明るさが均一な状態で。しかし実際にはレンズ設計の影響により、さまざまな特徴が現れることがある。例えば、輪郭が明るく縁取られた玉ボケは背景が騒がしく見えやすく、内部に同心円状の模様が現れるものは「玉ねぎボケ」と呼ばれる。

また、画面周辺では玉ボケが円形を保てず、楕円形や猫の目のような形に変形することがある。これは周辺部で光が一部遮られるためで、「口径食」と呼ばれる現象によるもの。

実写で確認

全体的に口径食が少なく、丸みを帯びた滑らかな玉ボケ。縁取りは弱く、玉ねぎボケの兆候はありません。

ボケ実写

40mm

近距離はとても良好。撮影距離が長くなると、少しざわつき始めます。しかし、悪目立ちするほど酷い描写ではなく、使い勝手は良好。

70mm

40mmと同じ傾向ですが、焦点距離が長いぶんボケを大きくしやすい。僅かに硬さがあるものの、概ね良好。

150mm

70mmと同じ傾向で、ボケはさらに大きくしやすい。

周辺減光

周辺減光とは?

周辺減光とは、画面の中央に比べて四隅や周辺部分が暗く写る現象。英語では「ビネッティング(Vignetting)」とも呼ばれる。

本来は画面全体が同じ明るさで写るのが理想ですが、レンズの構造上、周辺部へ届く光の量が中央より少なくなることがあります。その結果、写真の四隅がわずかに暗くなり、特に青空や白い壁など均一な被写体を撮影すると目立ちやすい。

周辺減光は広角レンズや大口径レンズで発生しやすく、開放F値付近で最も強く現れることが多い。レンズを1〜2段ほど絞ると改善する場合が多く、近年のミラーレスカメラではソフトウェア補正によって自動的に軽減。

一般的には欠点として扱われるものの、必ずしも悪い現象とは限りません。画面の四隅が暗くなることで視線が中央へ集まりやすくなり、ポートレートやスナップ写真では雰囲気作りに役立つ場合もあります。そのため、あえて補正せずに利用する写真家もいるくらい。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)で補うため、センサー由来のノイズが発生する原因となる点には注意。特に夜景や星空の撮影などで高感度ISOを使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

実写で確認

40mm

全体的にF4から穏やかな影響です。無視できる範囲内。

最短撮影距離

無限遠

70mm

40mmよりも良好な結果。

最短撮影距離

無限遠

150mm

他の焦点距離と比べると、F4における周辺の光量低下が少し目立ちます。しかし、F5.6まで絞るとほぼ解消。過度に心配する必要はありません。

最短撮影距離

無限遠

逆光耐性

逆光とは

逆光耐性とは、太陽や強い照明が画面内、または画面のすぐ外にある状況で、画質をどれだけ維持できるかを示す性能。

逆光下では、レンズ内で光が反射・散乱することで「フレア」や「ゴースト」が発生。フレアは写真全体が白っぽくなってコントラストが低下する現象で、ゴーストは光源の形をした模様や色付きの像が画面内に現れる現象。

逆光耐性が高いレンズは、強い光源が画面内にあってもコントラストや色の再現性を維持しやすく、フレアやゴーストの発生も少ない。近年のレンズでは特殊コーティングの採用により大幅改善。

ただし、逆光耐性が優れていても完全にフレアやゴーストをなくすことは難しい。特に超広角レンズやズームレンズでは光学設計上の制約から発生しやすい場合があります。

レンズレビューで「逆光耐性が優秀」と評価される場合、太陽を画面に入れた撮影でも画質の低下が少なく、安定した描写が期待できることを意味しています。

40mm

絞り全域で光源付近のフレアは良く抑えられています。絞った際のゴーストも少なめ。

70mm

40mmと同じ傾向。

150mm

他の焦点距離よりもフレアが少し目立ちます。

光条

光条とは

光条とは、太陽や街灯などの強い点光源から放射状に伸びる光の筋のこと。英語では「サンスター(Sunstar)」とも呼ばれる。

光条は主にレンズを絞ったときに発生しやすく、絞り羽根の枚数や形状によって見え方が変化。例えば、夜景の街灯が星のように見えるのは光条の効果によるもの。

光条がシャープで均一なレンズは、風景写真や夜景写真を好む撮影者から高く評価されます。一方、光条が太かったり不揃いだったりすると、見栄えがやや不自然。

一般的に開放F値では光条はほとんど目立たず、F8〜F16程度まで絞ると現れやすくなる。ただし、絞りすぎると回折の影響で解像感が低下するため、光条の強さと画質のバランスを考慮する必要があります。

レンズレビューで「美しい光条が得られる」と評価される場合、夜景やイルミネーション撮影で点光源を印象的に表現しやすいことを意味しています。逆に「光条が不規則」と評価される場合、光の筋の長さや形が揃わず、やや雑然とした印象になることを示しています。

実写で確認

絞っても先細りする光条とはなりません。本レンズで光条を期待する場合はクロスフィルターを導入したほうが良いでしょう。

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • 小型軽量
  • PROシリーズの望遠ズームレンズとしては最も安い
  • 防塵防滴
  • 金属製の頑丈な鏡筒
  • インナーズーム
  • 高速AF
  • フォーカスブリージングがほぼゼロ
  • 優れた中央解像性能
  • 隅まで大幅な画質低下なし
  • 色収差補正が良好
  • コマ収差補正が良好
  • ニュートラルで滑らかなボケ
  • 口径食/周辺光量低下が穏やか
  • 逆光耐性が良好

「伸びるF4望遠ズーム」は増えてきましたが、沈胴構造とインナーズーム構造を採用した製品としては唯一無二。PROシリーズらしい防塵防滴構造や高速AFを両立しつつ、全体的に無難で使い勝手のよい光学性能を実現しています。

光学性能や描写で特徴的なレンズとは言えませんが、癖が無く使いやすいのは確か。

良くなかったところ

ココに注意

  • 沈胴構造の展開が必要
  • テレコン非対応
  • 簡略化されたコントロール
  • 絞っても光条がシャープにならない
  • 手振れ補正非搭載

画質面で特に指摘する部分はほとんどありません。敢えて挙げると、光条の描写が思っていたよりもシャープではない、というくらい。

注意するとしたらレンズの構造。
沈胴構造のため、撮影時はレンズを伸ばす手間が発生します。「伸ばしっぱなし」でも良いと思いますが、この手間が気になる人は実機を要確認。

また、PROシリーズの製品としてはコントロールが簡略化されています。L-Fnボタンやフォーカスクラッチ、AF/MF切り替えには非対応。フォーカスリングとズームリングしかありません。

結論

マイクロフォーサーズらしさ、OM SYSTEMらしさ、を詰め込んだF4望遠ズームレンズ。
コントロールの簡素化は注意が必要ですが、AFは高速で、癖のない光学性能やボケ描写で使いやすい。「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4 PRO」と組み合わせる面白い選択肢。

販売価格が悩ましいところですが「150mm F4」をコンパクトに携帯性したい人にとって唯一無二と言えそうです。

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO
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購入を悩んでいる人

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO

40-150mm F4 よりも大きく、重いですが、150mm F2.8を利用できるレンズとしては小型軽量。M.ZUIKOレンズとしては貴重なVCM駆動のAFを利用でき、電光石火のAFはMFT随一。

光学性能は特に近距離の被写体を撮影する際に優れており、中央から隅まで非常にシャープな結果が得られます。ボケはF4よりも少し騒がしいので、被写体の切れ味を重視する場合におススメ。

OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
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M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO(生産終了)
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M.ZUIKO ED 40-150mm F2.8 PRO 1.4x テレコンキット(生産終了)
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LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm / F2.8 / POWER O.I.S.

価格的に競合しやすいレンズ。
望遠端は100mmと短めですが、ズーム全域でF2.8を利用可能。150mmの長焦点が必要ない場合、低照度や動体撮影で有利となる可能性あり。手振れ補正を搭載しているので、ボディ側に非搭載の小型LUMIXボディと相性が良好。

LEICA DG VARIO-ELMARIT 35-100mm/F2.8/POWER O.I.S.
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購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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