DPReviewがソニー「ZV-E10」のハンズオンを公開。カメラの特徴や操作性についての紹介と動画撮影時の注意点などを紹介しています。
DPReview:Hands-on with the Sony ZV-E10
ソニー「ZV-E10」は、主にVlogを目的としたAPS-CフォーマットのEマウントミラーレスだ。
エントリーモデルの「α6100」をベースにしているが、主な違いは、3つのカプセルマイクとバリアングルモニタ、そしてファインダー非搭載である点だ。α6100と同様に、優れたAFシステム、画質、性能を備えている。ソフトウェア面では、背景のぼかし機能や商品レビュー用設定、ライブストリーミング機能、美肌モードなど、コンパクトなVlogカメラ「ZV-1」の機能のほとんどを継承している。
ZV-E10の価格は、本体のみで699ドル、古い16-50mm F3.5-5.6パワーズームレンズ付きで799ドルだ。全体的なデザイン
- ZV-E10は、α6100のほとんどを受け継いでいるが、Vlog用カメラにするためにデザインが大きく変化している。
- トッププレートは完全に再設計され、電子ファインダーとポップアップフラッシュは取り除かれ、代わりにマルチカプセルの指向性マイクが搭載されている。
- α6100と同様、ボディは軽く、手に取るとかなりプラスチッキーな質感だ。
- APS-C αミラーレスとしては初となるバリアングルモニタ搭載モデルだ。
センサーとオートフォーカス
- α6000シリーズのラインナップで、ここ数年変わらないものがあるとすれば、それはセンサーだ。ZV-E10は、数多くのソニー製APS-Cボディに搭載されているものと同じ2400万画素のCMOSセンサーが採用されている。これは良い面があり。素晴らしい画質と高品質の4K動画を生成できる。
- しかし残念なことに、読み出し速度が非常に遅いため、4K動画モードでカメラをパンニングするとローリングシャッター歪が強い。
- ZV-E10は、ソニーの最新のオートフォーカスシステムを採用しており、被写体が目をそらしても、瞳や顔をほぼ完璧に追いかけることが可能だ。これにより、動画撮影中の「ハンチング」がなくなり、後述する商品レビュー用設定機能も非常に印象的だ。
VLOG機能
- ZV-E10の特徴的な機能は「VLOG」だ。カメラを自分に向けたとき、いくつかの機能が使えるようになっている。
- ひとつは、絞りを開放にして被写界深度を稼ぐ「背景ボケ切替」だ。ただし、明るい場所では、シャッタースピードを速くする必要があるため、映像が途切れたり、不自然になったりすることがある。
- ふたつめの「商品レビュー用設定」は特に優れた機能だ。使用すると、カメラは目の前に現れた物体にピントを合わせる。対象物を取り除くと、ピントはすぐに被写体に戻る。ソニーのAFシステムは非常に高速であり、ほとんど一瞬で切り替わる。
- また、多くのカメラに搭載されているように、顔をワックスのような状態にして、シミを消す美肌機能を搭載している。
- 動画撮影時には、液晶に赤い輪郭が表示され、AFアシストランプがタリーランプの役割を果たす。
動画
- 動画撮影について、購入を検討している人に知って欲しいことがある。まず、ボディ内手ぶれ補正機能がないため、レンズに手ぶれ補正機能が付いていない場合は、電子式手ブレ補正機能を使用することになる。
- 電子式手ぶれ補正のクロップ率は1.44倍と高く、24-75mm相当のキットレンズが35-108mmとなる。これを補うためには、かなり長い自撮り棒(または、さらに画角の広いレンズ)が必要になる。
- 4K 30p撮影時のクロップは1.2倍と少ない。電子式手ぶれ補正をオフにしておけば、キットレンズでも28mm相当という適度な画角で撮影可能だ。フレームレートを24pに落とせば、クロップはなくなる。
- 4K動画の画質は素晴らしいが、カメラをパンしたときにローリングシャッターが問題になる。
- S-Log2/3とHLGに対応しており、後処理でのカラーグレーディングが簡単だ。
トッププレート
- カメラ上部中央のマイクは、3つのカプセルマイクで構成されており、カメラ前面の音声を録音する。パナソニックのDC-G100/G110に搭載されている被写体追尾用のマイクほど洗練されたものでは無いが、一般的なカメラに搭載されているものよりも優れている。
- ウィンドスクリーン(通称「デッドキャット」)も同梱されている。
- もっと良いマイクが欲しければ、すぐ隣にホットシューに装着可能だ。ソニーブランドのマイクは、ケーブルレスで使用できるマルチインターフェースシューを利用できる。他社製のマイクは側面のマイクソケットにケーブルを接続する必要がある。
- 右側の操作部は、一般的なα6000シリーズのカメラとは異なる。モードダイヤルがなくなり、静止画、動画、スロー&クイックの各モードを切り替えるボタンに変更されている。平均よりも大きな動画撮影ボタン、コマンドダイヤル、パワーズームレンズ用のズームレバー、背景ボケ切替機能を作動させるボタンがある。
ポート
- カメラのやや薄っぺらいプラスチック製ポートドアの内部には各種ポートを搭載している。
- 上から順に、3.5mmマイク、USB 3.2 Gen1 Type-C、Micro HDMI、3.5mmヘッドフォンだ。
- USBポートに接続したまま、カメラの充電や操作が可能だ。また、ライブストリーミング(ウェブカメラとしての使用も含む)にも対応している。
背面パネル
- 右側の操作系はα6100とほぼ同じだ。背面ダイヤルの配置が悪く、上部ダイヤルも操作する場合は手の位置を変える必要がある。
- 残念なことに、ソニー現行のα6000シリーズのすべての機種に見られる92万ドットの液晶パネルを採用している。最近ではほとんどのコンパクトミラーレスカメラが104万ドット(以上)のディスプレイを採用している。
- このディスプレイはタッチ操作に対応しており、ピント合わせや撮影はもちろん、再生時に写真を100%まで拡大することも可能だ。
- 電子ファインダーを搭載していないが、搭載するスペースがないのは当然のことだ。
バッテリーとメモリーカード
- おなじみのソニー製リチウムイオンバッテリー「NP-FW50」を採用している。このバッテリーは440枚(CIPA規格準拠)の撮影が可能だ。
- 前述のように、ノートPC用の充電器やモバイルバッテリーからの電源供給が可能なので、途切れることなく撮影ができる。
- バッテリーの隣にはメモリーカードスロットがあり、SDとメモリースティックPro Duoの両方のメディアに対応している。
- SDカードスロットは、UHS-IIカードを使うことも出来るが書き込み・読み出し速度は改善しない。
まとめ
ソニー「ZV-E10」は、パナソニック「LUMIX DC-G100/G110」と並び、ミラーレス市場では2台しかないVlog専用ミラーレスの1つだ。見事な動画撮影機能を備えており、オートフォーカスシステムは(G100とは異なり)瞬間を逃すことは無い。
4K動画の画質は非常に精細ですが、4K 30p撮影時や電子式手ブレ補正機能を使用した際のクロップが大きいため、広角レンズ(または長い自撮り棒)が必要になる。また、パンニング時のローリングシャッターも目立つ。
ZV-E10はスチルカメラとしても十分な性能を持っているが、それを重視するのであれば、α6100やa6400を検討すべきだろう。これらのモデルには、Vlogのような優れた機能は無いが、電子ビューファインダーと内蔵フラッシュを搭載している。
とのこと。
コアとなる部分はα6100とよく似ていますが、VLOGCAM ZV-1のようなカプセルマイクとウインドスクリーンに対応し、APS-C α(ミラーレス)としては初めてバリアングルモニタを搭載したカメラです。これと言って革新的なカメラではありませんが、小型軽量で売り出し価格が安い手ごろなカメラに仕上がっています。DPReviewが指摘している通り、クロップやローリングシャッターには注意が必要ですが、気にならないのであればコストパフォーマンスの高いVLOGCAMとなりそう。
もちろん、対応するレンズを購入する必要があります。総合的にZV-1よりも高価となる可能性もありますが、状況に合わせてレンズを交換することが出来るのは魅力的ですね。参考までに対応するAPS-Cレンズの一覧表を掲載しておきます。
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APS-C αEマウントのAFレンズ
ソニー
- E 10-18mm F4 OSS
- E 16mm F2.8
- E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS
- E 16-55mm F2.8 G
- Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS
- E PZ 18-105mm F4 G OSS
- E PZ 18-110mm F4 G OSS
- E 18-135mm F3.5-5.6 OSS
- E 18-200mm F3.5-6.3 OSS LE
- E 20mm F2.8
- Sonnar T* E 24mm F1.8 ZA
- E 30mm F3.5 Macro
- E 35mm F1.8 OSS
- E 50mm F1.8 OSS
- E 55-210mm F4.5-6.3 OSSE 70-350mm F4.5-6.3 G OSS
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