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シグマはコロナ禍の中でfpとマクロレンズの売上が伸びた

IMAGING RESOURCEがシグマ社長へのインタビュー記事を公開。これまでで最も長いインタビューとなり、話題も幅広い。コロナ禍の状況でマクロレンズやfpが売れた話、FLDの製造や蛍石との差、今後のカメラ業界についてなどなど。

在宅が増えウェブカメラや家撮り需要が増えた?

IMAGING RESOURCE:Sigma Q&A: Why the 24-70 DG DN is *such* a good deal, why FLD glass is tricky, and (much) more…

  • 今年3月に日本を訪れた際に実施したインタビュー第4段だ。(オリンパス・パナソニック・富士フイルム・シグマ)
  • 今回は世界有数のサードパーティ製レンズメーカーであるシグマのCEO 山木和人氏にお話しを伺った。
  • 新型コロナウイルスの影響や新レンズや材料について話し合い、これまでで最も長いインタビューとなった。

新型コロナウイルスの影響について
(9月上旬のフォローアップ)

9月現在の状況について
以前は大変だったが、今は大丈夫だ。4月~5月は非常に苦労したが、6月から売上が戻ってきた。面白いことに、4~5月でさえ、一部のレンズは人気を維持していた。マクロレンズは需要が大幅に増えている。購入者は自宅や庭で写真を楽しむのに必要なようだ。
市場状況は場所によって異なっており、一部の国では非常に良好だが、一部の国ではまだ苦しい。

生産体制への影響について
我々の生産体制は新型コロナウイルスの影響をほとんど受けていない。中国からの部品を受け取る際にいくつか小さいな問題があったが、生産には影響していない。今のところ全く問題なしだ。
4月-5月は従業員の30%だけ会社に来ることを許可し、残りのスタッフは自宅で仕事をしていた。6月に制限を解除したが50%は在宅勤務を許可した。7月初旬から100%復帰させたが、日本で感染者数が急増した中旬以降は30%を自宅で仕事できるようにしている。
急ぎのプロジェクトを優先し、営業やマーケティング、その他事務スタッフなどは在宅勤務をお願いしている。
本社従業員のほとんどはエンジニアだ。

フルサイズFoveonについて

  • フルサイズFoveonセンサーは開発中だ。2020年に発売予定だったが、これは不可能となった。
  • 開発は継続しているが、いつになるか明言することは出来ない。
  • まずはFoveonテクノロジーの開発に注力し、センサーの準備が出来た段階でカメラの開発に取り掛かる。
  • 問題は2つある
    フルサイズFoveonセンサーのプロトタイプはいくつかあるが、設計にエラーがあり適切に機能していない。このエラーを修正する必要がある。
    二つ目は製造における課題だ。
  • 元々NECの子会社だったTFセミコンダクター(旧TSIセミコンダクター)は「改善」の哲学に則り品質は非常に高い。
    Foveonは同じ地域にあり、同じタイムゾーン・言語だ。このため密接に連携できる。
  • とは言え、現在のファウンドリ(訳注:半導体の生産工場を指す)から新しいファウンドリへ移行するのは非常に難しく時間のかかる作業だった。思っていたより少し難しい。
  • (訳注:Foveonセンサー製造の際の技術的な話は割愛)

SIGMA fpについて

  • 日本では非常に好調だ。ただし、他の市場では私が期待したほど良くはない。
  • 日本での当初の売上は予想を上回っていた。現在も順調だ。
  • 他の市場では潜在的なユーザーが、まだfpを試すことが出来ていないのだと思われる。より多くタッチ&トライイベントを実施する必要がある。
  • 日本では多くのカメラ専門店にfpのデモ機が置いてある。
  • 静止画・動画の比重は50:50だ。
  • モードを切り替えるとインターフェースが丸っと変わる仕様である。通常、静止画・動画は同じインターフェースを備えているものだが、fpでは完全に異なるインターフェースを時間をかけて開発した。
    しかし、それでも我々の主な顧客はまだフォトグラファーだ。
  • 特にストリートフォトが好きな人に売れている。大きな一眼カメラを持ち歩きたくない人に最適だ。
  • 他の市場ではfpを動画機とみなしているが、日本では静止画ユーザーが大部分である。
  • 日本では多くの人がライカMマウントレンズでfpを楽しんでいる。この組み合わせは非常にコンパクトだ。
    東京の専門店ではライカM-ライカLマウントアダプターの在庫がなくなってしまったと聞く。
  • (9月上旬のフォローアップ)
    ー4~6月も依然として日本ではfpが売れている。これはウェブカメラとしての需要があったからだ。
    ー当時はUSB接続で特別なソフト無しでウェブカメラとして使える唯一のミラーレスだった。
    ー自社でウェブカメラとして使っているのを紹介したところ、SNSで火が付いたようだ。
  • ライカ最大の市場が日本であり、コンパクトでハイエンドなカメラは日本でとても人気がある。

24-70mm F2.8 DG DNについて

  • ミラーレス用の完全新設計だ。
  • (3月時点で)需要は非常に多く、増産しているが供給が間に合っていない。
  • ソニー・パナソニックも24-70mm F2.8をラインアップしているが、非常に高価であり、シグマのレンズは彼らの半値である。
  • このレンズの歩留まりは非常に高い。光学設計と同時に製造ラインも設計した。
    光学エンジニアは最初から工場のエンジニアと緊密に連携している。
  • 製造ラインにも多くの投資をした。品質や素材にも妥協しないため、通常であれば価格設定は高くなるのだが、今回は少し戦略的な値付けをした。
  • このレンズの発売以降、世界中で優れたレビューが発信され、そしてそれが高い需要に繋がっているのだと考えている。

Lマウントの用のAPS-Cレンズについて

  • 現在の計画ではソニーEマウントのAPS-C用レンズ3本をLマウント化する。将来的にAPS-C用の新しいレンズを開発するだろう。
  • (IRがAPS-C Foveonセンサー機の可能性について聞いてみたところ)
    我々はフルサイズFoveonを開発中だ。
  • fpのコンセプトを継続する場合、それは恐らくフルサイズセンサーを使い続けるだろう。今のところ過程の話であり、計画は無い。
  • 将来的に高画素センサー(5000~7500万画素)を搭載したカメラが登場すると、APS-Cクロップモードで役に立つコンパクトなレンズとなるだろう。
  • フルサイズ用レンズは大きく重くなるため、APS-Cレンズと組み合わせてコンパクトなシステムにするのも一つの選択だ。

Lマウントアライアンスについて

  • (Lマウントアライアンス全体の進捗状況について)
    プロジェクトを評価するのは時期尚早だと思っている。まだ製品リリースから1.5年だ。
    3社が同じプラットフォームで展開しているにしても、少なくとも3年は必要だと思う。
  • LUMIX S1シリーズは良いカメラだ。素晴らしいシャッター、ファインダー、画質を備えている。
  • ライカは単価が非常に高いので購入数は限られている。量的に見ればシグマ・パナソニックはアライアンスで大きく貢献することが出来るだろう。
  • ライカユーザーにとっても選択肢が増えるのは非常に良いことだと思っている。
  • 実はライカSL2はかなり売れていると聞いたことがある。
  • マウントアダプターはとても良く売れている。主にキヤノンEF-ソニーEマウントアダプターだ。
  • マウント交換サービスの依頼は定期的に受けているが、それほど多くは無い。しかし、キヤノンEF・ニコンFからソニーEマウントへ切り替える人がいるのは明らかだ。一部のユーザーはキヤノンEFやシグマSAマウントからLマウントに変更している。

24-70mm F2.8 DG DNのSLD・FLDレンズについて

  • 画質を向上するため、FLD/SLDレンズを多用した。これらレンズの研磨にはかなりのコストがかかり、従来のガラスと比べて歩留まりが非常に低い。
  • そしてレンズが非常に柔らかく、研磨時に傷が付きやすい。この傷を取り除くため、2回、場合によって3~4回研磨する必要がある。
  • 通常のガラスであれば両面1回ずつ研磨する。しかしFLD/SLDガラスは片面で3倍、反対側3倍で延べ6倍の研磨が必要だ。これは非常にコストがかかる。
  • 光学的に傷は問題無いが、見た目は良く無い。レンズを確認すると、非常に細かい傷が表面に見られるからだ。
  • ガラスはHOYAやオハラから調達している。実は普段から弊社の光学エンジニアと調達先のエンジニアの間で定期的な会議があり、どのような材料が必要か話し合っている。
  • そして、たまに試作品を作ってくれるので、工場でテスト研磨をしている。このため、我々は他社より先に新しいガラスを使うことが出来る。新しいガラスを使う場合、研磨工程での歩留まりが悪いリスクがあり、コストに大きく上乗せされてしまう。
    このため、通常ならばこのようなリスクを誰も取りたがらない。
  • このため、大手メーカーはシグマの動向をみつつ、ガラスを導入している。(訳注:キヤノンはオハラの主要株主のひとつ)
  • HOYAが持ってきた新しいガラスは品質が安定せず、大量生産に不向きなことがあった。柔らかすぎてガラスを研磨するのが難しいのかもしれない。
  • オハラではガラスを2回焼きなます(訳注:焼鈍・アニーリング)。彼らはそれをダブルキャスティングを呼び、品質を安定させているらしい。
    HOYAは常にシングルキャスティングだが、高度な技術で品質を安定させていると述べている。
  • FLDガラスは蛍石とほぼ同じ特性を持っていると思う。多くの人は蛍石が良いと言っていたが、多くの研究の結果、コストが高い蛍石を使用する理由は無いと結論付けた。
    恐らく、蛍石の使用はマーケティングが目的なのだろう。蛍石とFLDの違いは、光学性能では分からない。そして蛍石はとても柔らかい素材で、材料も高価だ。

レンズについて(9月上旬のフォローアップ)

  • 4~5月は売上が大きく減ったが、4月は従業員の収入を守るために生産を続けた。この間に24-70mm F2.8 DG DNの在庫を積み上げ、供給の問題を解消した。
  • マクロレンズの売上は4~6月の間に前年に比べて75%増だ。
  • APS-C 16mm F1.4はとても人気がある。多くの人がライブストリーミングやYoutubeで利用しているのだと思う。
  • 56mm F1.4のコンセプトは軽量で高い光学性能を維持することだった。価格設定は少し戦略的なものだ。APS-Cボディの価格を考慮するとレンズの価格を低く抑える必要があった。
  • 会津工場ではほぼ全ての構成部品を製造しており、工場をフル稼働させることは重要だ。利益率を少し犠牲にしても、工場を稼働させ続けることで、実際にはより多くの利益を得ることが出来る。
    他のサプライヤーから部品を取り寄せているような会社では難しかっただろう。
  • 85mm F1.4 DG DNには数多くのSLDレンズを採用している。これは光学性能向上のためだ。もちろんコストはかかる。
  • 100-400mm F5-6.3 DG DNの性能は、何か特別な技術を使ったわけでは無く、製造能力の強化を図った結果が表れている。レンズの製造段階で誤差を小さくするために多くの投資をした。非常に優れたレンズを設計しても、製造能力が低いと基準はかなり低く見積もる必要がある。
  • お客様が混乱するといけないので、「波動光学的MTF」「幾何光学的MTF」を公開している。
    一部のレンズは「幾何光学的MTF」のほうが遥かに優れたMTF曲線をス召すことが出来るので、他社は「幾何光学的MTF」だけを公開しているのだろう。
    (訳注:シグマは2014年からどちらのMTF曲線も公開すると宣言しています。

業界について

  • 2020年は新型コロナウイルスの影響を除いても市場は縮小するだろう。おそらく新型コロナウイルスが問題を悪化させている。
  • おそらく今年の終わりから来年にかけて、底を打って横ばいになるのでは無いかと思っている。
    ー昨年のレンズ交換式システムの販売台数は850万台
    ーピークは1700万台
    ーフィルム時代は400~500万台
    ーそもそも非常に小さな市場だった
    ー2000年代中頃から2010年初め頃がある種の好景気だった
    ー普通に下がっているのだと思う
    ーおそらく500~600万台に安定するのではないか
  • スマートフォンのおかげで、より良い写真が撮りたいと思う人は増えていると思う。その中で高級カメラを買いたいと思う人もいるだろう。このため、デジタルカメラの市場はフィルム時代よりは市場規模が大きいと思う。

とのこと。
非常に長いインタビューとなっていますが、色々と興味深い話題について触れていますね。コロナ禍でウェブカメラ需要が高まっていたことはTwitterを見ていて感じましたが、マクロレンズの需要も伸びているとは意外でした。コロナ禍が続くとしたら、接写に強いレンズが売り上げを伸ばすかもしれませんね。「近々マクロレンズ登場」の噂が出始めているのは、そう言った背景があるのかもしれませんね。
24-70mm F2.8 DG DN Artは私も発売日に手に入れ、確かに良いレンズであると感じました。ボケは綺麗で解像性能も良好。周辺減光や歪曲収差はソフト補正に依存するところもありますが、ミラーレス時代らしいレンズ設計だと感じます。85mm F1.4 DG DNなどもそうですが、レンズの性能や構成に対して値上がりしていないのは驚きでした。FLD/SLDガラスの加工にコストがかかるようですが、戦略的な値付けに踏み切った模様。確かに85mm F1.4 DG DNの性能を味わってしまうと、他の焦点距離のレンズが登場したら買ってしまうかも…。
市場の動向にはそこまで悲観していない模様。ちょうど日経も「底堅い動き」でマイナスに歯止めがかかったと記事を公開しています。スマートフォンとのせめぎ合いはこれからも続きそうですが、カメラ市場には是非とも頑張って欲しいところ。

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