17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXDは高性能だがビルドクオリティに妥協が必要

2023年5月6日

Optical Limitsがタムロン「17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD」のレビューを公開。補正必須ではあるものの高解像で前後のボケ質も良好と評価。ただし、ビルドクオリティや操作性には妥協が必要とのこと。

Optical Limits：Tamron 17-70mm f/2.8 Di III-A VC RXD - Review / Test Report

外観：プラスチッキーで少し安っぽく感じる。

構造：防塵防滴・フッ素コーティング仕様でしっかりとした作り。

携帯性：全長が比較的長い。ズーム時に内筒が大きく伸びる。

操作性：2系統のリングは滑らかに回転。フォーカスは位置が残念。スイッチ類なし。フード装着時に自重落下の兆候あり。

AF：非常に高速で静かに動作。

MF：フォーカスリングが誤操作しやすい。

手ぶれ補正：5段分に十分対応。

解像性能：ズーム全域で均質性の高い見事な性能。70mm F2.8でコントラスト低下。

像面湾曲：小さい。

ボケ：玉ボケが非常に騒がしい。口径食の影響は穏やか。前後のボケはとても良好。

軸上色収差：F2.8で色づきが発生。F5.6で僅かに残存する。

倍率色収差：中程度。

球面収差：記載なし。

歪曲収差：未補正の17mmで強い樽型。中間から70mmは中程度の糸巻き型。

周辺減光：未補正ではズーム両端で補正必須。APS-C用としては目立つ。

コマ収差：記載なし。

逆光耐性：比較的良好。

光条：F5.6で発生しはじめ、絞ると顕著になる。絞った際は良好な描写。

作例集：十数点

総評：歪曲や周辺減光は補正必須だが、高解像なレンズ。光学性能は感銘を受けたが、ビルドクオリティは価格なりの妥協点となっている。

競合について：高価だがソニー純正はビルドクオリティが良好。シグマは小型軽量。

備考：α6300でテスト

とのこと。
一般的な大口径標準ズームよりも光学倍率が高く、70mm（換算105mm）の望遠域までF2.8でカバーしている便利なレンズですね。それなりのサイズ・重量となっていますが、手ごろな価格でズームレンジが広く、さらに手振れ補正まで利用できるのは魅力的。Optical Limitsのテストではズーム全域で良好な解像性能を発揮し、さらに前後のボケ質や諸収差の補正状態も（電子的な補正を含めて）まずまず良好となっている模様。主な妥協点は外装の質感や操作性であり、AFとMFや手振れ補正を頻繁に操作する場合は少し使い辛いかもしれません。カメラ側のボタンカスタマイズやファンクション機能を活用する必要があります。

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