Sony Alpha Blogがシグマ「20mm F2 DG DN」のレビューを公開。ソニーGのほうが全体的に少し良好ですが、コストパフォーマンスは非常に良好と高く評価しています。
Sony Alpha Blog:Sigma 20mm F2 DG DN Contemporary
外観・構造:
- 総金属製の鏡筒は同社のArtシリーズやソニーGMシリーズを上回るビルドクオリティである。ツアイスやフォクトレンダーのようなレンズだ。
- 通常のレンズキャップに加え、マグネット式のキャップも付属している。金属製の良好な作りだが、レンズフード装着時は脱着が難しくなる。
携帯性:
- 小型軽量なレンズであり、ジンバルにも適している。
操作性:
- クリック付きの絞りリングを搭載している。Aポジションも利用できるが、クリックレスに切り替えることは出来ない。
- フォーカスリングは狭いが、掴むのに十分な大きさだ。必要に応じて正確なMFを利用できる。
フォーカス:
- 静止画・動画の両方で非常に高速で正確、そして静かに動作する。
- 瞳AFは完全に機能する。
- 動画撮影では大部分の状況でとても良好だが、最短撮影距離では稀にハンチングする。
- フォーカスブリージングは目に見える。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- α7R IVでテストした。
- 中央は絞り開放から優れた性能で、2段絞ると抜群のパフォーマンスを発揮する。
- 隅は絞り開放時に「良好」だが、F4まで絞ると優れた結果を得ることが出来る。
- 風景や建築物ではF4~F5.6が適している。
- ポートレートでは絞り開放から優れた描写だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- F2と最短撮影距離の短さによってボケを大きくすることが出来る。
- 玉ボケはとても良好だ。
- コントラストはとても良好だ。
- 後ボケは超広角レンズとしてはきちんとしている。F2だと柔らかいが、F4~F5.6だと騒がしくなる。
- 発色は自然で良好だ。
色収差:
- 状況に応じて中~高の色ずれが発生する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 非常に目立つので後処理は必須だ。
周辺減光:
- F2で非常に目立つが、F4で大きく改善する。
コマ収差:
- コマ収差は目立たない。
逆光耐性:
- 広角レンズとしては適切だが、光源を入れるとフレアとゴーストが発生する場合がある。
- 絞ると素敵な光条が得られる。
競合他社との比較
- 明るい広角レンズとしては最も軽いレンズである。
- ソニーGレンズの価格設定の60%だ。
- ビルドクオリティは最高である。
- ソニーGレンズは絞りリングのクリックレスに対応し、AFLボタンも搭載している。
- トキナーFiRiNはビルドクオリティとAF性能を考慮すると割高だ。
- タムロンは開放F値がF2.8だが、軽量で最も安い。AFはあまり良くない。
- フォクトレンダーは最も高価でMF限定だが、開放F値がF1.4である。
- ツアイスLoxiaはMF限定で、さらに開放F値がF2.8だ。
- VILTROXはかなり重い。さらにMF限定で、フレーム隅の画質が残念だ。
- 最もシャープなレンズはソニーFE20mm F1.8 Gである。それにシグマの20mm F2 DG DNが続く。フォクトレンダーと同等だ。
- トキナーやタムロンも良好だが、画質の均質性は遥かに悪い。
- VILTROXとTTArtisanのパフォーマンスはかなり悪い。
- 後ボケが最も柔らかいのはシグマとソニーだ。
- 歪曲収差はタムロンと同程度だ。最も悪い補正状態である。比較してソニーGは最高だ。
- 逆光耐性は良好で、これ以上となるとソニーGくらいである。
- コマ収差の補正はソニーGがベストで、シグマやフォクトレンダーが続く。
全体的にソニーGのほうが少し良好だが、遥かに安く、コストパフォーマンスは最高だ。
総評
優れた性能・優れた価格設定のレンズだ。主な欠点はRAWの歪曲収差と周辺減光だが、レンズプロファイルで自動的に補正出来るようになるだろう。そのほかに改善の余地があるのは色収差と逆光耐性だ。
ソニーGは全体的に少し良好だが、遥かに高価である。予算が限られている場合はタムロンを検討すると良いだろう。全体的に見て、シグマ20mm F2 DG DNはソニーEマウントにおける最適な価格設定の20mmレンズだ。強くおススメする。
- 長所:
・ビルドクオリティが良好
・F4で抜群のシャープネス
・F2.8で一貫性のあるシャープネス
・小型軽量
・絞りリング
・防塵防滴
・滑らかなボケ
・コントラストがとても良好
・コマ収差が抑えられている
・発色がとても良好
・動画に適した描写
・AFが良好
・光条が良好
・20mmとしては良好な逆光耐性- 平凡:
・色収差
・F2の隅における画質
・フォーカスブリージング
・クリックレスの絞りリングに非対応
・F4-5.6で騒がしいボケ
・最短撮影距離- 短所:
・歪曲収差
・周辺減光
とのこと。
7本目となるシグマ「Iシリーズ」のレンズですね。同シリーズで最も広い画角をF2と明るい絞り値でカバーしています。比較的コンパクトな広角レンズですが、周辺部まで良好な解像性能を維持し、さらに総金属製で抜群のビルドクオリティも強みと言えそうです。光学性能はソニーFE20mm F1.8 Gのほうが良好ではあるものの、自動補正込みで使うのであれば、コストパフォーマンスはシグマのほうが良いかもしれません。ただし、強めの歪曲収差を補正する流れで、隅の画質低下には注意が必要。ボケは極上と言えないものの、20mmの広角レンズとしては使いやすい描写に見えます。
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