Samyangレンズ カメラ 海外の評価

AF 85mm F1.4 FE IIは前モデルよりもボケがさわがしくなっている

Phototrendがサムヤン「AF 85mm F1.4 II」のレビューを公開。前モデルから軽量化され、効果的なAFを搭載していると評価しつつ、従来よりもボケがさわがしくなっていると指摘しています。

Phototrend:Test Samyang AF 85 mm f/1,4 FE II : une optique portrait 2e génération plus précise et rapide

(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)

外観・構造:

  • サムヤンの新しい美しいカラーリングが施されている。
  • 非常に落ち着いた黒のマット塗装で、ごく細い銀色のリングが装飾されている。
  • 外装は金属からポリカーボネートに変更されている。
  • レンズには7つのシールが施されている。
  • 同社135mmレンズフードほどではないが、全長5.5cmとかなり大きい。かなり厚みのあるプラスチック製で、とてもよくできている。

携帯性:

  • 509gまで軽量化している。シグマ(625g)やソニー(820g)を抑え、このクラスで最も軽いレンズだ。
  • 一見すると驚くほど軽く、バランスもいい。特に使い心地(持ち運び)が良いレンズだ。
  • フロントヘビーな印象はない。
  • このクラスのレンズでは最軽量だが、最もコンパクトというわけではない。

操作性:

  • フォーカスリングは幅が広く、とても快適だ。

フォーカス:

  • 第一世代と大きな違いがAFだ。
  • 高速で高精度、かつ静粛性が高いとされるSTM(ステッピング)モーターを使用している。実写で効果的に機能した。
  • フォーカスリングの移動量はリニアレスポンスで、リングの回転速度に依存しない。しかし、135mmと同様にマニュアルモードで近くの被写体から遠くの被写体に切り替えるのは、かなり面倒だ。
  • M1、M2の2ポジションで、リングの動作を素早く変更できる「カスタム」スイッチを搭載。M1モードでは、ピント合わせに使用。M2モードでは、絞りを滑らかに調整するために使用。
  • 一方、フォーカスレンジリミッターがないのは残念だ。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • 絞り開放でも中心部のシャープ感が際立っている。
  • 細部の描写は非常に精密であり、ポートレート写真家にとっては当然評価されるべきものだ。温かみのある色調と強いコントラストを持つ、サムヤンの典型的なレンダリングである。
  • 均質性という点では、このレンズは良好だが、(極端な)フレーム端はF1.4で少し遅れている。幸いなことに、この現象はわずかで、F1.8で解消する。
  • フレーム端の再現性はF2あたりから非常に満足のいくものになる。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • Samyangは第1世代のレンズにあった3枚の非球面レンズを取り除くことを選択したことに注目したい。玉ねぎボケを避けることで、より美しいボケ味を実現した。
    訳注:これは何かの勘違いだと思われます。第一世代から非球面レンズは使用していません)
  • ボケはとても滑らかだが、繊細さに欠け、各要素が溶け込むのに苦労している。
  • F1.4のレンズとしては残念なことに、前景と後景の要素が目立ちすぎる場合がある。

色収差:

  • 色収差はフレーム端に向かって僅かに発生している。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 記載なし。

周辺減光:

  • F1.4で非常に目立つが、F3.2で完全に解消する。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 逆光時のコントラスト低下はかなり緩やかですが、ないわけではない。
  • ゴーストも同様で、絞り開放は皆無に等しい。

総評

このレンズには欠点が全くないわけではない。絞り開放の四隅はわずかにソフトで、色収差も目に見える。AFの駆動音は全く聞こえないわけではない。そして何より、ボケが前作に比べやや劣り、騒がしくなっている。さらに、口径食と共に色収差により悪目立ちしている。

しかし、レンズのコンパクトさと被写体の印象的なディテールで我々を魅了する。そして、849ユーロという価格は、コストパフォーマンスに優れていると言えるだろう。最終的に、非常に良い評価に近い...が、我々を完全に納得させるにはまだ少し改善の余地があるようだ。

  • 長所
    ・F1.4から高解像
    ・軽い
    ・最短撮影距離
    ・魅力的な価格
    ・AF
  • 短所
    ・ボケ
    ・口径食
    ・色収差
    ・周辺減光
    ・AFリミッターがない

とのこと。
光学系は前モデル「AF 85mm F1.4 FE」を継承しつつ、外装や機能性を改善した第二世代のサムヤンAFレンズですね。「AF 50mm F1.4 II」のように新しい光学系ではないが残念ですが、定評のある光学系だと記憶しています(シグマよりも先に登場し、ソニーGMよりも良好な解像性能だった)。光学系は同じはずですが、Phototrendのレビューでは先代よりもボケがさわがしくなったと評価しています。個体差の問題なのか、実際にボケがさわがしくなったのか気になるところ。先代を使ったことがある身としては、なかなか悪くないボケだったと思うのですが…(少し癖はありますが)。

私はサムヤンの初期モデルとシグマをどちらも使ったことがありますが、シグマが多くの点で優れていると感じました。抜群のシャープネスに加え、APOレンズのように色収差が補正され、絞り開放から非常に高いコントラストを得ることが出来ます。外装の作りも良く、AFは静かで高速。価格差を考えてもシグマも選ぶのが妥当かなと。
ただ、サムヤンも残存する球面収差により個性的なボケが得られるので、人によっては替えのきかないポートレートレンズになるのかなと思います。この辺りは多くの写真を確認して、好みの描写であるか確認すると良いでしょう。

サムヤン AF 85mm F1.4 II 最新情報まとめ

AF 85mm F1.4 FE II
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レンズの仕様

レンズの仕様
発売日 2022年8月 初値 799.00ドル
マウント E 最短撮影距離 0.85m
フォーマット 35mm 最大撮影倍率 0.12倍
焦点距離 85mm フィルター径 72mm
レンズ構成 8群11枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F1.4 テレコン -
最小絞り F16 コーティング UMC
絞り羽根 9枚
サイズ・重量など
サイズ φ83.4×99.5mm 防塵防滴 対応
重量 509g AF STM
その他
付属品
レンズフード・キャップ

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