
DPReviewがキヤノン「EOS R5」「EOS R6」のオーバーヒート問題について徹底的にテストした結果と結論を公開しています。各種条件でのオーバーヒートまでの撮影時間や、30分のクールダウン後に利用できる撮影時間などを細かく検証しているようです。
EOS R5・R6の動画内部記録でオーバーヒートによる問題が発生していることは記憶に新しい。ネット上では特に極端部分が誇張して広がる傾向があり、「カメラが使えない」と言う印象を与えてしまっている。
両方のカメラを徹底的にテストした結果、内部記録に関する結論は以下の通りだ。
・どちらも期待通りに動作する
・信頼性の欠如はプロの映像製作において選択肢とはならない様々な条件でテストしたところ、キヤノンが発売時に告知した過熱防止の動作時間に沿って一貫して機能することが分かった。ただし、実際には長時間の撮影で、カメラがオーバーヒートしやすく、撮影再開までにかかる冷却時間が長すぎる(撮影再開を待つスタッフやタレントが要る場合)。
どちらもプロ仕様の動画機材ではなく、そのように設計はされていない。キヤノンが示した数値通りに動作するが、カメラをオンにして設定を変更している間にも熱は溜まってゆく。動画撮影中に最も熱が発生するものの、撮影待機中から既にウォームアップは始まっているのだ。この場合、録画時間は徐々に減ってゆく。
キヤノンが示した推定値はやや控えめに設定されており、主張通りの時間で撮影することが出来た。外部レコーダーを使うことでさらに録画時間を延ばすことができる。ただし、カメラ単体の撮影機材を探している人にとってはあまり適していないようだ。
EOS R5
・4K 30p ラインスキップなら大量の映像を撮影可能だ
・時折撮影するBカメラとして、8KまたはHQ 4Kを利用できる
・4K 120pと8Kが最もオーバーヒートまでの時間が短いモードだ
・カメラをセットアップする時間や複数の動画撮影時の蓄積量を把握しておくbきEOS R6
・長時間の撮影は期待しない方が良い
・撮影の合間に長い冷却処理が必要カメラのスペックは野心的であり、専門的な動画モデルを除いて大部分の4K動画対応モデルはブランドに関係なく熱を持つ傾向がある。一部のメーカーはオーバーヒートを無視して撮影できる設定も可能だ。
8Kはネイティブ4Kと比べて4倍のデータ量があり、FullHDの17倍だ。そしてこれは2400万画素のオーバーサンプリング4Kと比べて1.7倍もデータ量が多い。カメラが発熱するのも無理ないだろう。
4K 30p ラインスキップモードでは直射日光の下で2時間の撮影が可能という事実は、放熱がかなり優れていることを意味する。EOS R6は5.1Kオーバーサンプリングの4Kを40分間撮影できる。これはかなり優れた性能だ。オーバーヒートの問題に頻繁に遭遇することは無いだろう。クールダウン後に半分ほどの稼働時間が回復したが、EOS R5はほぼ完全に回復することが可能だ。R5は金属製ボディによりR6より良好に熱をコントロールできているようだ。
どちらも非常にハイクオリティな動画を撮影できるが、プロ(有料の撮影で)の現場で使うには及ばない。
EOS R5
撮影前にメニューなどを操作していると、4K HQの録画時間が短くなっていることに気が付いた。撮影前のプレビューに時間を割くことができず、ストレスが溜まってしまった。最終的に全てのカットで4K HQが利用できず、クローズアップはラインスキップ4Kを使うことで落ち着いた。
4K HQとラインスキップ4Kのクオリティに劇的な差が無ければ気にならなかったが、ゴージャスな4K HQのフッテージを見たり編集したりすると、ラインスキップ4Kに戻るのは難しい。撮影現場で絶対にしたくない手段であり残念だ。
EOS R6について
テスト前に4K 24pを使い続けてもオーバーヒートが問題にならないのは快適だった。残念ながら、暖かい日のテストではラインスキップモードが無いため、オーバーヒート後はFullHDでの撮影を余儀なくされた。
オーバーヒート前の撮影時間はかなり長いが、一度警告が表示されるとR5よりはるかに長いクールダウン時間が必要だ。
EOSR6の動画クオリティはとても優れており、R5より満足しているだけに残念だ。クールダウン時間が長いのでR5のラインスキップ4Kを使うだろう。
テスト結果
EOS R6
4K / 30EOS R5
4K / 30 HQEOS R5
4K / 30 Std過熱警告 38:00 26:30 なし クリップ 39:16 * 29:36 1:56:12 * 休憩(30分) 過熱警告 19:44 21:40 クリップ 22:03 24:34 休憩(30分) 過熱警告 なし なし クリップ 22:22 25:17 失敗の理由 バッテリー
消耗バッテリー
消耗バッテリー
消耗
- R5は30分のクールダウン後にほぼ回復したが、R6は30分経過しても約半分しか回復しなかった。
- ボディ内手ぶれ補正やシーンの変動、AFなどでオーバーヒートまでの時間が変わることは無かった。
- ALL-Intra・IPBの圧縮方式の違いで撮影時間に大きな影響は無い。
- バッテリーやメモリーカードを外してもクールダウンにはあまり役立たない。ただ待つのみだ。
EOS R5
4K / 30 HQEOS R5
4K / 30 HQ初期設定 常温から 300枚
Raw + JPEG撮影
太陽の下で30分使用過熱警告 27:25(Est:25:00) 15:01(Est:15:00) クリップ 29:59 18:01 残り 20分 10分 過熱警告 24:39(東部:20:00) 07:29(東部:10:00) クリップ 27:53 10:30 残り USB充電で5分 5分 過熱警告 03:31(東部標準時4:00) 04:55(東部:5:00) クリップ 06:33 07:10
- 太陽が照っている中でカメラを30分使うと内部温度に大きな影響を与えるようだ。
- クールダウンの時間が短いと、次回の撮影時間が短くなる。
- USB経由でのバッテリー充電は内部で熱が発生するのでカメラのクールダウンを妨げてしまう。
とのこと。
どちらの機種も一長一短があるみたいですね。
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