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オリンパスM.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 ISは買いか?

オリンパスが久しぶりに望遠ズームレンズをリリースしましたね。「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」について色々と思うところがあるので書き連ねてみたいと思います。スペック・光学性能・OEMの可能性など。

レンズのおさらい

ポイント

  • 35mm判換算で200-800mmの超望遠ズーム
  • 最短撮影距離:1.3m(ズーム全域)
  • 最大撮影倍率:W端 0.17倍・T端 0.57倍
  • フィルターサイズ:72mm
  • サイズ:86.4×205.7mm
  • 重量:1120g(三脚座なし)
  • ZEROコーティング
  • リアフォーカスシステム
  • フォーカスリミッター搭載
  • 3段分の光学手ぶれ補正
    シンクロIS非対応
  • PROシリーズと同等の防塵防滴性能
  • レンズフード「LH-76D」
    40-150mm F2.8 PROにも装着可能

オリンパスの望遠レンズとしては久しぶりの新製品。特に400mmをカバーする初のM.ZUIKOレンズであり、望遠端は35mm判換算で800mmとなる長焦点であり、野生動物やスポーツでの撮影に適しています。
さらに最短撮影距離はズームレンジ全域で1.3mを達成。望遠端では0.57倍(35mm判換算)と非常に高い撮影倍率となるので、長いワーキングディスタンスを活用したマクロ撮影にも役立つことでしょう。また、2種類のテレコンバージョンレンズに対応しているので焦点距離や撮影倍率の拡張が可能。

フォーカス駆動は特に言及していませんが、リアフォーカス方式を採用した高速・高精度なフォーカシングを実現しているとのこと。「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」ようなフローティング方式では無い模様。

M.ZUIKO DIGITAL ED 12-200mm F3.5-6.3」と同じく、M.ZUIKO無印シリーズながらしっかりとした防塵防滴仕様。密閉シーリングをどのように施しているのか図は用意されていませんが、オリンパスらしい耐候性の高さが期待できます。

光学手ぶれ補正を搭載しており、その効果は約3段分。注意したいのはボディ内手ぶれ補正との協調(シンクロIS)には対応しておらず、ボディ側はレンズで補正できない回転ブレの補正のみ動作するようです。レンズ側のISスイッチをオフにすることでボディ側の補正ユニットをフルで使える模様。

三脚座同梱とは明記されていませんが、別売りアクセサリーが用意されていないところを見ると、おそらく同梱しているはず。三脚座はアルカスイス互換で、おそらく「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」と同種かと思われます。

テレコン対応

換算焦点距離
(実焦点距離)
絞り値 換算撮影倍率
(実際の倍率)
IS
マスターレンズ 200-800mm
(100-400mm)
F5.0-F6.3 X0.57
(X0.29)
3段
MC-14 280mm-1,120mm
(140mm-560mm)
F7.1-F9.0 X0.81
(X0.4)
2段
MC-20 400mm-1600mm
(200mm-800mm)
F10-F13 X1.15
(X0.57)
1.5段

2種類のテレコンバージョンレンズに対応。絞り開放F値が跳ね上がるのでISO感度やAFの制限(低照度という意味合いで)はいくらかあると思われます。その反面、焦点距離や撮影倍率の恩恵が大きく、特に2倍テレコンで1600mmの等倍マクロが楽しめるのは面白いですね。

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光学性能は?

MTFを確認する限りではフレーム四隅まで安定した画質が期待できるようです。ただし高周波成分の分解能は「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」などPROグレードのレンズには及ばない模様。ただし、同社の「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」と比べるとまずまず良好な結果が期待できるかもしれません。

すでにいくつかのレビューサイトでレンズのテストが実施されており、それらを確認する限りでは、まずまず良好な結果となっているように見えます。作例などを確認すると、やはり高周波成分の分解能に過信は禁物。

周辺減光や歪曲収差の評価が高いものの、レンズ補正が組み込まれているのかどうかはまだ分かりません。このカテゴリについては少し思うところがあるので後述したいと思います。

直接の競合相手であるパナソニック「LEICA DG VARIO-ELMAR 100-400mm/F4.0-6.3 ASPH./POWER O.I.S.」と比べてどうか?まだレビュー数が少なく、判断するのは時期尚早ですが、ePHOTOzineのテスト結果を見る限りではピークの解像性能はLEICA DG、周辺を含めた画質の安定感はZUIKOが良好なのではないかと推測しています。

シグマのOEMか?

正式発表後、国内外で指摘されているのがシグマ「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM」との関係性。フルサイズ一眼レフ用レンズですが、共通点が多く「OEMではないか?」と言われています。個人的にもその可能性は高いと考えているのでスペックやレンズ構成を見比べてみましょう。

スペックの比較

OLYMPUS SIGMA
レンズ構成 15群21枚
最小絞り(W端) F22
フィルターサイズ φ72㎜ φ67㎜
最短撮影距離 130cm 160cm
最大径 × 全長 ⌀86.4×205.7mm φ86.4㎜ × 182.3㎜
絞り羽根枚数 9枚 (円形絞り)
最大倍率 0.29 0.26
重さ 1,120g 1,160g
手ぶれ補正 3段分 不明
三脚座 対応 非対応
防塵防滴 対応 IPX1 簡易防滴
フォーカス駆動 リニア 超音波
MF 電子制御 メカ制御
製造国 日本 日本

レンズ構成と絞り羽根の枚数は同じですが、他の部分は僅かに数値が異なる項目が多いと分かります。
フルサイズよりフィルターサイズが大きいのは面白いですね。これはおそらく「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」とフィルターサイズ・レンズフードを統一したかったのではないかと推測。

M.ZUIKOのフォーカス駆動は公式仕様として開示されていませんが、DPReviewなどの海外メディアでは「リニアモーター」と記載しています。一方、シグマは超音波モーターを使用しているので駆動系も別と考えて良さそう。

さらに防塵防滴仕様はシグマがレンズマウント付近の簡易防滴である一方、オリンパスは「PROレンズ並み」の防塵防滴仕様と言及しています。耐候性は間違いなくオリンパス用が良好とみて間違いないでしょう。

製造国はLenstipのレビュー通りだとするとM.ZUIKO・SIGMAどちらも日本製。現在、オリンパスの工場はベトナムに存在しており、日本の工場でレンズを作っていないはず。つまり、OEMである可能性が非常に高く、シグマレンズとの関連性を加味するとOEMもとはシグマと見て良いでしょう。ちなみに「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」や「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」もシグマが関わっていると言われています。

レンズ構成の比較

レンズ構成を見比べてみるとご覧の通り。仮にOEMだったとしても、完全に100-400mm DG HSMの流用では無いと思われます。おそらく開発段階の特許技術は同じで、オリンパス(マイクロフォーサーズ)向けの調整が施されているのではないかなと。それがスペックに関する僅かな違いとして表れていたり、オリンパス独自のテレコンに対応している結果に繋がっているのではないかなと。

特殊レンズ「EDレンズ・SLDレンズ」の配置は全く同じ。M.ZUIKOはレンズ構成に「スーパーHR」「HR」レンズの記載があるものの、高屈折率レンズを明記していたり、しなかったりするメーカーが入り乱れているので、確実に違うレンズであると言うことは出来ません。とは言え、フォーサーズセンサー向けにするためHRレンズを導入している可能性もあります。

参考:シグマの特許出願

シグマ100-400mm用と思われる特許出願が2017年に公開されています。
この特許ではフォーカスレンズが「G4」群となっており、M.ZUIKOで動かしているレンズ群と異なります。さて、シグマはどちらだったか…。動かしているレンズが異なるとすると、オリンパスとシグマのレンズは「似て非なるもの」と言えそうです。

このレンズは買いか?

正直なところ、シグマのOEMと考えて間違いないのではと思っています。
そして、このレンズが「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM」と全く同じ設計・製造で作られていたのだとしたら買わなかったでしょう。と言うのも、同レンズのEFマウント版を使っていた時期があり、APS-Cと組み合わせることで換算150-600mmとして使えるので便利でした。EOS 90Dなど3200万画素センサーと組み合わせて使えば、マイクロフォーサーズで使うのと同じ画角でより高解像なイメージを得ることが出来ます。それにオリンパスより安く手に入ります。

「じゃあ買わないのか?」というと、そうでもありません。個人的に気になっているのは以下のポイント
・同じ設計理念だが、フォーサーズ向けの調整が施されている可能性大
・最短撮影距離と最大撮影倍率が向上
・防塵防滴仕様
・リニアモーター仕様
・三脚座対応(アルカスイス互換)
・オリンパス製レンズで唯一400mmをカバー
・フルサイズ仕様ならば周辺画質・周辺減光・歪曲収差で有利
(後群でイメージサークルを最適化している可能性あり?)
・テレコン対応

これらを踏まえて売り出し価格が安いか・高いかというと「ちょっと高い、けど高すぎるというほどでは無い」と言った印象。LEICA DGの売り出し価格が「¥178,838」だったことを考えると安いと言えるかもしれません。

それにオリンパスボディの60コマ秒連写や「プロキャプチャー」機能、そして使いやすいAFシステム(追従性が優れているわけでは無く)などを考慮するとフルサイズやAPS-Cと比べて、超望遠ズームを使うメリットがあるのかなと思います。個人的には買う方向で検討中。消費者還元事業が終わってしまったので、どうやって買うか悩んでます。

注意すべきポイント

もし仮に、フルサイズのイメージサークルのままだったとしたら、逆光耐性に悪影響を及ぼしかねません。フォーサーズセンサーより遥かに広いエリアをカバーしているため、想定外の逆光がレンズ内に入ってくる可能性あり。このような場合に備えてフレアカッターを仕込んでいるとは思いますが…。

さらに手ぶれ補正の効果はオリンパス謹製レンズほどの効果は期待しないほうが良いかもしれません。シンクロISに対応できないのは、OEMレンズだからこそ、レンズ内ジャイロセンサーとボディ側のジャイロセンサーが連携出来ないことに原因がありそう。(とは言え、パナソニック製レンズの中にはシグマ経由と思われるレンズでもDual.I.Sに対応していたりするので正確なところは分かりません)

更新:有言実行

M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS交換レンズデータベース

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