Admiring Lightがキヤノン「EOS R6」のレビューを公開。ソニーより2?3段ほど優れたボディ内手ぶれ補正を高く評価し、AFシステムも「α9に次ぐAFシステム」と言及。満足度の高いカメラとなったようです。
高性能で楽しいカメラ
Admiring Light:Review: Canon EOS R6
外観・操作性
- 一般的なミラーレスよりも少し分厚いが、適度なサイズを維持している。α7 IIIのようなカメラより少し大きく、エルゴノミクスを犠牲にすることなく最小限のボディサイズに抑えられている。
- グリップは大きく4本の指でしっかりと握ることが出来る。グリップを握っている間、ダイヤルとボタンは快適に操作できる配置だ。
- 軽いレンズと組み合わせても、重いレンズと組み合わせても非常にバランスが取れている。
- R5はマグネシウム合金ボディだが、R6はポリカーボネート製だ。継ぎ目は目に付くが、剛性はしっかりとしており、良好な作りである。
- 防塵防滴仕様はEOS 6D Mark IIと同等と言われている。
- EOS Rに搭載された恐怖のタッチFnバーを私は非難しており、これまでで最悪のインターフェースと評価した。そして、EOS R6は操作性が大幅に改善している。タッチFnバーは無くなり、背面ホイールとAFジョイスティックを手に入れた。
- AFジョイスティックは初期設定で何故か無効となっているが、設定変更後は素早くAFエリアを移動可能となる。
- 3つとなったコマンドダイヤルで、素早く露出設定の変更が可能だ。
- EOS RやR5のようなサブモニタとボタン式のMODE操作には対応していない。しかし、私はシンプルなモードダイヤルのほうが好みだ。
- カスタマイズ性はソニーほどではないが、カメラを使いやすくするために十分な機能は揃っている。静止画と動画でカスタマイズを分けることが可能だ。
- Qメニューで素早く設定項目にアクセス可能だが、Qメニューの項目を変更することは出来ない。
- タッチ操作はキヤノンが優れているポイントとなる。ソニーと異なりメニュー画面でのタッチ操作に対応しており、直感的で柔軟性がある。
- メニューシステムは良く整理されているが、いくつかの項目は期待していた場所に配置されていない。
- 幸いなことに二つのSDカードスロットを備えている。
- 全体的に見て、EOS Rから大幅にアップグレードされている。
ファインダー・モニター・AF
- EOS Rと同じ、370万ドットのOLEDビューファインダーを搭載している。最新世代における最高のファインダーと比べると少し見劣りするが、この価格帯の競合他社と見比べると同等だ。
- ファインダー倍率は0.76倍と素晴らしく、光学系もクリアだ。バッテリーライフを犠牲にして120fps駆動で滑らかな描写が可能となっている。120fps設定でも、低照度ではフレームレートが著しく低下するため、一部の競合他社ほどではなくなる。
- 背面モニタは160万ドットの3.0型タッチパネルモニタを搭載している。色とコントラストが美しく、見栄えも心地よい。光軸からずれてしまうのは嫌だが、バリアングルモニタの利便性は魅力的だ。個人的には富士フイルムの3Wayチルト方式がもっと広まって欲しいと考えている。
- ワンショットAF・サーボAFどちらも非常に高速、そして正確だ。顔・瞳検出は優れており、フレームのどこに移動しても検出を維持してくれる。ソニーα9を例外として、動作中の精度は業界トップクラスだ。
- 鳥検出AFでいくらか問題を感じるものの、それ以外は驚くべきパフォーマンスだ。走っている被写体をAFしたところ、α7R IVより優れていると感じた。
- 連写速度はメカニカルシャッターで12コマ秒、電子シャッターで20コマ秒の撮影に対応している。読み出し速度はおよそ1/50秒だ。人間を撮影する時のローリングシャッター歪みは最小限に抑えられるが、モータースポーツやハチドリ、パン撮影などではまだ影響が強く残る。とは言え、電子シャッターを使わなくても12コマ秒の連写が可能だ。
- 連写速度は大部分のRF・EFレンズで維持されている。ただし、バッテリーの残量が60%以上など、いくつかの制限がある。実写では40%まで残量が減っても連写速度を維持しているように見えた。
- バッテリーが低下するとライブビュー表示のフレームレートも低下する。
- 12コマ秒の連写でバッファが詰まるまでに347コマ撮影できた。
- 全体的な応答性も優れており、起動から撮影待機までの時間は非常に短い。
機能性・通信
- ボディ内手ぶれ補正はR6で大きな目玉となる新機能だ。キヤノンは長い間、光学手ぶれ補正の優位性を主張してボディ内手ぶれ補正を実装してこなかった。その間に、オリンパス・パナソニック・ペンタックス・ニコン・ソニーがボディ内手ぶれ補正を導入している。そしてキヤノンはEOS R5とR6でようやくボディ内手ぶれ補正を導入した。
- キヤノンのボディ内手ぶれ補正搭載は出遅れたかもしれないが、フルサイズミラーレスの中では最高の補正効果だ。
- 光学手ぶれ補正とボディ内手ぶれ補正が同期して手ぶれを防止するシステムだ。レンズに応じて5?8段分の補正効果であるとキヤノンは主張しており、実写でキヤノンの主張が信頼できるものであると感じた。
- ソニーは5?5.5段分と主張しているが、実写では2?2.5段分と感じる。
- 24mmで1?2秒のシャッタースピードでも一貫してシャープな結果を得ることが出来た。体を何かで支えれば4秒程度はいくだろう。105mmでも0.5?1秒での撮影が可能だ。
- 光学手ぶれ補正が非搭載のレンズでは4?5段分の補正効果だと感じた。全体的に見て画期的なボディ内手ぶれ補正だ。オリンパスの卓越した手ぶれ補正に匹敵し、さらにキヤノン初の手ぶれ補正と考えると注目に値する。
- 一部サードパーティ製レンズでボディ内手ぶれ補正が完全に機能しない点には注意が必要だ。
- スマートフォンとの通信接続はカメラ業界の中では最もシームレスで使いやすい。
- ブラケット撮影の設定項目が複数に分かれてしまっているのは理解できない。これは一か所にまとめることが出来るはずだ。
- フォーカスブラケットは2?999枚に設定して撮影が可能だ。フォーカス移動量を10段階で調整可能だが、数値があいまいで試行錯誤を繰り返す必要がある。結果は非常に良好だ。
- インターバルタイマーは最近のカメラにはほとんど搭載されている機能だ。R6でも期待通りに機能する。
- バルブタイマーはお気に入りの機能だ。通常のシャッタースピードは1/8000?30秒までだが、バルブタイマー機能で99時間59分59秒までの設定が可能だ。たいへん優れた機能なので、できればQメニューで素早く設定変更できるようにしてほしい。
- バッテリーライフはミラーレスで一般的な性能だ。CIPA規格では約500枚だが、連写を使うと1000枚を遥かに超える枚数を撮影可能である。
- 電子先幕シャッターはとても静かで、滑らかな動作音だ。
- ボディ内RAW現像に対応している。富士フイルムほどの自由度は無いが、露出やWBなどの調整が可能である。
- 残念ながらSDカードにカメラの設定を保存して、他のR6へ設定をコピーすることは出来ない。
- 電源オフ時のシャッター閉幕機能をオンオフできるようになっている。
画質
- 多くのカメラメーカーがソニーからイメージセンサーを調達しているが、キヤノンEOSは常に独自センサーを使い続けてきた。デジタル一眼レフ初期は最高のセンサーと評価されていたが、その後しばらくはソニーの独壇場(特にダイナミックレンジ)が続いた。
- ここ最近はソニーに追いついてきており、R6で使用しているセンサーは主力機のEOS-1D X Mark IIIと同じものを使用している。この最新センサーは幅広いダイナミックレンジを備え、優れた低照度性能を持つ。
- ダイナミックレンジはキヤノンのアキレス兼と言われてきたが、EOS-1D X Mark IIIで大幅に改善されたのは素晴らしいことだ。RAWは非常に柔軟性があり、ディテールやノイズが目立つまでに大きくシャドウを持ち上げることが出来る。
- 低感度ISOのシャドウにおいて、RAWへのノイズリダクションが適用されていることは少し残念だ。とは言え、実際に撮影した結果を見る限りではダイナミックレンジが優れているように見える。
- 発色は常にキヤノンの強みとなっているカテゴリだ。それはR6も同じである。豊かで活き活きとしており、全体的に色調が優れている。他のキヤノン製カメラよりも緑が飽和しやすいように感じるが、これは簡単に後処理可能だ。
- 2000万画素と低画素センサーを採用しているが、ディテールに問題はまったくないと思う。2400万画素センサーとの差はほとんどわからないだろう。
- 高感度ISOのノイズは良く抑えられ、競合他社と競争力があるものだ。ISO3200でもノイズは少なく、優れたディテールを得ることが出来る。ISO6400?ISO12800でいくらかノイズが目に付くものの、優れたディテールは維持している。ISO25600や51200でさえ、色被りは最小限で自然な描写だ。
- ISO102400にまで到達すると、画質が悪化する。それでも大部分のカメラよりも優れた結果だ。色は忠実だがノイズは非常に多い。
結論
長所:非常に快適なカメラグリップ・アクセスしやすいコントロールを備えたエルゴノミクス・AFジョイスティック・優れたタッチインターフェース・明るくクリアな大型ファインダー・優れたAF・バリアングルモニタ・人間と動物の検出機能・12/20コマ秒の連写速度・非常に深いバッファ・高速レスポンス・本当に優れたボディ内手ぶれ補正・シームレスな通信接続・優れた撮影モードの配列・良好なバッテリーライフ・非常に優れたダイナミックレンジ・キヤノンに期待するカラーサイエンス・ディテールの再現性・高感度ISOの画質・高機能な4K・デュアルカードスロット
短所:カスタマイズ性に制限がある・低照度時のファインダー視認性・一部のサードパーティ製レンズでボディ内手ぶれ補正が動作しない・AEブラケットのメニュー項目が煩雑・SDカードでカメラ設定を他のカメラへ移行不可・バッテリー残量で連写速度が変化する・競合他社よりも高価
R5が誇張されてR6が目立たない存在となっているが、素晴らしい機能・画質を備えており、2499ドルの価格設定に見合う価値があると思う。2000万画素は競合のα7 IIIやZ 6よりも少し低解像だが、非常に優れたダイナミックレンジとディテールを備え、低ノイズでキヤノンらしいカラーサイエンスを利用できる。R5と見比べて、機能性を簡略化し過ぎなかった点が重要だ。同様の優れたAFシステムに、ボディ内手ぶれ補正、操作性、エルゴノミクスを共有している。
全体的に見てR6は優れたカメラだ。EOS Rは価格を考慮すると残念だったが、R6はα9に次ぐAFシステムを備えているので、価格設定は正当化できると思う。ボディ内手ぶれ補正はソニーよりも2?3段ほど優れているゲームチェンジャーな補正効果だ。卓越したレスポンスも得られ、どのような状況でも信頼できるカメラである。とても楽しいカメラであり、見逃すのは勿体ない。間違いなく人気が出ると思う。
とのこと。
新しく採用されたボディ内手ぶれ補正を高く評価しているようですね。高画素のα7R IVと低画素のEOS R6の補正効果を見比べるのはフェアじゃありませんが、ソニーの補正効果が2?2.5段分程度と言及している点には同意見です。特に標準域を超えるとかなり厳しくなる印象あり。
比較して、キヤノンの手ぶれ補正は確かに高性能。手持ちの高画素モデル「EOS R5」を使っている限りでは、4?5段分と言ったところでしょうか。それでもソニーやニコンよりは良好な補正効果と感じています。低画素R6ではさらに高い補正効果が期待できそう。
オートフォーカスも「デュアルピクセルCMOS AF II」「EOS iTR X」で花開いたように感じます。ソニーに見劣りしないレスポンスと追従性のAFだと思います。特に「頭部」や「動物」検出を利用したシーンではソニーよりも使いやすく、レスポンスも良好。積層型CMOSセンサーを使ったα9系以外では、向かうところ敵なしと言ったところでしょうか。
さらにEOS R6はこの価格帯のフルサイズミラーレスとしては連写性能が優れ、バッファも深く、ローリングシャッターの影響も良く抑えられているように見えます。やや高価ですが、差額を支払う価値は十分にあると思います。問題は人気が高すぎて2020年10月現在で新品在庫が全くないことでしょうか。早く供給が回復すると良いですねえ…。
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