DXOMARKがソニー「FE 24-70mm F2.8 GM II」のレビューを公開。小型軽量ながらα7R IVと組み合わせた際の光学性能はZ 7とZ 24-70mm F2.8以上と高く評価しています。
DXOMARK:Sony FE 24-70mm F2.8 GM II Lens test
ボディ 総合 解像 歪曲 減光 透過 色収差 24-70 GMII α7R IV 39 40 0.4 -1.6 3.2 5 Z 24-70 F2.8 Z 7 36 26 0.6 -2.1 3.0 5 EF24-70 II 5Ds R 35 32 0.4 -2.1 2.9 16 24-70GM α7R II 33 28 0.6 -1.6 2.8 10 RF28-70 F2 R 33 21 0.2 -2.0 2.2 11 Z 24-70 F4 Z7 29 24 0.9 -1.6 4.0 15 24-70 F2.8E D800E 29 19 0.6 -1.5 3.2 30 *カメラ(解像度)が異なる点に注意 FE24-70mm F2.8 GM IIを6100万画素のα7R IVでテストしたところ、DXOMARKの総合スコアで39点と素晴らしい結果となった。テスト結果はオリジナルのソニーGMを上回ってトップとなり、以前はベストだったNIKKOR Z 24-70mm F2.8 Sや、一眼レフ用に作られたキャノンEF24-70mm F2.8L IS USMをわずかに上回っている。
FE 24-70mm GM・Z 24-70mm Sとの比較
シャープネス
- このような大口径ズームは複雑な設計を採用しているため、特に絞り開放での性能にかなりのばらつきがある。
- 新型GM IIは広角端から望遠端までわずかな性能差しかない。ズームレンジ全域でシャープネスは非常に高く、均一性も非常に良好で、非点収差的な挙動も前モデルより大幅に低減されている。
- 特に、初代GMでかなり高いレベルの非点収差を示していた広角側と望遠側の焦点距離で顕著に改善されている。
- 35?50mmの範囲で非点収差的な挙動が見られるものの、全般的には非常によく抑えられている。それでもNIKKORとほぼ同等で、初代GMよりも良好だ。
- 特に長めの焦点距離における絞り開放はNIKKORやGMよりも良好であり、GM IIのシャープネスに近づけるには十分に絞る必要がある。
色収差
- GM IIは、全体として倍率色収差が非常によく抑えられている。
- 広角側ではコントラストの高い周辺部でフリンジが目立つことがあるが、プロファイル補正なしの結果であることを考えると、ズームとしては非常に見事だ。
- 70mmまでのズーム域で極端な四隅まで非常に低く抑えられている。
- 他の2本もGM IIほどの低レベルではないにせよ、良く抑えられている。
歪曲収差
- 歪曲特性も改善している。24mmでは前モデルと同等の0.8%だが、1.0%というかなり高い値に近いNIKKORより低く、全域でNIKKORやGMより良好に抑えられている。
- 28mmでは樽型歪曲はわずか0.3%となり、35mmでは糸巻き型の-0.3%になる。
- その後、50mmから70mmでは糸巻き型が-0.5%とわずかに増加。
- 小型・軽量化されたレンズと考えると注目に値する。
周辺減光
- GM IIは小型化した分、周辺光量も多くなるかと思いきや、そうでもない。
- 全体的に平均化するとほぼ同じレベルだが、両モデルで特性が異なる。
- GM IIは24?28mmの開放で、ほぼ同じピーク値であり、周辺減光のない中心領域が先代よりも若干小さくなっている。しかし、その後35?70mmの範囲では立場が逆転している。
- 絞ると新レンズの方が早く影響が緩和される。
- NIKKORと比べて、どの焦点距離でもGM IIの方がわずかに良好だ。
透過率
- T3.2はGMやNIKKORより若干高いが、どの焦点距離でもT3.2の値が一定だ。ズーミング時の見苦しい露出変化がない。
- 小型化のための一つの妥協点かもしれないが、動画や映画制作に向けたズームでは、露出の安定性が高く評価される。
大口径 F2.8ズームレンズはテクノロジーを結集して作られてきたが、バージョンアップでこれほど徹底したオーバーホールをすることは稀であろう。今回のアップデートでは、ソニーができる限り全てを刷新している。その結果、このタイプでは最小・最軽量というだけでなく、光学性能も向上している。同じような価格帯(発売時)と全体的な改良を考えると、オリジナルよりも堅実なレンズであり、ソニーユーザーや実際にソニーシステムを検討している人にとっても非常に魅力的な選択肢となる。
とのこと。
DXOMARKの総合評価はカメラの解像度も影響が大きいので、他社のセンサーサイズが異なるテスト結果と比べる際は注意が必要です。そのような場合は総合評価よりも収差の補正状態や解像度の均質性などに注目したほうがいいかもしれません。しかし、そのあたりを考慮しても実際に優れた光学性能のレンズに仕上がっているみたいですね。α7R IVの6100万画素センサーでも満足のいくパフォーマンスを発揮し、歪曲収差や周辺減光もよく抑えられている模様。色収差の補正状態も良く、光透過率が僅かに見劣りする程度(ただし安定感のある透過率とのこと)。競合他社と比べると価格も安く、コストパフォーマンスも魅力の一つと言えそうです。
ソニー FE 24-70mm F2.8 GM II 最新情報まとめ
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