PhotographyBlogがソニー「FE 24mm F2.8 G」のレビューを公開。目立つ樽型歪曲が唯一の欠点と指摘しつつ、小型軽量ながら良好な光学性能を備えていると評価しています。
PhotographyBlog:Sony FE 24mm F2.8 G Review
レンズの紹介:
- ソニーEマウント用の広角単焦点レンズだ。
- 40mm F2.5 G・50mm F2.5 Gと同時に登場している。
- 7群8枚のレンズ構成には1枚のEDレンズと3枚の非球面レンズを採用している。
- 前玉はフッ素コーティング処理されている。
- 同じ焦点距離のタムロンやシグマのレンズと比べると高価だ。
ビルドクオリティ:
- 優れたビルドクオリティで、この価格帯のレンズに期待する質感をはるかに上回る。ただし、シグマの「Iシリーズ」ほどでは無い。
- レンズは防塵防滴仕様だ。
- レンズマウント・フォーカスリング・絞りリングは全て金属製だ。レンズフードまで金属パーツである。
- 焦点距離と絞りのマーキングはプリントでは無く刻印だ。
携帯性:
- 重量は162gだ。このような金属製の高級感あるレンズとしては非常に軽量だ。
- サイズは小さく、フードを装着してもコンパクトだ。シグマの24mm F3.5 DG DNよりも全長が短い。
- タムロン24mm F2.8 Di IIIやシグマ24mm F3.5 DG DNよりも軽いレンズである。
操作性:
- 絞りリングはF2.8からF22まで1/3段刻みで回転する。
- クリックスイッチで絞りリングの無段階操作が可能である。これはシグマ24mmに欠けている機能だ。
- 小さなフォーカスリングは適切な抵抗で回転する。ピント両端にハードストップは無い。
- レンズ前面の埋没したバヨネットに装着するレンズフードはフォーカスリング操作時に邪魔とならない。
オートフォーカス:
- XDリニアモーターで駆動する。
- α7R IVとの組み合わせで非常に高速だ。タムロン24mm F2.8との差は大きい。そしてシグマ24mm F3.5よりも少し高速で静かである。
- 瞳AFは完璧に機能する。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正は非搭載だ。ボディ側の手ぶれ補正に依存している。
解像性能:
- 中央はF2.8からF11まで優れている。F16から回折の影響があり、特にF22で低下する。
- 端は中央ほどシャープでは無く、F4からF11が最適な絞り値となる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 広角レンズとしては非常に魅力的なボケだ。
色収差:
- 非常に高いコントラストの領域でいくらか発生する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- JPEG出力で見る限り歪曲収差はない。
- しかし、RAWでは修正に時間と労力が必要な巨大な樽型歪曲となる、
周辺減光:
- F2.8で顕著な減光が発生する。
- 減光を防ぐには少なくとも3段は絞る必要がある。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F16からF22に絞ると素敵な光条が発生する。
総評
FE 24mm F2.8 Gは、高級感のある仕上げと感触を備えた小型軽量の広角単焦点レンズだ。最大のセールスポイントは、優れたビルドクオリティ、レトロな雰囲気、小型軽量、高速オートフォーカスであることは言うまでもない。
伝統的な絞りリングは、どんなレンズにも必要な機能だが、このレンズの絞りリングはほぼ完璧だ。1/3段ごとの絞り調整は美しく動作し、F22とオート設定の間には十分な間隔があり、うっかり操作してしまわないように抵抗がある。また、24mm F3.5 DG DNにはない動画用のクリック解除スイッチを搭載しており、シグマよりも動画撮影に適している。リニアモーター駆動のAFは、静音性、高速性、信頼性がほぼ100%だ。これはシグマに勝っている。しかし、シグマの24mm F3.5のように、被写体から11cmの距離で1:2の倍率で撮影できるマクロ性能はなく、この点はソニーがはるかに見劣りする。
レンズは光学的にも素晴らしい性能を持ち、F2.8の絞り開放撮影でもフレームのほぼ全域でシャープな描写が可能だ。開放では周辺光量がやや落ちるものの、色収差やボケ味はF2.8のレンズとしては十分に美しい。
残念ながらこのレンズには1つの大きな光学的欠陥があり、特にRAWファイルを現像するときに顕著な樽型歪曲が見られる。JPEGはカメラ本体が自動的に補正をかけるので問題ないが、RAWで撮影する場合は、この歪みを取り除くために多くの後処理を行う覚悟が必要だ。このレンズのライバルであるシグマ24mm F3.5 DG DNは、より優れたビルドクオリティと高いマクロフォーカスに対応している。そしてかなり安い。また、ソニーのようにRAWファイルの樽型歪曲収差が大きくないのも特徴と言える。
一方、ソニーはシグマよりも小型・軽量で、開放F値が小さく、オートフォーカスも速くて静かだ。レンズフードのデザインも良く、絞りリングやフォーカスホールドボタンなどの機能も充実している。
どちらもそれぞれの強みを持った優れたレンズだ。一見すると、シグマ24mm F3.5 DG DNのコピーのように見えるかもしれないが、ソニーFE 24mm F2.8 Gは、小型軽量で高性能な広角単焦点レンズとして、一日中使っていられるお散歩レンズとして、独自の観点から検討するに値するだけの十分な違いがある。
とのこと。
このクラスのレンズとしては非常に高価ですが、高性能・高機能なレンズに仕上がっている模様。このサイズでしっかりとした防塵防滴とAFLボタン搭載は魅力的。
実写作例を見る限り、6100万画素のα7R IVでは中央と四隅のパフォーマンスに差があるように見えます。この結果はLenstipの測定結果と同傾向と言えそう。価格を考慮すると、シグマやタムロンと比べて(光学性能の)コストパフォーマンスは低めかもしれません。(ちなみにシグマは糸巻き型歪曲、タムロンは樽型歪曲です)
とは言え、40mm F2.5 Gや50mm F2.5 Gと組み合わせた際の統一感や絞りクリックの解除、AFLボタンは動画撮影や静止画撮影で役に立つ人もいるはず。画質ではなく、使い勝手に価値を見いだせると唯一無二の24mmとなりそうですね。
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