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ソニー「FE 24mm F2.8 G」の周辺解像は絞ると低下する

Sony Alpha Blogがソニー「FE 24mm F2.8 G」のレビューを公開。絞り開放が良好な画質の小型軽量な広角レンズですが、絞ると周辺や四隅の性能が低下すると指摘しています。

Sony Alpha Blog:Sony 24mm F2.8 G

レンズの紹介:

  • FE 40mm F2.5 G」「FE 50mm F2.5 G」と共に発表されたレンズだ。これらは以下の点を共有している。
    ・小型軽量
    ・サイズと重量
    ・絞りリング(クリック/クリックレス)
    ・AFLボタン
    ・Gシリーズ
    ・700ユーロの価格
  • α7Cと組み合わせてVlogやジンバルでの撮影に最適だ。そしてストリートや旅行での静止画撮影に携帯性の良いシステムを組む時に理想的である。

ビルドクオリティ:

  • ビルドクオリティは優れている。
  • レンズフードは上手くデザインされており、付けっぱなしで運用することができる。保護性の高いフードのため、プロテクトフィルターの必要はない。

携帯性:

  • 小型軽量が印象的なレンズだ。

操作性:

  • クリックレスへ切り替えることが可能な絞りリングを搭載し、操作性はとても良好だ。
  • クリックレスの絞りリングは動画撮影時に便利だ。
  • フォーカスリングはとても小さい。

オートフォーカス:

  • 静止画・動画どちらでも超高速だ。
  • 正確で静かに動作する。
  • α1の30コマ秒連写に対応している。
  • 瞳AFは完璧に動作する。
  • 動画撮影でも完璧に動作する。
  • フォーカスブリージングが小さく、強みとなる。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • 6100万画素のα7R IVでテストした。
  • 中央はF4から優れた性能だが、驚いたことに絞ると四隅が悪化する。
  • 四隅の絞りによる性能低下は近距離?中距離で特に顕著だ。無限遠ではF5.6?F8まで性能を維持している。
  • 2400万画素のα7Cであれば、四隅の傾向は無視できる。
  • ポートレートでの中央シャープネスは優れている。しかし、F2.8の絞り値は被写体を背景から分離するには力不足だ。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 絞り開放でとても良好だが、F4近くまで絞ると7角形となる。
  • 後ボケは24mmとしてきちんとしているが、複雑な背景では少し騒がしくなる。
  • 発色はとても良好だ。

色収差:

  • とても少ない。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 非常に強い。補正オフのデータは実用的と言えない。

周辺減光:

  • F2.8で目立ち、F5.6付近で解消する。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • とても良好だが、厳しい条件でいくらかフレアが発生する。
  • 絞ると素敵な光条が発生する。

競合レンズ比較:

  • 比較レンズ
    ・24mmの選択肢は多いが、最高は24mm F1.4 GMだ。しかし、AF対応のコンパクトな24mmを選ぶと以下の通りとなる。
    VILTROX AF 24mm F1.8
    AF 24mm F1.8 FE
    24mm F/2.8 Di III OSD M1:2
    24mm F3.5 DG DN
    AF 24mm f/2.8 FE
  • ソニーGは最小最軽量で、最も完璧なエルゴノミクスを備えている。
  • タムロンとシグマ以外はデクリックタイプの絞りリングを使用可能だ。(サムヤンは設定次第でフォーカスリングを利用可能)
  • シグマは最高のビルドクオリティで、次点はソニーGだ。
  • 最高のAFはソニーGで、次点でサムヤンとシグマが続く。
  • VILROXとサムヤンは絞り羽根の枚数が多い。
  • タムロンとシグマは最短撮影距離が短く、最大撮影倍率0.5倍を実現している。
  • タムロンはとても安い。
  • サムヤン24mm F1.8には特別な天体撮影モードがある。
  • ソニーGMとタムロンは抜群のシャープネスだ。次いでサムヤンF1.8とシグマが続く。
  • ソニーGはF2.8がピークで以降はパフォーマンスが低下する。無限遠の被写体に最適化しており、近距離の四隅はいくらか問題がある。
  • ボケはソニー、次点でサムヤンだ。
  • 歪曲収差はソニーGとタムロンが最も大きい。逆に優れているのはシグマとサムヤンF1.8だ。
  • 逆光耐性と色収差はソニーGが最高で、サムヤンが続く。
  • AFはソニー有利で、サムヤンとシグマがとても良好だ。
  • 風景ならばタムロンのコストパフォーマンスが最高だ。
  • 万能レンズはサムヤンF1.8が適している。
  • Vlogやジンバル用であればソニーGだ。

作例集

総評

風景や動画用に適した小型軽量なレンズだ。シャープネスはα7R IVと組み合わせても絞り開放から優れているが、絞ると性能が低下する。このため、風景写真用としては扱い辛い。幸いにも遠景ではとても良好だ。
玉ボケや発色はとても良好だが、後ボケは少し騒がしくなる可能性がある。歪曲収差は巨大で、レンズ補正なしで使うことは出来ない。

操作性は優れており、Vlogやジンバルなど動画での使用に適している。逆光耐性や色収差補正も良好だ。特にα7Cと組み合わせてストリートスナップに適している。競合レンズの存在を考慮すると、α7Cと組み合わせて使う場合や、Vlogにおススメできるレンズだ。

  • 長所
    ・小型軽量
    ・α7R IVでも優れた性能
    ・遠景で非常に良好なシャープネス
    ・優れたエルゴノミクス
    ・良好なコントラスト
    ・良好な玉ボケ
    ・良好な発色
    ・良好なポートレートの描写
    ・とても良好なAF
    ・防塵防滴
    ・優れたビルドクオリティ
    ・逆光耐性
    ・低色収差
    ・リニアなレスポンスのMF
    ・最小限のフォーカスブリージング
  • 平凡
    ・F2.8
    ・価格
    ・最短撮影距離
    ・周辺減光
    ・F4の玉ボケ
    ・後ボケ
  • 短所
    ・歪曲収差
    ・絞ると低下する四隅のシャープネス
    ・近距離?中距離の四隅

とのこと。
絞り値がF2.8で周辺・四隅のパフォーマンスが最大化される模様。この傾向はLenstipでも指摘されており、「非常に稀な傾向」と言及しています。フレーム全体の均質性を重視する場合は少し使い辛いと感じるかもしれませんね。逆に絞り開放付近を多用するのであれば、安定したパフォーマンスでサクサク快適に撮ることが出来そうです。

他の注意点はタムロンのように歪曲収差が非常に目立つことでしょうか。カメラ側のレンズ補正で問題なく使うことが出来るものの、ソニーのRAWは補正用プロファイルを格納していないので、Lightroomなどで現像する場合は専用のプロファイルを用意する必要があります。Adobeが早めに対応してくれると良いですねえ。

光学性能を考慮するとコストパフォーマンスは決して良いと言えませんが、豊富なコントロールと防塵防滴、そして高いビルドクオリティの金属鏡筒を考慮すると価格を正当化することができるかもしれません。

ソニー「FE 24mm F2.8 G」交換レンズデータベース

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