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ソニー「FE 50mm F1.2 GM」小型ながら最高の性能を詰め込んだハイエンドレンズ

Phototrendがソニー「FE 50mm F1.2 GM」のレビューを公開。比較的絞り開放を使ったボケ多めの作例が多く、レンズの描写を確認しやすいレビュー。最後に「the king of bokeh in E-mount」と締めくくっています。

Phototrend:TEST SONY FE 50 MM F/1,2 GM, LE ROI DU BOKEH EN MONTURE E ?

レンズの紹介:

  • ソニーは2016年に最初のG Master単焦点「FE 85mm F1.4 GM」を発売し、その5年後にこの「FE 50mm F1.2 GM」を発表した。これはEマウント60本目となるレンズだ。フルサイズ用レンズとしては39本目となる。
  • 既に3本の50mmレンズをソニーは用意している(50mm F1.8・50mm F1.4・50mm F2.8)。
  • ソニー初となるF1.2レンズだ。

ビルドクオリティ:

  • 10群14枚のレンズ構成には3枚のXAレンズを使用している。XAレンズは光学系を小さくまとめつつ、収差を低減し、高解像でとても綺麗なボケを作り出すことができるものだ。
  • 前玉は珍しく凹面となっている。
  • 11枚の絞り羽根で最高のボケ描写を可能としている。
  • 強度と携帯性における最高の妥協点を得るため、レンズは金属パーツとプラスチックパーツを組み合わせている。
  • ソニーは100%の防塵防滴を保証していないが、レンズは各部にシーリングが施されている。
  • 円筒型レンズフードの先端には衝撃吸収と滑り止めのためのゴムカバーが施されている。

携帯性:

  • 50mm F1.2としてはコンパクトで軽量だ。
  • サイズはFE 50mm F1.4 ZAとほぼ同じとなる87mm×108mmである。
  • 重量は778gで50mm F1.4と全く同じだ。
  • αシリーズのカメラと組み合わせてとても良好なバランスだ。
  • フィルター径は72mmだ。標準単焦点としてはかなり大きい。

操作性:

  • 金属製絞りリングはF1.2からF16まで1/3段ごとに調整可能だ。
  • 他のGMレンズと同じく、絞りリングのクリックを解除することが出来る。
  • ゴム製フォーカスリングは柔らかすぎず、硬すぎない操作性だ。電子制御だが素早く正確な操作が可能である。
  • フォーカスリングのピント移動量はリニアに動作する。
  • AF/MFスイッチと2つのFnボタンを搭載している。残念ながら、2つのFnボタンに個別の機能を設定することは出来ない。
  • F1.2の大口径は日中に撮影するとシャッタースピードが跳ね上がる。

オートフォーカス:

  • 4つのXDリニアモーターを使用したインナーフォーカスタイプだ。
  • 静止画と動画で超高速かつ正確なAFを実現している。
  • 瞳AFで簡単に瞳を捕捉することが可能だ。ただし眼鏡着用者の場合は眼鏡フレームにピントが合う場合がある。
  • 最短撮影距離が40cmと短い。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • 手ぶれ補正は搭載していないが、ボディ側の補正機能を利用可能だ。

解像性能:

  • F1.2から並外れたシャープネスのレンズだ。
  • 絞り開放から中央は良好で、F1.8付近ではさらに見事なシャープネスとなる。とは言え、全体的に見るとほとんどの人は見分けがつかないはずだ。
  • フレーム端は中央と比べると僅かに違いがあるものの、とても満足のいく結果だ。F1.2から良好で、F1.8まで絞れば優れた水準となる。均質性はとても満足のいくものだ。
  • 全体的に画質はF11まで維持され、その後は回折の影響が見られる。ただし、F16の最小絞り値でも損失は大きくない。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 口径食はF1.2-F1.4で見られる。さらに絞ると影響は小さくなり、F1.8で極僅か、F2で解消する。
  • 後ボケはとても柔らかく、背景は自然と被写体から分離する。
  • 玉ねぎボケの兆候は見られない、とても滑らかで丸みを帯びた玉ボケだ。

色収差:

  • 優れたレンズだが、特性の光環境や逆光ではパープルフリンジが発生する。幸いにも発生は稀だ。
  • F1.6以上の絞り値であれば、基本的にとても良好だ。

球面収差:

  • 記載なし。

歪曲収差:

  • 歪曲はほとんど無いが、よく観察すると僅かな糸巻き型歪曲となる。

周辺減光:

  • デジタル補正を適用しても周辺減光を解消することは出来ない。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 逆光時でもフレアはよく抑えられている。
  • 絞ると素敵な光条が発生する。

FE 50mm F1.4 ZAと比べて

  • サイズと重量はほぼ同じだ。
  • 絞りリング・11枚羽根・高速SSMフォーカス駆動を備えている。
  • 絞り開放のシャープネスはGMに及ばない。
  • GMと比べて800ユーロほど安い。

AF 50mm F1.4と比べて

  • 449ユーロと低価格なレンズだ。
  • 585gと非常に軽量である。
  • 光学性能はGMに競合するようなものではない。
  • AFはノイズが多く、僅かに遅い。
  • 絞り開放でシャープではないレンズを探しているのでであればおススメだ。

総評「the king of bokeh in E-mount」

ハイエンドな50mm単焦点レンズだ。絞り開放から高画質な結果を得ることができ、非常に優れたシャープネスと均質性を備え、とても良好なボケや収差補正だ。応答性の高いオートフォーカスのおかげで、ほぼ全ての状況でピントの合った撮影が可能だ。50mmとF1.2の組み合わせにより被写体と背景を分離しやすく、頑丈な構造や操作性を追求するビデオグラファーにも訴求力があると思う。

キヤノンRFマウントやニコンZマウントよりもマウント径が小さいものの、コンパクトでありながら非常に明るいレンズを実現している。同時にハイエンドな光学系をコンパクトにまとめることが出来ることも証明した。

  • 長所
    ・良好なビルドクオリティ
    ・絞り開放から良好で均質性の高い画質
    ・柔らかくて綺麗なボケ
    ・マニュアルフォーカス
    ・絞りリング
    ・高速かつ正確で静かなオートフォーカス
  • 短所
    ・高価格
    ・フォーカスブリージング
    ・F1.2-1.4の周辺光量落ち

とのこと。
様々な撮影距離でボケを確認できる作例が多いので要チェック。若干リサイズされているのでシャープネスの確認には不向きですが、ボケ描写を確認するには十分かなと思います。残念ながら、電子先幕シャッターのまま高速シャッターを使用し、ボケが欠けている作例も多いように見えます。1/500前後のシャッタースピードでもボケが欠けてしまうのは大口径レンズならではと言えるかもしれませんね。メカニカルシャッターか電子シャッターに切り替えて使用したいところ。

滲みを伴う柔らかいボケではありませんが、ボケそのものは滑らかで、色収差が少なく綺麗な描写に見えます。コントラストが高い背景では部分的に少し騒がしく見えてしまうかもしれません。このレンズに限った話ではありませんが…。

驚いたのはEDレンズを一枚も使わずに色収差がかなり良好に補正されていること。もちろん完璧ではありませんが、チャレンジングな光学設計ですね。ここ最近のレンズとしてはあまり見かけないアプローチのようです。(例えば、同じくEDレンズを使っていないFE 55mm F1.8 ZAは色収差が目立つ)

ソニー「FE 50mm F1.2 GM」交換レンズデータベース

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50mmレンズ比較

50GM 50ZA 55ZA 無印
構成
(群-枚)
10-14 9-12 5-7 5-6
絞り 11 11 9 7
開放F値 1.2 1.4 1.8 1.8
最小F値 16 16 22 22
最短距離 0.4 0.45 0.5 0.45
最大倍率 0.17 0.15 0.14 0.14
フィルタ 72 72 49 49
サイズ 87.0
108
83.5
108
64.4
70.5
68.6
59.5
重量 778 778 281 186
防塵防滴 配慮 - 配慮 -
絞り環 あり あり なし なし
AFL あり なし なし なし
コート ナノAR2 T* T* 不明
AF XD Liner RSSM Liner DC

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