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「LAOWA 10mm F2 Zero-D MFT」は開放から四隅まで見事なシャープネス

Optical LimitsがVenus Optics「Laowa 10mm F2 Zero-D MFT」のレビューを公開。MFT用レンズとしては周辺減光が非常に強いものの、F2から周辺まで非常にシャープな小型レンズと高く評価しています。

MFTらしい超広角レンズ

Optical Limits:Laowa 10mm f/2 Zero-D MFT - Review / Test Report

  • レンズの紹介
    ・過去数年に渡り、LAOWAは全てのセンサーフォーマットで超広角レンズを作り続けてきた。そして、彼らはまだこのセグメントでニッチを探し続けている。
    ・LAOWA 10mm F2 MFTは最近リリースされたばかりのレンズだ。マイクロフォーサーズ用の7.5mm F2や9mm F2.8も存在するが、極端な広い画角を必要としていない場合は10mmのほうが扱いやすいだろう。
    ・マニュアルフォーカスレンズだが、電子接点を搭載している。カメラ制御の絞りやEXIFデータへの記録、補正プロファイルなどに対応している。
  • 399ドルと手ごろな価格である。
  • ビルドクオリティ
    ・小型軽量なレンズだが、幸いにもビルドクオリティに悪影響はない。
    ・防塵防滴仕様では無いが、しっかりと構成された金属筐体である。
    ・レンズフードも金属製だ。
  • 携帯性
    ・超コンパクトデザインであり、これ以上の小型軽量化は望めないだろう
    ・パンケーキレンズでは無いが、非常に近い。
    ・わずか125gであり、本当にフェザー級のレンズだ。F2の開放F値を考慮すると決して暗いレンズでは無いにも関わらず、である。
  • 操作性
    ・フォーカスリングは滑らかに回転する。
  • オートフォーカス
    ・記載なし。
  • マニュアルフォーカス
    ・記載なし。
  • 手ぶれ補正
    ・ボディ内手ぶれ補正は手動設定せずとも利用可能だ。
  • 解像性能
    ・解像性能はこのレンズの非常に良好なカテゴリだ。本当にシャープな描写である。
    ・中央は既にF2で優れた結果となり、端や四隅も見事な結果だ。
    ・F2.8で性能はさらに向上し、F4でピークの画質に達する。この際はフレーム全体で優れたパフォーマンスを発揮している。
    ・回折はF8まで影響が中程度だが、それを超えると影響が大きくなる。
    ・テストした個体の偏心は問題無いが、右側が低下していた。
  • 像面湾曲
    ・過度では無いが、少し像面湾曲が見られる。
  • ボケ
    ・記載なし。
  • 色収差
    ・倍率色収差は非常に穏やかだ。
    ・絞ると僅かに増加するが、目立たないままである。
  • 球面収差
    ・記載なし。
  • 歪曲収差
    ・ゼロ歪曲は必ずしも光学的に補正していることを意味していない場合がある。しかし、このレンズの場合はそうではない。
    ・わずか0.3%の樽型歪曲で歪みは極僅かだ。「Zero-D」と名乗るのも当然だ。
  • 周辺減光
    ・小さなレンズサイズと明るいF値をどのように実現しているか疑問に持った人がいるかもしれない。もちろん周辺減光には悪影響がハッキリと表れている。
    ・F2の減光はRAWでほぼ3EVと非常に重い。通常、マイクロフォーサーズ用レンズのレビューに使うグラフの上限を遥かに超えるものだ。
    ・F2.8まで絞ると少し緩和するが、F8でも1EVほどの減光が残る。
    ・前述したように、補正プロファイルが組み込まれているので、自動補正を無効にしない限り減光はそれほど重くない。しかし少なくともF2では非常に目立つ。
    ・補正がオンの場合はF4でほぼ問題が無くなる。
    ・この特性に関しては設計が不十分と言わざるを得ない。レンズ直径を大きくするのが効果的だが、その場合はレンズサイズに影響を与える。
  • コマ収差
    ・記載なし。
  • 逆光耐性
    ・周辺減光に続く弱点が逆光耐性だ。しかし、フレアが目立つには条件がある。
    ・絞ると10本の光条が発生する。
  • 作例集

総評

F2から非常にシャープなレンズで、「ZERO-D」の名の通り歪曲収差は完全に抑えられている。ミラーレスでこのようなレンズを見るのは珍しく、オリンパスとパナソニックはなぜ実現できないのか疑問だ。四隅の画質が良好なのは、歪曲をデジタル補正していないことも一つの要因と言えるだろう。色収差の心配はなく、絞ると良好な光条が発生する。ボケのテストは実施していないが、実写ではかなり滑らかな描写に見える。ただし、周辺減光はデジタル補正が必要で、極端な逆光時はフレアが問題となることがある。

小型軽量ながらビルドクオリティに悪影響は見られない。逆に金属筐体の優れたクオリティだ。防塵防滴仕様では無いが、電子接点を搭載し、カメラ制御の絞りやEXIFに対応している。フォーカスはMF限定だが、超広角レンズで問題とはならないだろう。

驚くべき小さなレンズはマイクロフォーサーズの強みを強調するものだ。優れた軽量レンズで楽しいひと時を過ごすことが出来た。光学性能全てが完璧と言うわけではないが、広すぎない超広角レンズを探している場合は検討する必要がある。

とのこと。
オリンパスやパナソニックは超広角単焦点をリリースしておらず、特に電子接点付きのレンズは非常に貴重。広角ズームは存在しますが、そのほとんどは単焦点レンズほどコンパクトではありません。そして、「NOKTON 10.5mm F0.95」や「PROMINAR 8.5mm F2.8 MFT」などの広角レンズは電子接点が無いのですよね…。

自動補正や自撮り絞りに対応する超広角単焦点はこれが初めてかもしれません。同じく電子接点搭載の「LAOWA 50mm F2.8 2X ULTRAMACRO APO」はE-M1 IIIやG9で手ぶれ補正が利用できない不具合があったので、10mm F2で解消しているのか気になるところ。

LAOWA 7.5mm f/2 MFT C-Dreamer」と同じく周辺減光が強烈な点に気を付ける必要があるものの、光学性能は非常に優れているようです。電子接点搭載モデルのため、自動補正が利用できるのは便利ですね。ドローン搭載の映像用と考えると、アスペクト比から光量落ちの影響が少なくなるかもしれません。

ちなみに一つ予約しているので、1月末からチェック予定です。

Venus Optics「Laowa 10mm F2 Zero-D MFT」交換レンズデータベース

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