LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6はズーム全域で見事な解像性能

ePHOTOzineがパナソニック「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」のレビューを掲載。小型軽量で20mm始まりのキットレンズですが、ズーム全域で見事な解像性能を発揮すると評価しています。

ePHOTOzine：Panasonic Lumix S 20-60mm F/3.5-5.6 Lens Review

（基本的なスペックなどの紹介は割愛しています）

外観・構造：

軽量化のためにプラスチックパーツを多く採用している。

防塵防滴仕様に加え、-10度の耐寒性能を備えている。

花形レンズフードが付属する。誤操作で脱落する可能性は低い。

67mmフィルターに対応している。

携帯性：

重量は350gと控えめだ。

非常にコンパクトで「LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO」とよく似たサイズだ。

60mmにズームすると内筒が伸びる。

操作性：

フォーカスリングは十分に滑らかだ。

ズームリングは適度に滑らかだ。自重落下の兆候は見られない。

側面にはAF/MFスイッチのみ搭載している。

フォーカス：

AFは正確かつ高速に動作する。

ほぼ無音だ。

最短撮影距離は0.15-0.4m、最大撮影倍率はとても満足のいく0.43倍である。

フォーカスブリージングは抑えられている。

手ぶれ補正：

記載なし。

解像性能：

LUMIX S5とImatestを使用してテストしている。

20mmの中央はF3.5からF16まで優れた結果だ。端はF3.5からF16まで非常に良好である。

24mmの中央はF3.8からF16まで優れた結果だ。端はF3.8からF4で非常に良好で、F5.6からF8で優れた結果となる。

35mmの中央はF4.5からF16まで優れた結果だ。端はF4.5で非常に良好、F5.6からF8で優れた結果となる。

60mmの中央はF5.6からF11で優れた結果だ。端はF5.6で非常に良好、F8とF11で優れた結果となる。

良好な性能であり、ズーム全域でシャープな画質である。とても見事だ。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

このような小口径のレンズとしては良好だ。

ゴージャスな描写ではないが、騒がしい背景でも心地よいボケである。

色収差：

中央はゼロに近いが、フレーム端では1ピクセルを超える場合がある。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

全体的に良好な結果だが、これは自動補正が適用されているためだ。

周辺減光：

周辺減光は控えめで、大部分の焦点距離で目立たない。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

厳しい環境でもゴーストは発生せず、フレアは問題とならない。

作例集

総評

長所：
・全体的に良好なシャープネス
・防塵防滴
・中央の色収差補正
・フレーム端の色収差補正
・低周辺減光
・自動補正された歪曲
・操作性
・AF
・フォーカスブリージング
・逆光耐性
・価格

短所：
・小口径
・手振れ補正なし

とのこと。
広角端が20mmの珍しい標準ズームレンズですね。開放F値が大きく、小口径ですが、小型軽量で手ごろな価格のレンズに仕上がっています。カメラのキットレンズとしてさらに安く入手することもできます。無印標準ズームとしてはやや高めですが、防塵防滴・フッ素コーティング・20mm始まりを考慮すると妥当な値付けと言えそう。光学手ぶれ補正がないものの、ボディ内手ぶれ補正を搭載するLUMIX Sシリーズであれば特に問題は無いはず。

ePHOTOzineのレビューによると、2400万画素のLUMIX S5によるテストで、ズーム全域において良好な解像性能を発揮しているようです。（自動補正込みで）諸収差はよく抑えられ、これと言って欠点のないレンズに仕上がっている模様。ボケは柔らかい夢のような描写ではありませんが、悪目立ちせず、ズームレンズとしては良好なパフォーマンスを発揮しているように見えます。

既にFlickrにレンズ専用グループページが公開されています。既に千点を超えるユーザー投稿が公開されているので、解像性能やボケが気になる場合は参考になると思います。

LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6交換レンズデータベース