IMAGING RESOURCEがOMDS「M.ZUIKO DIGITAL ED 8-25mm F4.0 PRO」のレビューを公開。優れた光学性能と耐候性を評価しつつ、沈胴機構と価格設定を指摘しています。
IMAGING RESOURCE:Olympus 8-25mm f/4 PRO Field Test
レンズの紹介:
- 8-25mm F2.8は7-14mm F2.8 PROよりも幅広いズームレンジをカバーし、より軽量で汎用性のあるレンズに仕上がっている。ただし、開放F値はF4だ。
- 開放F値「F4」は低照度の撮影で理想的な選択肢とは言えないが、8-25mmの幅広い焦点距離を活かした風景や旅行など様々なシチュエーションに適している。
ビルドクオリティ:
- デザインは7-14mm F2.8 PROと同様ではなく、換算50mmをカバーするズームレンジを持つにも関わらず、驚くほど小型で軽量だ。
- 7-14mm F2.8 PROは非対応のねじ込み式フィルターに対応している。
- 優れた防塵防滴仕様のレンズである。さらに前玉にはフッ素コーティングを採用している。予期せぬ暴風雨を簡単に耐え、滝の水飛沫を簡単に拭き取ることができるフッ素コーティングも重宝した。
- 伸びるズーム設計に加え、沈胴式機構を採用している。このため、使用しない時は8mmを超えて縮めることが可能だ。逆に使用時は8mmまでレンズを伸ばす必要がある。個人的な好みで言えば、沈胴機構はないほうが良かった。
- ビルドクオリティには感銘を受けた。ほぼ全ての点で非常に頑丈であり、PROレンズに期待する堅牢性と耐候性を備えている。
携帯性:
- 全体的なサイズと重量は12-40mm F2.8 PROとよく似ているが、同じではない。
- 重量はわずか411gで12-40mm F2.8よりも重いが、手に取った際の感触は似ている。縮長時のサイズは88.5mmで、とてもよく似ている。ただし、直径は大きく、72mmのフィルターに対応している。
- 焦点距離が8mmで内筒が最も伸びた状態となる。この際はレンズが28mm伸びる。焦点距離が18mmでは19mm、25mmで22mm伸びる。
操作性:
- フォーカスクラッチ構造とL-Fnボタンを搭載している。
- フォーカスリングをスライドすると、ピント距離表示があり、リングの位置に応じてピントが変化する。
- カメラ側の設定でフォーカスクラッチの機能を無効かすることも可能だ。
- ズームリングは12-40mm F2.8 PROよりも少し緩い。少なくとも手持ちの12-40mm F2.8のズームリングは緩くなく、滑らかに回転する。
オートフォーカス:
- ステッピングモーター駆動を利用している。信じられない程に高速で、滑らかなAFだ。
- 接写性能は魅力の一つだ。12-45mm F4 PROと同じように、とても近い撮影距離にピントを合わせることが出来る。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 全体的にとても優れた画質だ。
- 絞り開放F4で撮影しても、ズームレンジ全域でシャープネスと解像性能が優れている。
- 他のPROレンズと同様、私なら絞り開放を常に使用し、被写界深度が必要な場合のみ絞る
- シャープネスは全体的に優れており、25mmの周辺や隅のみ甘さが見られる。それでもF8まで絞ると少し改善する。
- F11でディテールがわずかに低下する。
- F16-F22は回折の影響が強いので可能であれば避けるべきだ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 記載なし。
色収差:
- 優れた補正状態だ。8mm F4でも問題は無い。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 記載なし。
周辺減光:
- 周辺減光は極僅かだ。
- 8mm F4で僅かな光量落ちが目に付くが、F5.6?F8まで絞ると改善する。
- 25mm F4でも影響は見られるが、F5.6まで絞ると改善する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 記載なし。
総評
優れたオリンパス製レンズだ。従来通り優れたシャープネスとビルドクオリティを備え、頑丈で耐候性もある。換算16-50mmの幅広いズームレンジに加え、クローズアップの撮影もできることから様々なシーンに適している。さらに72mmのねじ込み式フィルターに対応している。ただし、低照度での撮影はF2.8ズームレンズのほうが適しているだろう。
全体的に見て、このレンズの欠点は多くない。ズームレンズのメカニズムは個人的に好みでは無いが、機能面は期待通りだ。1100ドルの価格設定は少し高価と難じ、7-14mm F2.8 PROとの差額は200ドルだけだ。そして12-40mm F2.8 PROは遥かに安い。
とは言え、このレンズは幅広いズームレンジと優れた光学性能を両立している。これを実現するのは簡単なことでは無かっただろう。もう少し安かったら、さらに魅力が増すのだが…。
とのこと。
同時に多数の作例も公開しており、光学性能を確認するには分かりやすいカットが多いです。レビューではPROレンズらしい優れた光学性能を備え、同時に耐候性が堅牢性も高くなっていると評価。実写作例を確認してみると、確かにこれと言った弱点が無いレンズに見えます。しかし、シャープネスは中央と隅でいくらか差を感じます。DPReviewの作例でも同様に感じたので、ひょっとしたら歪曲収差に強めの補正がかかっており、周辺部に影響があるのかもしれません。とはいえ、細かいことを言わなければ特に気にならない程度。ハーフマクロに迫る撮影倍率も強みと言えるでしょう。
売り出し価格は12万円台と安くは無く、同システムにはどう価格帯の広角ズームや標準ズームが揃っているのは悩ましいところ。特に「M.ZUIKO DIGITAL ED 7-14mm F2.8 PRO」や「LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm F2.8-4.0?ASPH.」との選択に悩むと思います。幅広いズームレンジが必要無ければLEICA DGも悪くない選択肢となるはず。しかし、個人的にこのレンズの価格設定は妥当と考えており、さらにレンズ交換なしで色々と撮影してみたい場合は、幅広い8-25mmのズームレンジが魅力的と感じます。特に家族写真や動画撮影で重宝しそうな焦点距離なのです。
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