PhotographyBlogがニコン「NIKKOR Z 28mm f/2.8(Special Edition)」のレビューを公開。APS-CフォーマットのZ fcと組み合わせて使う限り、弱点がほとんどない素晴らしいレンズと評価しています。
PhotographyBlog:Nikon Z 28mm F2.8 SE Review
外観・構造:
- ビルドクオリティはとても良好だ。Ai Nikkorのような外観で、フォントまで似せている。
- レンズマウントはプラスチック製だ。
- 手ごろな価格のレンズとしては珍しく防塵防滴に対応している。
- 52mmフィルターに対応している。
携帯性:
- フルサイズ用レンズとしては160gと非常に軽量だ。
- 71.5mm×43mmのサイズで、ニコンZシリーズとしては最小クラスのレンズだ。
- Z fcのようなDXフォーマットのカメラに適している。
操作性:
- DXフォーマットでは換算42mmとなる。一般的な35mmや50mmの焦点距離の中間であり、慣れるのに少し時間がかかる。
- 十分なサイズのフォーカスリングを搭載している。MFとして利用しない場合は絞りやISO感度、露出補正などを割り当て可能である。
オートフォーカス:
- マルチフォーカスのステッピングモーター駆動だ。
- ほとんど静かで滑らかに動作する。
- Z fcとの組み合わせで高速だ。大部分の状況で正確なフォーカスが可能だった。
マニュアルフォーカス:
- MFはモーター駆動で動作する。フォーカスリングは適切なトルクで回転する。マニュアルオーバーライドも可能だ。
- バイワイヤのため、ピント両端にハードストップは無い。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正は非搭載だ。
解像性能:
- 中央はF2.8からF11まで優れたパフォーマンスだ。F16で回折の影響を受ける。
- 端は中央と同じくらいシャープだ。F2.8からF11で最適な結果を得ることが出来る。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 広角レンズとしては非常に魅力的なボケである。
色収差:
- 非常にコントラストが高い状況でのみ発生する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- JPEG・RAWどちらも目立つ歪曲収差はほとんどない。
周辺減光:
- 絞り開放で目立つ周辺減光が発生する。
- 解消するには少なくとも3段は絞る必要がある。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 絞ってもあまり綺麗な光条は発生しない。
- 太陽をフレームに入れるとフレアが発生しやすい。
総評
日常的な撮影に適した小型軽量のレンズだ。本レンズの最大の特長は、42mmというユニークな画角と小型軽量、そして、レトロなZ fcにぴったりのクラシックスタイルである。
その控えめな価格にもかかわらず、光学的に驚くほど優れた性能を持っており、F2.8の絞り開放でもフレームのほぼ全域で中央部がシャープに写る。APS-Cセンサーのカメラで使用した場合、周辺部の性能も同様に優れている。
色収差と樽型歪曲は、JPEGとRAWの両方で良好に補正されており、F2.8の開放F値と7枚の絞り羽根の組み合わせにより、ボケも非常に美しい。一方、開放では周辺減光がやや多めで、F16の光条は特に鮮明ではなく、太陽を直接撮影するとフレアが目立つ。
低価格化の主な理由は、ビルドクオリティだ。クラシカルな一眼レフ用レンズに見えるが、金属製レンズとは異なり、レンズの先端から後端まで、すべてプラスチック製だ。これが長期的な使用に問題になるかどうかは分からないが、金属製にこだわる方にはお勧めできない。また、Z 28mmには前後のレンズキャップ以外の付属品はなく、フードやケースなども同梱されていない。
カメラやレンズが年々高価になっていると言われている中で、イギリスで299ポンド、アメリカで299ドルという価格でレンズを発売したのは素晴らしいことだ。
全体的に見て、NIKKOR Z 28mm F2.8 SEは、プラスチック製であること以外の弱点がほとんどない。Z fcの常用レンズとして、低コストで手に入る素晴らしい単焦点レンズだ。
とのこと。
フルサイズ用の28mm広角レンズですが、DXフォーマット「Z fc」のキットレンズとして登場したスペシャルモデルですね。フルサイズ対応ながら小型軽量なレンズサイズに仕上がっており、DXフォーマットのカメラと組み合わせても問題の無い大きさ・重さ。この場合、光学性能は全体的にとても良好で、周辺減光以外にこれと言った弱点は無いようです。
私もZ fcと共に購入。フルサイズ対応、小型軽量、低価格なレンズとしては確かに良好なビルドクオリティと感じます。レンズマウントまでプラスチック製ですが、実際に手に取ってみると安っぽさはあまり感じません。開放F値「F2.8」はシャッタースピードの上限が1/4000秒のZ fcにとって程よいものであり、日中に絞り開放で撮影しても露出をギリギリ維持することが可能。(F1.4やF2だと厳しい)
フルサイズで使うと絞り値全域で周辺減光が目立つので、ヴィネッティング補正が必要と感じる場合が多いです。解像性能はフルサイズでも良好ですが、諸収差がいくらか残存しているので「絞り開放から優れたレンズ」とは言えません(サイズ・価格を考慮すると評価すべき性能だと思いますが)。
DXフォーマットのZ fcと組み合わせると、レンズの弱点がほとんど解消します。確かに(フルサイズ対応レンズながら)Z fcのキットレンズになるだけはあるなと。
ボケは思っていたよりも綺麗で、特に接写時は滑らかな後ボケが得られます。撮影距離や絞り値によって味が変わるので、使いこなす面白さがあるレンズです。(S-Lineは優秀なレンズで、完成度は高いものの面白味には欠ける)
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