Digital Camera Worldがニコン「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」のレビューを公開。レンズの作り、操作性、画質など、全ての点で最高であると高く評価しています。
Digital Camera World:Nikon Z MC 105mm f/2.8 VR S review
レンズの紹介:
- Zマウント用のマクロレンズだ。一眼レフ用105mm F2.8から、全体的にレベルを引き上げている。最短撮影距離0.29m・撮影倍率1.0倍に対応し、手ぶれ補正は3段分から4.5段分まで向上。
- Z MC 50mm F2.8の倍ほど高価だが、S-Lineのプログレードレンズに相応しいものとなっている。
ビルドクオリティ:
- S-Lineのレンズらしく、防塵防滴仕様だ。プログレードの質感であり、Z F2.8 Sズームレンズと同等だ。
携帯性:
- 11群16枚のレンズ構成には1枚の非球面レンズと3枚のEDレンズを使用している。インナーフォーカスのためピント距離全域でレンズの全長は一定だ。
操作性:
- カスタマイズ可能なコントロールリングを搭載している。ここに絞り・露出補正・ISOを割り当てることが可能だ。
- カスタマイズ可能なL-Fnボタンと多機能なOLEDディスプレイを搭載。OLEDディスプレイにはピント位置や被写界深度、絞り値を表示することが出来る。
- 電子制御式のフォーカスリングはマクロ撮影で必要な微細な調整が可能となる。カメラ側の設定でフォーカスリングの回転方向を切り替えることが可能だ。
- AFリミッターで動作範囲をマクロ撮影に限定することが可能である、
オートフォーカス:
- 2つのステッピングモーターを使用したマルチフォーカスタイプだ。超高速かつ無音で動作するうえ、収差の変動を抑えることが出来る。
- マクロ撮影の距離でも非常に機敏な動作である。
- 間違いなく正確に動作する。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 4.5段分の補正効果を発揮する光学手ぶれ補正を搭載している。
解像性能:
- 最高水準のシャープネスが中央のみならずフレーム端まで維持されている。
- 全ての絞り値で見事な性能だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 心地よく滑らかなボケだ。
色収差:
- 軸上色収差・倍率色収差は存在しない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- わずかな樽型歪曲も存在しない。
周辺減光:
- 記載なし。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- ナノクリスタルコートとARNEOコートの2つを採用し、ゴーストとフレアを最小限に抑えている。
総評
スペシャルなマクロレンズだ。超高速・高精度のオートフォーカスシステムと、Zシリーズのボディ内手ブレ補正機構と連動する光学式VR(手ブレ補正機構)を搭載し、一般的な撮影から近接撮影までゴージャスな画質を実現している。また、多機能なOLEDディスプレイ、カスタマイズ可能なL-Fnボタンとコントロールリング、AFリミッター、微細調整が可能な電子式フォーカスリングなど、操作性にもこだわっている。さらに、頑丈で防塵防滴の作りだ。画質、性能、操作性、どれをとっても最高である。
- 長所:
・オールラウンドで見事な性能
・プログレードのビルドクオリティ
・4.5段の手ぶれ補正- 短所:
・Z MC 50mmよりも高価
(しかし、その価値は十分にある)
とのこと。
非常に優れたZマウント用のマイクロレンズとなった模様。Digital Camera Worldの評価では特にこれと言った短所が見当たらず、高価なレンズですがそれだけの価値はあるとのこと。テスト結果を見てみると、確かに周辺部まで良好な解像性能を発揮しているようです。
私も発売日からZ 7と組み合わせて使用しており、確かに光学性能が高い、特に解像性能が高いレンズであると感じています。ただシャープなだけでは無く、細部のコントラストが非常に高いので解像感が良好。下手にカメラ側でシャープネスを高くするとカリカリとなってしまうはず。無限遠からマクロ撮影までパフォーマンスが安定しているうえ、アポクロマート設計のように色収差が補正されています。
オートフォーカスはZ 7と組み合わせる限りでは近接時に迷いやすく、合焦まで時間がかかることがありました。特にAF-Cが必要なシーン(動く昆虫など)ではイラっとすることがありました。これはAF性能が向上しているZ 6IIやZ 7IIでは違った結果を得られるかもしれません。
高解像ながらボケも滑らかで綺麗に見えますが、高コントラストなレンズですので、背景によっては騒がしく見える可能性あり。また、口径食が強いので被写体と背景の距離関係によっては四隅が騒がしくなる場合があります。
その辺りを考慮しても売り出し価格11万円ちょいは安い。特に光学性能を重視する場合は検討したいマクロレンズだと思います。
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