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富士フイルム「X-S10」は絶対的にお買い得なカメラ

DPReviewが富士フイルム「X-S10」と「X-T4」の比較レビューを掲載。操作性や堅牢性、そして動画機能の点でX-T4が優れているものの、X-S10は絶対的にお買い得なカメラであると言及しています。

X-T4 vs X-S10

DPReview:Fujifilm X-T4 vs X-S10

  • X-T4はXシリーズのトップエンドモデルであり、我々にとってお気に入りのAPS-Cカメラだ。特に動画撮影時にボディ内手ぶれ補正と改善した追従AF、大型バッテリーの点でX-T3よりも優れた結果をもたらしてくれる。
  • しかし、同社のX-S10はより手ごろな価格でボディ内手ぶれ補正を実装し、X-T4が実装している多くの機能を備えている。
  • 2つのカメラについて最大の違いは操作性だ。X-T4はシャッタースピードダイヤルとISOダイヤルを備え、レンズ側の絞りリングを利用することでフイルム用一眼レフのように使うことが出来る。
  • 対称的にX-S10は役割が定まっていないコマンドダイヤルで主な露出設定を変更する必要がある。露出モードの変更は一般的なモードダイヤルで操作する。X-T4でモード変更するには各ダイヤルを「A」ポジションに切り替える必要がある。
  • サイズと構造にも差がある。X-S10はミドルレンジの競合モデルと比べると頑丈なカメラだが、X-T4のようなマグネシウム合金ボディや防塵防滴仕様では無い。
  • X-T4はボディサイズが大きく、より多くのコントロールポイントを備えている。最も重要なことは4方向ボタンを搭載していることだ。
  • X-T4は合計9カ所のボタンカスタマイズに対応し、X-S10は6カ所のボタンカスタマイズに対応している。どちらもタッチFnでさらに4カ所のカスタマイズを利用可能だ。
  • X-T4は大きなカメラだがグリップはあまり大きくない。サムレストと併せてしっかり握ることが出来るものの、X-S10のように指でしっかりと握ることは出来ない。
  • X-T4は底面に装着できるエクステンショングリップが用意されている。
  • X-T4のメカニカルシャッターはX-S10より洗練されており、最大で15コマ秒の連写速度に対応している。さらにX-S10と比べて2倍のバッファによりアクション撮影に適している。
  • ただし、X-S10でも電子シャッターを利用することでX-T4と同じ20コマ秒の連写速度を利用可能だ。(バッファは半分だが)
  • X-S10の手ぶれ補正はX-T4よりも僅かに効果が低いと言われている。実写で違いは見られないが、極端な長秒露光時に差がつくかもしれない。
  • 違いがほとんど無い領域の一つはオートフォーカスだ。AFはX-T4で飛躍的に進化し、意図した被写体への優れた追従性を発揮。そして明瞭なインターフェースを備えている。そして安価なX-S10でも同じような性能を得られるのは朗報である。
  • どちらも顔・瞳検出は優れている。しかし、顔が無い状況でも顔を検出してしまうことがある。X-S10は顔検出時にAFジョイスティックで複数の顔から任意の顔を選択することが可能だ。X-T4で同様の効果を得るにはボタンカスタマイズで専用の機能を設定しなければならない。
  • 動画AFはこれまたよくできている。フォーカス速度やリフォーカスを期待通りにコントロールすることが可能だ。ただし、どちらも動画撮影時の被写体追従機能が無いので顔検出が外れた場合の動作が予測不能だ。
  • ファインダーはX-T4のほうが優れている。369万ドットの高解像パネルを搭載しており、実際にこの差は思ったよりも大きい。
  • X-S10のファインダーは0.62倍の光学系と小さなOLEDパネルを使用し、アイポイントは17.5mmと短い。さらに大きなアイカップを搭載しているX-T4と比べて差が目立つ。
  • もう一つの大きな違いはバッテリー駆動時間だ。X-T4は新型のW235バッテリーを使用しており、X-S10の325枚よりも175枚も多く撮影が可能だ。
  • X-S10のシングルSD UHS-Iカードスロットはバッテリーベイの中にあるが、X-T4は専用ドアの中にデュアルSD UHS-IIカードスロットを搭載している。
  • X-T4は2.5mmリモートレリーズとシンクロソケットに対応しており、X-S10は内蔵フラッシュを搭載している。
  • 動画は最もパフォーマンスに違いがあるポイントだ。X-T4はフル画角のオーバーサンプリングで4K UHD/DCIの撮影が可能であり、わずかなクロップで4K 60pの撮影にも対応している。さらに最大400Mbpsで4:2:0 10Bitを含む様々な圧縮オプションで録画が可能だ。
  • X-S10は10Bit録画に対応しておらず、4K 60pやH.265での撮影もできない。しかし、その他の部分はX-T4とよく似ている。HDMI出力で4:2:2 10Bitでの撮影も可能だ。ゼブラ・ピーキング・タリーランプ・ブースト電子補正などに対応し、バリアングルモニタを搭載した見事な機能性を備えている。

X-T4はX-S10と比べて全体的に少し優れたカメラだ。ただし、定価が70%ほど高くなっている。にも関わらず、画質やAF性能は同等だ。このため、X-T4購入の際はX-S10のスペックが必要かどうか検討する必要がある。X-T4は優れた動画撮影機能を備えているが、X-S10も非常に高性能な動画撮影が可能である。

静止画撮影の場合はファインダや操作性、ボディの堅牢性が必要かどうかが検討すべきポイントだ。しかし、X-S10が絶対的にお買い得であることは否定できず、多くの人にとってX-T4との差額でX-S10とレンズを追加購入するほうが魅力的な選択肢かもしれない。

とのこと。
連写速度や動画撮影機能、そしてファインダーや操作性など、全体的にX-T4のほうが優れているように見えますが、X-S10のコストパフォーマンスも捨てきれないようですね。確かに突き詰めた性能を求めなければ、X-S10の価格帯では優れた性能のAPS-Cカメラだと思います。

とは言え、現X-S10ユーザーとしては、やはり操作性や連写性能などは要注意。SD UHS-I対応のX-S10は連写後のバッファクリアに時間がかかり、容量も小さいので高速連写時は一瞬でバッファが詰まります。コマンドダイヤルはカスタマイズが出来ず、ドライブモードボタンも位置が固定されています。

さらにファインダーやモニターは古いX-T20と同様の仕様が続いており、富士フイルムとしては珍しいモードダイヤル機である点も気を付けたいところ。競合他社からの乗り換えであれば非常におススメしやすいカメラですが、X-T30やX-E3からの乗り換えは向き不向きあると思います。

それでも富士フイルム最新の手ぶれ補正・画質・AF・フイルムシミュレーション・仕上がり機能をこの価格で利用できるのはバーゲンプライスだと思います。

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