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ニコン NIKKOR Z 35mm f/1.8 S 最新情報まとめ

このページでは一眼カメラ用交換レンズ「NIKKOR Z 35mm f/1.8 S」の情報を収集しています。

更新履歴

レンズデータ

購入早見表

レンズデータ

レンズ仕様

型式 ニコン Zマウント
焦点距離 35mm
最大口径比 1:1.8
レンズ構成 9群11枚(EDレンズ2枚、非球面レンズ3枚、ナノクリスタルコートあり)
画角 63°(撮像範囲FX)
44°(撮像範囲DX)
ピント合わせ RF(リアフォーカス)方式
最短撮影距離 撮像面から0.25m
最大撮影倍率 0.19倍
絞り羽根枚数 9枚(円形絞り)
絞り方式 電磁絞りによる自動絞り
最大絞り f/1.8
最小絞り f/16
測光方式 絞り込み測光
アタッチメントサイズ(フィルターサイズ) 62mm(P=0.75mm)
寸法 約73.0mm(最大径)×86.0mm(レンズマウント基準面からレンズ先端まで)
質量 約370g
付属品 ? 62mmスプリング式レンズキャップLC-62B
? 裏ぶたLF-N1
? バヨネットフードHB-89
? レンズケース CL-C1

MTFチャート

レンズ構成図

関連レンズ

海外の評価

Lenstip

Nikon Nikkor Z 35 mm f/1.8 S

  • Fマウント用35mm F1.8と同じレンズ構成枚数だが、重く大きなレンズだ。
  • 27mm径の後玉周辺はマットブラックの塗装が施され、電子部品を目視で確認することは出来なかった。
  • マウント付近の外装は金属製だ。レンズ製造国は中国である。
  • 39mm幅のマニュアルフォーカスリングは回転速度に応じてストロークが変化する。素早く回転するとピント全域で90°未満、ゆっくり回転すると180°に達する。電子的な距離指標が表示されないので回転量を掴むのは難しい。
  • 解像度
    ・Nikon Z 7のRAWファイルに基づいて測定している。
    ・良像の基準値は42?44lpmmだ。
    ・非常に良好なレンズで85lpmmを超えることがある。
    ・中央は絞り開放から58?60lpmmと基準値は遥かに上回る結果となった。絞ると急速に向上し、F2.8で79lpmmに達し、F4でピークの82lpmmとなる。
    ・APS-C領域も絞り開放から完全に実用的だ(約45lpmm)。F5.6まで絞ると60lpmmの高い数値に達する。
    ・フルサイズ四隅の絞り開放付近は33lpmmと良像の基準値以下となる。唯一指摘するポイントだ。幸いにも絞ると急速に改善し、F2.5で楽しめる解像度となる。
    ・画質の均質性には改善の余地があるものの、これを達成するのは非常に難しい課題だ。他のレンズも同様の傾向である。全体的な評価はとても好ましいものだ。
  • Fマウントの35mm F1.4・35mm F1.8は軸上色収差の問題が大きかった。しかし、このレンズは色ずれが目立たない。
  • 倍率色収差は最大値で0.04%と非常に低い数値だ。AF-S 35mm F1.4Gが0.14%だったことを考えると非常に優れたパフォーマンスである。ちなみにタムロン35mm F1.4やキヤノンEF35mm F2 ISよりも少し優れている。
  • 球面収差は残存しているように見えるが、大きな問題は無い。
  • 35mmの歪曲収差は一般的に良いもので-0.5%、最悪の結果で-2%ほどだ。このレンズはAPS-C領域でわずか-0.43%、フルサイズ領域で-1.28%だ。一眼レフ用と比べて明らかに改善している。
  • コマ収差補正は称賛すべきカテゴリだらけの本レンズにおいて最初に取り上げる弱点だ。APS-C領域からコマ収差の影響が確認でき、フルサイズ四隅ではさらに目立つ。1段絞っても改善しない。
  • 非点収差の平均値は11.4%と中程度の数値だ。一眼レフ用と比べて明らかに改善しているが、キヤノンEF35mm F2やタムロン35mm F1.4と比べて見劣りする。
  • ボケに関して非難するのは難しい。とても素晴らしいボケ描写だ。敢えて挙げるとしたら非球面レンズの影響と口径食の影響だ。
  • 周辺減光はフルサイズのF2.8で-2.46EVだ。一眼レフ用よりも目立つが、タムロンやキヤノンよりも優れている。F4まで絞ると穏やかな減光量となる。
  • 逆光耐性は十分なパフォーマンスだ。大部分の状況でフレアに気が付くことは無いだろう。フレアが発生したとしても非常に弱い。
    四隅に光源を配置した時のみ顕著な斜めの光線が発生する。
  • オートフォーカスは静かだが、ノイズレスではない。幸いにも僅かな動作音なので欠点と言うべきものでは無い。
  • フォーカス速度は中程度だ。ピント距離全域を0.6?0.7秒で移動する。ミスショットは2%未満と非常に良好な精度だ。

長所:頑丈な防塵防滴仕様の鏡筒・中央画質が優れている・APS-C領域の画質が非常に良好・軸上色種巣あが穏やか・倍率色収差は無視できる・球面収差は特に騒がしくない・歪曲収差の問題がない・周辺減光はAPS-C領域で穏やか・オートフォーカスは静か・逆光耐性がきちんとした性能・ボケが素晴らしい

短所:周辺減光はフルサイズ領域で目立つ・コマ収差の問題が目立つ

ニコンFシステムの単焦点レンズは重要な焦点距離をF1.8とF1.4のレンズでカバーする完璧に近いラインアップだった。そしてZシステムはF1.8シリーズからラインアップの穴を埋め始めている。この取り組みは本当に素晴らしいと思う。比較的高価なF1.8レンズではあるが、F1.4やF1.2レンズよりも遥かに手頃な価格設定だ。

このレンズの価格設定はFマウントレンズよりも高く、タムロン35mm F1.4よりも少し高い。2/3の価格設定であればなお良かったと思うが、光学性能は価格を正当化するに十分過ぎるものだ。

Lenstip:Nikon Nikkor Z 35 mm f/1.8 S

DPReview

高価な35mm F1.8

  • 一見するとNIKKOR Z 50mm F1.8 Sとソックリだが、見比べてみると違いが分かる。
  • キヤノンのRF35mm F1.8 IS STMと比べて長いレンズだが、FTZアダプター経由のAF-S NIKKOR 35mm F1.8G EDと比べるとかなり短い。
  • 物理的な操作はフォーカスリングとAF/MF切替スイッチのみとシンプルだ。
  • フォーカスリングは鏡筒の大部分を占めており。素晴らしい操作性だ。とても滑らかで良好な抵抗感である。ズームレンズのようにゴム製ではなく金属製となっている。
  • マウントは金属製で防塵防滴用のガスケットが備わっている。とてもしっかりとしたビルドクオリティだ。
  • ステッピングモーター駆動のオートフォーカスは良好だが、速いとは言えない。特に最短撮影距離から無限遠までは1秒以上かかってしまう。駆動音は僅かに聞こえるが、屋外ではまず聞こえない。
  • Z 50mm F1.8ほどシャープでは無いが、依然として強力なレンズに違いない。大部分の絞り値で全体的にシャープとなり、無限遠ではF1.8でも細部までシャープな描写だ。絞ることでフレーム全体がシャープとなる。
  • シャープネスはF4でピークとなり、F5.6~F8で全体的にシャープとなる。F11まで絞ると回折の影響が目に付く。
  • 他社と比べて若干甘いが、ソニーFE35mm F1.8のような軸上色収差の影響は見られない。
  • 玉ボケは四隅に向かって口径食の影響を受ける。また、3枚の非球面レンズの影響で玉ねぎボケの影響もある。
  • Z 50mm F1.8 Sの軸上色収差補正はとても良好だったが、このレンズは同程度ではない。
  • 9枚の絞り羽根は絞ることで素敵な光条を発生させる。
  • コマ収差の補正はとても良好だ。
  • 周辺減光は中程度と見に付く。F2まで絞ると大きく改善し、F4ではほぼ解消する。

Like:防塵防滴で頑丈なビルドクオリティ・ほぼ無音のフォーカス駆動・少し絞るととてもシャープ・フレーム全域でとても良好な一貫性・コマ収差は良好に補正されている・レンズ補正後は倍率色収差が皆無

Dislike:絞り開放で軸上色収差が目に付く・玉ねぎボケ・F1.8の明るさ・焦点距離とF値を考慮すると高価・僅かな樽型歪曲

サイズと価格を無視すればおススメできるミドルクラスの単焦点レンズだが、実際はソニーFE35mm F1.8と同じく非常に高価な値付けだ。

ビルドクオリティや防塵防滴仕様は一眼レフ用と比べて改善しており、大部分の用途で心地よい描写となる。しかし、一部のF1.4レンズほど素敵な玉ボケではなく、Z 50mm F1.8 Sほど軸上色収差の補正が良く無い。

DxOMark

良好な性能だがシグマ・タムロンが健闘

総合 解像 透過 歪曲 減光 色収差
Z 35mm F1.8+Z 7 38 30 1.9 0.5 -2 5
FE35mm F1.4+a7R II 44 36 1.5 0.5 -1.7 8
35mm F1.4 DG+D800E 43 30 1.6 0.3 -1.8 6
EF35mm F1.4 II+5Ds R 42 37 1.7 0.1 -2.3 4
SP35mm F1.8+D800E 42 29 2.1 0.2 -1.4 4
  • 全ての絞り値でシャープネスは良好だ。特にF4-F8で優れており、画質は隅から隅までシャープである。
  • F1.8-F2.8でも中央領域は非常に良好だ。周辺部は少しソフトになるが、それでも全体的に許容範囲内となる。
  • F11まで絞ると回折の影響が出始めるが画質は良好なままである。
  • 倍率色収差補正はどの絞り値でも目立たない強みとなるポイントだ。
  • 周辺減光はF1.8-F2.8で目立つが、F4まで絞ると大きく減少する。ただし、四隅の減光は絞っても目に付く。
  • 歪曲収差は0.5%と小さな樽型歪曲だが、準広角レンズとしては珍しい数値ではない。
  • 透過率は1.9Tstopと良好だ。
  • 総合スコアはこれまでテストしてきたニコン製35mmの中ではベストとなる。しかし、いくつかの競合レンズと見比べると劣っている。3600万画素のD800Eでテストしたシグマ35mm F1.4 DG HSMやタムロンSP35mm F1.8 Di VC USDはどちらも低解像センサーだがほぼ同等のシャープネスを叩き出している。さらに色収差補正や歪曲収差補正も良好だ。ニコンマウント用35mmとしてはサードパーティ製がベストスコアとなっている。
  • ソニーFE35mm F1.4 ZAはシャープネスでより優れ、遥かにコンパクトなFE35mm F2.8 ZAもZ 35mm F1.8 Sよりやや良好なシャープネスだ。
  • キヤノンEOS 5Ds RとEF35mm F1.4 IIの組み合わせだと、Z 35mm F1.8 Sのシャープネスを大きく上回る。周辺減光は強烈だが、歪曲収差はとても良好に補正され、色収差補正や透過率もやや優れている。
  • Z 35mm F1.8もSP35mm F1.8も像高80%までは大部分で優れたシャープネスを発揮する。AF-S 35mm F1.8と比べて大きく改善しているが、均質性はタムロンのほうが良好だ。F4まで絞るとZ 35mmは競合レンズよりも僅かに良好となり、ベストなシャープネスとなる。

NIKKOR Z 35mm F1.8 Sは我々が今までテストしてきたニコン製35mmの中ではベストスコアだ。最大の強みはシャープネスであり、絞り開放から優れた性能を発揮し、中程度まで絞ると非常に均質な解像性能となる。とは言え、この結果はシグマ35mm F1.4 DG HSMやタムロンSP35mm F1.8 Di VC USdなどサード-パーティ製には及ばない。

PhotographyBlog

  • NIKKOR Zのレンズ3本は全て同サイズとなっている。このため同時に発売されたNIKKO Z 35mm F1.8 Sは24-70mm F4と同じサイズだ。
  • ミラーレス用の単焦点としては大きいレンズだが、広角F1.8と考えると比較的軽量だ。一眼レフ用のAF-S 35mm F1.8Gよりも僅かに重い。
  • ビルドクオリティは優れており、Nikon Z 7と組み合わせた時のバランスは取れている。片手でも操作可能だ。
  • マニュアルフォーカスリングはレンズ鏡筒の大部分を占めている。グリップしやすく、動作は緩すぎず硬すぎず絶妙だ。
  • 電子制御のフォーカスリングであるため両端にハードストップは存在しない。カメラの設定次第は露出補正や絞り値の設定が可能だ。
  • オートフォーカスは高速で静かだ。動画撮影にも適している。
  • 色収差の発生は極僅かで見つけるのがとても難しい程だ。
  • 周辺減光は目立つが、Fマウント用レンズと比べて遥かに目立たない優れたパフォーマンスだ。
  • 歪曲は最小限に抑えられている。
  • ボケは滑らかでクリーミーな描写だ。
  • 中央解像はF1.8からvery goodで、絞り値全域で見事なシャープさを発揮する。F11で細かくチェックすると少しソフトとなり、F16でさらにソフトとなる。
  • 周辺解像もvery goodだがベストな結果はF8-F11の間である。

Nikon Z 7との組み合わせは素晴らしい。シャープさと心地よいボケが組み合わさり、ポートレートや被写体分離に向いている。決して小さなレンズでは無いが、Z 7と組み合わせたシステムサイズはストリートフォトに向いている。

NIKKOR Z 35mm F1.8のテスト結果を考えると年末に登場するNIKKOR Z 50mm F1.8 Sが待ちきれない。

Photoreview

  • このレンズは大きく重いが、マグネシウム合金で主に構成された鏡筒を考慮するとまだ軽い。
  • 付属のレンズフードはポリカーボネートプラスチックである。
  • 製造国は中国だ。
  • 45mm幅のフォーカスリングは電子制御のため両端にハードストップは無い。カメラ側の設定次第で露出補正や絞り値の調整に使うことが出来る。
  • Imatestを使った解像性能は一流を示すものであった。JPEG出力の解像度は4540万画素センサーから予想される結果を上回る驚異的な結果だ。最良の結果はF2.8-F4の間だが、F11-F16で回折による低下までの減少は僅かだ。解像性能は絞り値全域に渡り高水準を維持している。
  • 倍率色収差はRAWファイルからもほとんど検出できなかった。
  • 周辺減光と歪曲は自動補正されるため、RAWファイルを分析する必要があった。この結果、周辺減光は絞り開放で見られるものの、F2.5では解消する。歪曲はほとんど存在しないが糸巻き型だ。
  • 明るく強い光源がフレーム内、外にあったとしてもフレア・ゴーストは僅かで逆光耐性は良好だ。
  • ボケは魅力的だが玉ボケの縁取りがやや見られた。これはF4まで絞ると顕著になる。
  • 比較対象となるAF-Sレンズはレビューしていないが、2015年にレビューしたSP35mm F1.8 Di VC USDよりも優れている。

Lesnumerique

  • 鏡筒の評価はとてもシンプルだ。とても頑丈で信頼性がある。デザインの仕上がりは実にエレガントだ。
  • フォーカスリングのグリップ性や滑らかさは非の打ちどころがない。
  • 370g、86mmの全長はZ 7と組み合わせてた時にバランスが取れている。FE35mm F1.4や35mm F1.4 DG HSMよりも小さいが、AF-S 35mm F1.8Gと比べて特に小さいと言う訳ではない。
  • 中央フレームの絞り開放はシャープネスが低い。改善するためには少し絞る必要がある。レンズのポテンシャルが発揮されるのはF2.8以降であり、F2からパフォーマンスが伸び始めるのは少し残念だ。
  • 四隅の絞り開放はさらに甘いがピークのパフォーマンスはZ 7の4500万画素を持ってしても優れている。フレーム全体で一貫したパフォーマンスとなるのはF5.6-F11の間だ。回折の影響はあるが最小絞りまで実用的である。
  • 光学補正が適用されていると歪曲の兆候は無い。
  • 周辺減光は絞り海部で目立つ。4段階の自動補正を適用可能だが、F2.8まで絞ると急速に減少し、F4で無視できる程度となる。
  • 玉ボケは絞り開放の四隅で猫目状に変形し、玉ねぎボケの兆候が見られる。
  • 大口径とZ 7の手振れ補正により低照度のパフォーマンスが高い。
  • オートフォーカスは静かでとても高速だ。欠点があるとすればレンズと言うよりZ 7の問題だろう。

強み:良好なビルドクオリティ・優れた光学性能・防塵防滴・静かで高速なAF

弱み:古い35mmと比べてサイズの利点が無い・光学性能のピークがF2.8以降

NIKKOR Z 35mm F1.8 Sは使って楽しい優れたレンズだ。S-lineに相応しく、欠点を指摘するのは難しい。

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