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タムロン 20-40mm F/2.8 Di III VXD レビューVol.3 解像チャート編

タムロン「20-40mm F/2.8 Di III VXD」のレビュー第三弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使い、α7R IVと組み合わせた際の近距離解像性能をチェック。

20-40mm F/2.8 Di III VXDのレビュー一覧

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:ILCE-7RM4
  • 交換レンズ:20-40mm F2.8 Di III VXD
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

20mm

テスト結果

中央は絞り開放から解像チャートで測定できる上限に到達。非常に良好なパフォーマンスを発揮し、回折の影響が強くなるF8付近まで同様の結果が続きます。F11以降は回折の影響で徐々に性能が低下しますが、F22の最小絞りでも良好な結果を期待できます。

周辺部は中央と比べるとF2.8の性能が低下するものの非常に良好。さらに、F4まで絞ると中央と同程度の優れた結果を発揮します。隅は周辺部と比べるとワンランク低い画質で、絞り開放のみややソフトな結果となるので注意が必要。全体的なピークはF8周辺で、広角20mmの近接解像テストとしては優れた性能と言えるでしょう。

注意点として、近接時は像面湾曲が強く、フラットな被写体を正面から撮影する場合は全体にピントが合いません。ピントを合わせた箇所はシャープですが、パンフォーカスを狙う場合は強めに絞る必要があります

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 4623 3711 1747
F4.0 4642 4683 3486
F5.6 4623 4804 3980
F8.0 4623 4770 4121
F11 4508 4197 3856
F16 3895 3746 3334
F22 3050 2917 2638

実写確認

24mm

テスト結果

20mmと同じくF2.8から非常に良好。特に周辺部も中央と同程度のパフォーマンスを発揮し、隅は20mmと比べると実用的な画質がF2.8から得られます。F5.6以降は均質性も非常に高く、フレーム全域で単焦点レベルの解像性能を発揮。ただし、20mmと同じく像面湾曲が強いので、実写ではピントの山が外れて少しソフトに写る領域があるかもしれません。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 4700 4457 2947
F4.0 4719 4822 3971
F5.6 4739 4804 4492
F8.0 4739 4842 4457
F11 4705 4371 4352
F16 4075 3975 3529
F22 3069 3287 2759

実写確認

28mm

テスト結果

中央から周辺部はF2.8から解像チャートの上限に突き当たるほど優れた性能を発揮。隅もF2.8から良好な画質を期待できます。F2.8のコンパクトなズームレンズとしては驚異的なパフォーマンス。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 4819 4784 3467
F4.0 4819 4804 4199
F5.6 4819 4804 4667
F8.0 4819 4845 4683
F11 4784 4405 3838
F16 3983 3780 3694
F22 3297 3138 2843

実写確認

35mm

テスト結果

中間域を超えると、周辺部や隅の性能が低下傾向となります。周辺部はF2.8における解像性能が低下し、隅は絞っても大きく改善しません(良好な状態ではありますが)。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 4737 4138 3366
F4.0 4804 4708 3213
F5.6 4819 4744 3953
F8.0 4860 4558 3853
F11 4440 4525 3953
F16 4006 3869 3544
F22 2860 3103 2765

実写確認

40mm

テスト結果

40mmは最もパフォーマンスが低下するポイント。中央は依然として良好な結果を維持していますが、周辺部や隅のパフォーマンスがストンと低下。それでもF5.6-8まで絞ると改善するので、風景撮影など絞れるシーンでは特に問題を感じないはず。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.8 4851 2990 2562
F4.0 4905 4019 2765
F5.6 4905 4285 2697
F8.0 4923 4801 3966
F11 4420 4354 3901
F16 4006 3838 3512
F22 3120 2973 2798

実写確認

今回のまとめ

像面湾曲と望遠側の開放付近を使った周辺~隅に気を付けて使えば、非常に解像性能の高いレンズです。像面湾曲が強いので接写時にパンフォーカスを得るためにはかなり絞る必要があるものの、ピント合わせたい場合、大部分の状況でシャープな結果を期待できます。小型軽量で20mmをカバーするレンズと考えるとコストパフォーマンスは非常に良好。

像面湾曲は強いものの、近距離でフラットな被写体を真正面から撮影する機会は少ないはず。実写で特に問題と感じることはありません。40mm以外はF2.8から広い範囲でシャープな結果を得ることができる、優れた大口径ズームレンズです。

35-40mmでも中央はF2.8から良好な解像性能が得られます。ただし、広角・中間域と比べるとコントラストの低下が目に付くので、パンチのある描写が必要であれば、少し絞って撮影したほうが良いかもしれません。

購入早見表

20-40mm F/2.8 Di III VXD
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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