このページではソニー「FE 24-105mm F4 G OSS」のレビュー第二弾を公開。今回は6100万画素のα7R IVと組み合わせて恒例の撮影地点から遠景解像性能をチェックしています。
FE 24-105mm F4 G OSS レビュー 一覧
- FE 24-105mm F4 G OSS レンズレビュー 完全版
- FE 24-105mm F4 G OSS レンズレビュー Vol.6 ボケ編
- FE 24-105mm F4 G OSS レンズレビュー Vol.5 諸収差編
- FE 24-105mm F4 G OSS レンズレビュー Vol.4 周辺減光・逆光編
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.7 逆光編その2
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.6 外観・AF・手ぶれ補正編
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.5 歪曲収差編
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.4 逆光編
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.3 微ボケ編
- ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.2 遠景解像編
遠景解像力
テスト環境
- 撮影日:2021/12/10 晴天 微風
- カメラ:ILCE-7RM4 α7R IV
- 三脚:Leofoto LS-365C
- 雲台:Leofoto G4
- 露出:絞り優先AE ISO 100
- RAW現像:Adobe Lightroom Classic CC
・シャープネスオフ
・ノイズリダクションオフ
・レンズ補正オフ
24mm
非常にシャープな中央部に加えて周辺部まで十分シャープな解像性能を備えている。隅は絞ってもあまり改善しないが、6100万画素の等倍で見ない限り問題は無い。
中央
絞り開放から非常にシャープで、絞りよる改善は全く見られない。6100万画素のα7R IVでもF4からピークの解像性能である。現像ソフトのシャープネスやコントラストの強調が全く必要ないくらい。このため、回折の影響を受けやすく、F8で既にシャープネスの低下が見られる。
周辺
中央と比べるとコントラストが少し低下しているが、6100万画素でも絞り開放から十分なシャープな結果を得られる。F5.6まで絞るとコントラストの改善が見られるが、解像性能に大きな変化は無い。F8まで絞ると回折の影響が見られ、以降は徐々にパフォーマンスが低下する。
四隅
コントラストは周辺部と変わらないが、解像性能は中央や周辺部と比べてワンランク低下する。とは言え非点収差の影響が目立たず、思いのほか安定している。絞っても解像性能に大きな変化は見られないが、F8まで絞ると僅かに安定しているように見える。F11以降で回折の影響が強くなる。
35mm
中央は24mmと同程度、周辺部や隅のパフォーマンスが向上しているように見える。このズームレンズにおけるスウィートスポット。
中央
基本的に24mmと同じ。絞り開放からピークの画質であり、絞っても解像性能・コントラストに改善は見られない。やはりF8以降で回折の影響が見られる。
周辺
24mmよりもコントラストに改善が見られる。絞っても解像性能・コントラストは大きく向上しないが、コントラストが少しだけ改善する。F8まで画質を維持し、F11以降で回折の影響が出始める。
四隅
24mmと比べて解像性能・コントラストが共に向上している。絞り開放からほとんどピークの画質だ。F5.6まで絞るとコントラストがピークを迎え、F8まで画質が維持される。
50mm
絞り開放のパフォーマンスが全体的に少し低下するが、大部分はF4から良好な画質に見える。
中央
全体的に見れば24mmや35mmと同程度の解像性能・コントラストだ。等倍でじっくり観察すると、わずかにコントラストが低下しており、F5.6まで絞ることで改善する。解像性能に大きな違いは見られない。F8以降で回折の影響を受ける傾向は従来通りだ。
周辺
35mmと比べるとパフォーマンスが低下しているようにも見えるが、基本的にはF4から非常に良好な画質だ。F5.6まで絞ると解像性能とコントラストがどちらも改善する。F8まで絞ると回折の影響が出始めるので、ピークはF5.6だと思われる。
四隅
35mmと比べると非点収差のような流れが僅かに発生している。それでもフレーム隅の画質としては十分良好だ。絞るとコントラストが改善し、非点収差の影響も抑えられているように見える。F8まで絞っても大きく改善しないが、画質のピークはF8のようだ。
70mm
中央は以前として良好だが、周辺部から隅にかけて画質が低下している。
中央
広角側と比べると細部のコントラストが若干低いように見える。それでも解像感に大きな変化は無く、非常に良好な画質であると言える。絞っても画質に大きな変化は無い。
周辺
絞り開放が少しソフトに見えるものの、F5.6まで絞ると改善し、画質のピークを迎える。F8まで絞ると回折の影響が発生している。
四隅
絞り開放の画質は明らかにワンランク低下している。F5.6まで絞ると大きく改善するので、風景撮影ではF5..6~F8がおススメだ。F11でも問題無く使えるが、中央や周辺部の画質は低下し始めている。
105mm
基本的には70mmと同じ傾向が続く。隅がソフトな描写だが、全体的に見るとF4ズームとしては健闘しているように見える。
中央
コントラストが僅かに低いものの、良好な解像性能を維持している。絞ると少し改善するが、同じ被写体を撮り比べない限りハッキリとしない画質差だ。これまでと同じくF8まで絞ると回折の影響を受ける。
周辺
F4ズームの望遠端における周辺部と考えると十分良好な解像性能だ。絞り開放からまずまず良好な解像性能・コントラストを発揮し、F5.6まで絞るとどちらも向上する。F8で回折の影響を受け、徐々にパフォーマンスは低下する。
四隅
中央や周辺と比べると少し低コントラストだが、解像性能は良好である。F5.6まで絞ると細部の描写に改善が見られ、F8でピークとなる。F11まで絞ると画質が低下し始めるので絞り過ぎには気を付けたい。
まとめ
望遠側でパフォーマンスの低下が見られるものの、非常に安定した結果を得ることができる24-105mm F4ズームレンズに仕上がっている。特に広角側は絞り開放から広い範囲でピークの結果を得ることができ、隅の性能が低下する標準~望遠域でも、少し絞れば満足のいく結果を得ることが出来る。ただし、周辺部から隅は絞っても大きく改善することは無いので、フレーム全体の均質性で過信は禁物(均質性は35~50mmあたりがピーク)。
少なくともキヤノンのRF24-105mm F4 L IS USMよりも望遠側の倍率色収差がはるかに少なく、わずかな後処理と絞りで良好な結果を期待できる。(訂正:カメラ出力のJPEGを確認すると倍率色収差が発生していた。おそらくRAW出力時かRAW現像時に「オフ」にできない補正が適用されているのだと思う)
単焦点レンズと比べると周辺部や隅の解像性能は見劣りすると思うが、2400万画素~3000万画素くらいであればズーム全域で気兼ねなく使うことが出来ると思う。
個人的に6100万画素でも十分満足のいく結果が得られると思うが、センサーの解像性能を最大限に活かすのであれば単焦点レンズや最新のショートズームレンズ(24-70mm F2.8など)に分がある。このレンズは歪曲収差が強めに残っており、内蔵している補正プロファイルが強制的に適用される。その補正時にフレーム隅が引き延ばされてしまう。隅の端まで高画質を求めるのであれば注意したいポイントだ。
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作例
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