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ソニー FE 50mm F1.4 GM レンズレビュー Vol.1 外観・操作・AF編

このページではソニー「FE 50mm F1.4 GM」のレビューを掲載しています。今回はレンズの外観や操作性、カメラに装着してAF/MFの使いやすさなどを確認しています。

FE 50mm F1.4 GMのレビュー一覧

まえがき

2023年4月発売のソニーEマウント用標準大口径レンズ。F1.4 GMレンズとしては85mm・24mm・35mmに次いで4本目。標準大口径レンズは2021年に「FE 50mm F1.2 GM」が登場していることから、F1.4 GMの登場は無いだろうと予想していた人が多いはず。しかし、ソニーは大方の予想に反して短期間のうちに2本目の大口径標準レンズを投入。比較して小型軽量、安価な選択肢となっているので、F1.2 GMに食指が伸びなかった人にとって面白い選択肢となるかもしれません。

概要
レンズの仕様
発売日 2023年4月21日 初値 186,120円
マウント E 最短撮影距離 0.41m
フォーマット フルサイズ 最大撮影倍率 0.16倍
焦点距離 50mm フィルター径 67mm
レンズ構成 11群14枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F1.4 テレコン -
最小絞り F16 コーティング NanoAR II
絞り羽根 11枚
サイズ・重量など
サイズ φ80.6×96mm 防塵防滴 対応
重量 516g AF XDリニア
その他 絞りリング・AFL×2
付属品
レンズフード・レンズケース・キャップ

特筆すべきはレンズサイズ。F1.2 GMはもとより、F1.4 ZAと比べても小型軽量なレンズに仕上がっています。携帯性の良いα7シリーズと相性が良さそうなレンズですね。小型化しているにも関わらず、AFLボタンを2か所に搭載し、絞りリングはAポジションのロックやデクリック機能に対応。さらにAFはXDリニアモーターによる高速化を実現。小型軽量化と同時に高機能・高性能なレンズに仕上がっています。

価格のチェック

売り出し価格は18.6万円。F1.4 GMとしては予想の範囲内で、高くも安くもない印象。少し前であれば競合レンズも少なく、必要であれば選ばざるを得なかったかもしれません。しかし、現在はより低価格でバランスの良いシグマ「50mm F1.4 DG DN」や、ソニーよりも携帯性の良いサムヤン「AF 50mm F1.4 II FE」など選択肢が増えています。それにも関わらず、敢えて高価なソニーを選ぶとしたらどのようなポイントになるのか?今後のレビューでチェックしていきたいと思います。

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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

ソニーらしい黒とインターナショナルオレンジを使用した従来通りのデザイン。レンズの焦点距離やF値を分かりやすく表示し、G Masterのロゴも確認することができます。

レンズ本体は緩衝材のかわりに付属のキャリングケースに収納。レンズフードやケース用のストラップもこの中に入っています。

レンズ本体のほか、フード、キャリングケース、ストラップ、説明書、保証書が付属。この価格帯のレンズにしっかりとしたケースが付属するのはソニーとシグマくらい。G Masterらしい高級感のある付属品だと思います。

外観

外装は全体的にプラスチック製で、質感が異なるのはゴム製フォーカスリングのみ。G Masterらしい実用性を重視したデザインで、金属外装を採用したZAシリーズと比べると質感は劣ります。とは言え、堅牢さに不安はなく、しっかりとした作り。

G Masterのバッヂとレンズロゴは凹凸のあるしっかりとした加工。他の表示は全て加工なしのプリントです。シリアルナンバーがシールではないので脱落する可能性は低い。製造国は中国。

ハンズオン

全長96mm、重量516g。最新設計の50mm F1.4としては小型軽量で、これ以上の携帯性を実現しているのはサムヤン「AF 50mm F1.4 II FE」のみ。しっかりとした防塵防滴、豊富なコントロールなどを考慮すると、驚くほどコンパクトにまとまっています。

前玉・後玉

レンズ前面はフッ素コーティングに対応。水滴や油汚れに強く、メンテナンスが容易。物理的なダメージが想定される場合は保護フィルターを装着すべきですが、水滴程度であれば装着する必要性は低そう。フィルター径は50mm F1.4としてはコンパクトな67mmを採用。このフィルター径に対応するレンズは数多く、C-PL・NDなどを揃えると使いやすくなりそう。

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金属製レンズマウントは4本のビスで固定。周囲は防塵防滴用のシーリングあり。カメラへの装着はきつ過ぎず、緩すぎず。最後尾のレンズはマウント付近で固定されているように見えます。

フォーカスリング

ゴム製の滑らかに回転するフォーカスリングを搭載。ただし、抵抗感はほとんどなく、個人的には「ゆるゆる」と感じます。リニアレスポンスで再現性が良好。ピント全域のストロークは135-180度くらい。

絞りリング

マウント付近にはプラスチック製の絞りリングを搭載。フォーカスリングと異なり抵抗が強く誤操作の可能性は低い。回転には少し力が必要ですが、しっかりとグリップすることができるので回しづらいと感じることはありません。右側面にはクリック感を解除するスイッチあり。

スイッチ類

側面にはAF/MFスイッチと2か所のAFLボタンを搭載。操作性は従来通りで、特に問題はありません。

右側面には絞りリングのクリック・デクリックを設定できるスイッチと、絞りリングをAポジションで固定できるスイッチを搭載。絞りをカメラ側で操作したい場合はAポジションでロックしておくと良いでしょう。

レンズフード

プラスチック製の円筒型レンズフードが付属。先端には滑り止め用のゴムコーティングが施され、内面には反射防止用のマットブラックで塗装されています。逆さ付けに対応していますが、この際はフォーカスリングにアクセスすることができません。

レンズ本体に装着すると自動的に固定され、外す場合は側面のリリースボタンを操作する必要あり。

装着例

α7R IVに装着。50mm F1.4としてはコンパクトで、過度なフロントヘビーとならずバランス良好。片手での操作もなんとか可能。レンズフードを装着すると全長が伸びてしまいますが、収納時は逆さ付けにすることで問題なし。

AF・MF

フォーカススピード

2基のXDリニアモーターでフォーカスレンズを駆動。大口径レンズながら接写から無限遠まで快適なフォーカス速度を実現しています。パフォーマンスはAF-S・AF-Cで一定。積層型CMOSセンサー搭載モデルの高速連写にも対応。全く問題ありませんが、ライバルのシグマ「50mm F1.4 DG DN」は同じくリニアモーター駆動でより高速なフォーカス速度を実現しています。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

ご覧のように、最短撮影距離と無限遠で画角が大きく変化します。動画撮影で気になる場合は「ブリージング補正」に対応しているカメラで電子的に補正する必要あり。静止画では補正する手段がなく、特に周辺部を使ったAF時は注意が必要です。

精度

α7R IVとの組み合わせでAF精度に問題なし。低照度・低コントラストでも快適なピント合わせが可能でした。

MF

前述したように、フォーカスリングが緩すぎると感じるものの、ストロークが長いのでピントの微調整にも問題なく使うことが出来ました。

まとめ

強みとなるのはやはり携帯性。サムヤンに次ぐ小型軽量モデルながら、防塵防滴・高機能・高性能を実現しています。シグマのコストパフォーマンスを否定できないものの、携帯性を重視する場合は魅力的なレンズと言えるでしょう。携帯性の良いレンズは自然と使用頻度が高まり、シャッターチャンスも多くなるはず。

主なライバルはシグマ「50mm F1.4 DG DN」。携帯性こそソニー有利ですが、より手ごろな価格でソニーに近い光学性能を実現。さらにAF-C時のAF速度はソニーよりも良好に見え、コストパフォーマンスが良好。フォーカスブリージング補正や15fps以上の連写速度に対応できるのはソニー純正レンズのみですが、それらが必要ない人はシグマも要検討。

購入早見表

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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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