このページではソニーのミラーレス用交換レンズ「FE 50mm F1.8」のレビューを公開。連載1回目はα7 IIIに装着して近距離の解像力チャートテストを実施しています。
レンズのおさらい
特徴
- 公式商品ページ
- 2016年4月28日発売
- 初値:?29,116
- フルサイズ対応
- レンズ構成:5群6枚(非球面レンズ1枚)
- 絞り羽根:7枚円形絞り
- 最短撮影距離:0.45m
- 最大撮影倍率:0.14倍
- フィルター径:φ49mm
- 大きさ:最大径φ68.6mm、全長59.5mm
- 質量:約186g
- フォーカス駆動:DCモーター
- 防塵防滴:非対応
2016年に登場したリーズナブルなフルサイズ対応の標準単焦点レンズ。AF対応の「50mm F1.8」はEマウントで割と珍しく、45?55mmの単焦点レンズの中では今のところ最も安いモデルのはず。
「プラスチック外装」・「DCモーター駆動」・「前群繰り出し式フォーカスのシンプルなレンズ設計」といったポイントが安さの秘訣。他の無印F1.8レンズと比べると安っぽい外装に加え、フォーカス駆動はノイジーでやや低速。加えてシンプルなレンズ構成なので現代的なレンズと比べると光学性能にはいくらか欠点が見え隠れします。
妥協点はあるものの、価格を考慮すると許容範囲内。際立った光学性能や機能性を追求しなければコストパフォーマンス良好なレンズと感じるはず。
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撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:α7 III
- 交換レンズ:FE 50mm F1.8
- パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- α7 IIIのRAWファイルを使用
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイルオフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
メモ
- 中央:絞り開放から「3000」を超えるとても良好な解像性能。少し絞れば「3500」を超える性能となり、2400万画素のα7 IIIで簡単に解像限界を迎える。ピークの性能はF2からF11まで、それ以降は回折の影響でF16~F22と徐々に性能が低下する。
- 周辺:中央と比べるとやや甘く、絞り開放付近では良像と感じる「2500」を少し下回る。ただしF2.8まで絞るとシャープな画質となり、F4~F11で中央に近い非常にシャープな画質へ改善する。それ以降は回折の影響でF16~F22と徐々に性能が低下する。
- 四隅:基本的に周辺と同程度の画質。中央と比べるとやや甘く、絞り開放付近では良像と感じる「2500」を少し下回る。ただしF2.8まで絞るとシャープな画質となり、F4~F11で中央に近い非常にシャープな画質へ改善する。それ以降は回折の影響でF16~F22と徐々に性能が低下する。
絞り開放付近の周辺・四隅は少し甘いものの、シンプルなレンズ設計を考えるとまずまず安定した光学性能。
解像性能のピークはF5.6~F11となり、2400万画素のα7 IIIであれば四隅まで非常に良好な解像性能を発揮。
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F1.8 | 3040 | 2373 | 2296 |
F2.0 | 3584 | 2348 | 2400 |
F2.8 | 3689 | 2581 | 2633 |
F4 | 3584 | 3216 | 2847 |
F5.6 | 3637 | 3479 | 3242 |
F8 | 3742 | 3387 | 3268 |
F11 | 3490 | 3268 | 3280 |
F16 | 3153 | 3005 | 2900 |
F22 | 2529 | 2477 | 2400 |
FE28mm・FE35mmとの比較
メモ
解像チャートを使った際の安定感はFE28mmやFE35mmよりも良好。F2.8?F4で全体的に良像を確保できるのでボケと両立させやすい。
EF50mm F1.8 STMとの比較
メモ
カメラの解像性能に差があるものの、レンズの基本的な傾向はほぼ同じ。ただしEF50mm F1.8 STMの中央解像は絞り開放で少し甘く、F2.8~F4まで絞る必要がある。
AF45mm F1.8との比較
メモ
比較して凝ったレンズ設計の「AF45mm F1.8 FE」は絞り開放から非常に良好な解像性能を発揮。価格はFE50mm F1.8と比べて1万円ほど高くなってしまうものの、予算に問題が無ければサムヤンがおススメ。
解像力テストの雑感
満足度:90点
「思っていたより良い」と言うのが正直なところ。
絞り開放から中央は非常にシャープ。開放の周辺・四隅は少し甘さを感じるものの、少し絞れば実用的な解像性能を発揮。ボケと両立しやすく、エントリー向け単焦点としてはかなり使いやすいレンズと言えるでしょう。α7 IIIと一緒に「初めての単焦点レンズ」として買い揃えるには良いレンズ。
現状、手ごろな価格設定のAF対応標準単焦点レンズは「FE 50mm F1.8」「45mm F2.8 DG DN」「AF45mm F1.8 FE」の3本。F2.8でも良いのであれば45mm F2.8が全体的にハイクオリティ、光学性能とレンズの明るさを重視すると45mm F1.8、価格重視ならFE50mm F1.8をチョイスしたい。
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