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オリンパス M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO&MC-14・MC-20 解像性能レビュー

このページではオリンパスのマイクロフォーサーズ用交換レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」とテレコンバージョンレンズ「MC-14」「MC-20」の解像力テスト結果とレビューを公開しています。

M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO 解像性能 検証

撮影環境

イメージ図です。マイクロフォーサーズのRAWアスペクト比は「4:3」であり、測定時は4:3に合わせてフレーミングしています。このため、「3:2」イメージセンサーよりも四隅領域の判定が厳しめとなる傾向があります

テスト環境

  • カメラボディ:OM-D E-M1X
  • 交換レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
    ・M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14
    ・M.ZUIKO DIGITAL 2.0x Teleconverter MC-20
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • OM-D E-M1XのRAWファイルを使用
  • ISO 64 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
    ・格納されたレンズプロファイル適用(外せない)
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。実際、今回のテストではMC-20装着時のカメラ初期設定JPEGでテスト環境以上の数値が出ています。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

焦点距離別の評価

40mm

このズームレンズで最も甘い焦点距離。と言っても中央解像は全く問題無く、パフォーマンスが高い150mmと同水準です。

問題は周辺部(像高5割)から四隅にかけて。この領域はズームレンジ全体で最も甘く、特にF2.8~F4.0はテレコンを装着した状態の210mmや300mmよりも悪い。幸いにもF5.6まで絞ると大きく改善し、150mmに近いパフォーマンスを発揮します。

風景撮影などパンフォーカスで解像性能を求める場合はF5.6?F8を使うと良い感じ。F11以降は回折でグッと甘くなるので避けるのが良し。

40mm
F値 中央 周辺部 四隅
F2.8 2933 2173 1788
F4 3162 2599 2280
F5.6 3134 3291 2727
F8 3051 2971 2727
F11 2857 2545 2569
F16 2304 2226 2123
F22 1756 1693 1650

70mm

全体的に40mmより良好ですが、望遠側と比べると周辺部や四隅がやや甘め。ただ、四隅のパフォーマンスが安定しているので絞り開放から問題無く利用可能。

絞っても解像性能はあまり向上しません。

70mm
F値 中央 周辺部 四隅
F2.8 3164 2554 2469
F4 3309 2983 2919
F5.6 3367 3040 2976
F8 3396 3004 2919
F11 2730 2413 2751
F16 2412 2357 2301
F22 1785 1728 1710

100mm

このあたりから150mmまでがこのレンズのピーク。絞り開放から非常に高解像で周辺部や四隅も全く見劣りしない立派な性能と言えるでしょう。

F2.8?F8までは解像性能の変動が小さいので被写界深度の調整を意識して使えばOK。F11?F16でも40mm F2.8の四隅よりはマシ。F22は全体的に甘くなるので基本的には避けたい絞り値。

100mm
F値 中央 周辺部 四隅
F2.8 2899 2971 2625
F4 3276 3249 3168
F5.6 3115 3411 2945
F8 3115 3303 2918
F11 2683 2813 2656
F16 2413 2279 2305
F22 1711 1747 1729

150mm

このレンズでパフォーマンスがピークとなる焦点距離。

絞り開放からトップスピードで、F8までは一貫したパフォーマンスを得ることが出来ます。35mm換算で300mmの画角を持つズームレンズでピークが望遠端と言うのは理想的。スポーツにも風景にも使うことが出来ます。

150mm
F値 中央 周辺部 四隅
F2.8 3369 2996 2824
F4 3398 2718 2802
F5.6 3218 3107 3134
F8 3051 3107 2829
F11 2863 2802 2663
F16 2331 2302 2275
F22 1748 1720 1784

210mm

中央領域はマスターレンズ単体よりも少し悪く、F5.6?F8まで絞ると良好なパフォーマンスとなります。F11~F22は他の焦点距離とほぼ同じ。

周辺部や四隅は40mm F2.8よりも解像性能が高いものの、絞ってもあまり改善しません。

×1.4テレコンバージョンレンズとしては一般的な性能で、マスターレンズ150mm時の性能に助けられている印象があります。悪い性能ではありませんが、テレコンの性質を考えると×2.0のほうがおススメ。

210mm
F値 中央 周辺部 四隅
F2.8
F4 2722 2216 2694
F5.6 2948 2385 2582
F8 3369 2582 2718
F11 2807 2638 2497
F16 2216 2244 2076
F22 1794 1748 1766

300mm

驚いたことに2倍テレコン装着時でも中央解像はマスターレンズのF5.6とほぼ同等。絞る必要は一切ありません。

周辺部も健闘しており、MC-14装着時よりも良好な結果。ただし、マスターレンズをF5.6-F8まで絞った時ほど安定はしていません。

四隅は40mm時にF4まで絞った時の解像性能と似ています。必要最低限と言ったところで、絞っても改善することはありません。パンフォーカスの風景撮影用300mmとして使うには力不足かも。

四隅までキッチリ解像する300mmが欲しいのであれば、財布のひもを緩めて「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」を買うべき。

300mm
F値 中央 周辺部 四隅
F2.8
F4
F5.6 3042 2769 2197
F8 2913 2714 2008
F11 2687 2413 1981
F16 2057 2251 2089
F22 1756 1756 1603

領域別の評価

中央領域

ご覧のように、中央領域はズームレンジ全域、テレコンバージョンレンズを装着した状態でも一貫した性能を維持しています。素晴らしい使い勝手。

敢えて言えば絞り開放の210mmが少しだけ甘い。

周辺領域

中央領域と比べると差がハッキリと現れます。

特に40mmの絞り開放やMC-14装着時がやや甘く、風景撮影ならどちらも2段ほど絞りたいところ。

四隅領域

さらにウィークポイントが明らかとなり、40mmの絞り開放やMC-20装着時に絞り値全域で解像性能が伸び悩みます。

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ハイレゾショット

各焦点距離

驚くべきはマスターレンズの150mm。

中央解像は4500万画素のフルサイズミラーレス「Nikon Z 7」に単焦点レンズ「NIKKOR Z 50mm F1.8 S」を装着した時のパフォーマンスに匹敵します。絞り開放から非常に高い解像性能が得られるため、E-M1Xの「手持ちハイレゾショット」と相性が良いはず。さらにカメラ出力のJPEGを使用すると解像チャートの解像限界に達するハイパフォーマンス。周辺・四隅は中央ほどでは無いものの、F5.6まで絞ると高い解像性能を発揮します。

MC-14装着時でもハイレゾショットの恩恵は受ける模様。ただし、マスターレンズほど劇的に伸びる訳ではないので、ハイレゾショットの労力とリスクを考えると魅力的では無いかも。

MC-20装着時はハイレゾショットによる伸びしろが極僅か。低ノイズ化、高ダイナミックレンジ化と言った観点でメリットはあるものの、解像度の向上は期待しないほうが良いでしょう。ただし、カメラ出力JPEG5000万画素の画像データを数値化すると、中央解像が4,700を超える高い数値を記録しています。

領域比較

マイクロフォーサーズユーザーならおススメのレンズ

レンズサイズは大きいものの、これを許容できるボディを持っているのであればおススメの一本。

ズームレンジ全域で抜群の中央解像を備え、望遠側にウェイトを置いた光学性能がとても使いやすい。お陰様でテレコンバージョンレンズ装着時も(ある程度)光学性能が維持され、汎用性を高めています。

解像性能もさることながら、高い接写性能や相性の良いテレコンバージョンレンズ、防塵防滴仕様、超速AFなどなど、どれをとってもハイパフォーマンスなレンズ。これで新品14万円前後、中古で10万円前後なのだから文句ナシ。

敢えて言えば光学手ぶれ補正が搭載されていないため、ボディ内手ぶれ補正の効き目が弱かったり、そもそも手ぶれ補正が入っていない機種では使い辛いと思われます。特にテレコン装着時はボディ内手ぶれ補正を持ってしてもファインダー像の安定が難しい。

今回使用した機材

M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
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M.ZUIKO ED 40-150mm F2.8 PRO 1.4x テレコンキット
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M.ZUIKO DIGITAL 1.4x Teleconverter MC-14
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M.ZUIKO DIGITAL 2.0x Teleconverter MC-20
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レンズフード LH-76
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