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RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM 徹底レビューVol.6 ボケ編

キヤノン「RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」のレビュー第六弾を公開。今回は前後のボケ質差や玉ボケの形状と絞り羽根の影響、撮影距離を変化した場合のボケ質などをチェックしています。

RF15-30mm F4.5-6.3 IS STMのレビュー一覧

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがち。個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくないと感じる。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人がいてもおかしくない。
参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルを以下に示す。

描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によって変化し、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向がある。
特殊な方法として「アポダイゼーション光学素子」などを使って強制的に滑らかなボケ描写を実現しているレンズも存在する。

実写で確認

軸上色収差のテスト結果からも分かるように、少なくとも接写時は後ボケが柔らかい描写となり、前ボケがやや硬調。広角ズームで前ボケがフレームに入る機会が少ないことを考えると、後ボケ寄りのボケ描写は肯定的に評価できるポイントだ。軸上色収差の影響もほとんど目立たないので、広角レンズとしては滑らかで柔らかい描写である。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

ここで言う「口径食」とはレンズ口径がボケへ影響していることを指す。
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまったりする。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法が無い。しかし、絞ると羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じてF値を変化させる必要あり。

逆に口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが出来る。これは玉ボケに限った話ではなく、一般的な四隅のボケ描写の質感にも繋がる。口径食が強いと、ボケが小さく感じたり、場合によってはボケが荒れてしまう場合もある。
できれば口径食の小さいレンズが好ましいが、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要がある。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生する(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまう。

15mm

小型軽量な広角レンズとしては口径食が目立たない点は評価できる。その一方で、コントラストが高い状況では倍率色収差の影響が非常に目立つ。色収差補正で回避できる場合もあると思うが、強めの縁取りには気を付けておいた方が良いだろう。とは言え、15mmでこれほど大きな玉ボケを得るためには被写体にかなり近寄る必要がある。

20mm

15mmとは打って変わって最短撮影距離が長くなるため、玉ボケを大きくしようとしてもこれが限界となる。玉ボケは大きくないし、お世辞にも綺麗とは言えない。とは言え、15mmほど倍率色収差の影響は目立たず、絞り開放から悪目立ちする要素はほとんど無い。

24mm

基本的に20mmと同じ傾向が続く。決して強みと言えるボケでは無いが、悪目立ちすることは無い。

30mm

20mmや24mmと比べて焦点距離が長く、F値が大きいものの玉ボケは少し大きくなる。口径食は目立たず、ボケの縁取りが悪目立ちすることもない。手ごろな価格の広角レンズとしては評価できる描写だ。

ボケ実写

15mm

玉ボケのテストでは倍率色収差が目立ったものの、一般的な実写テストではそこまで大きな問題とはならないように見える。ピント面直後のボケは滑らかで柔らかい描写となり、玉ボケの縁取りは目立たない。広角15mmの小口径レンズとしてはなかなか良い感じだ。

撮影距離が長くなることで、当然ながらボケが小さくなる。この場合、周辺部のボケが少し騒がしく見えるが、ボケが小さいので結果的に悪目立ちすることは少ないと思われる。

30mm

広角ズーム30mm F6.3のボケとしては滑らかで綺麗な描写だ。玉ボケの内側に若干のムラが見え隠れするものの、手ごろな価格の単焦点レンズと見比べても悪くない結果のように感じる。ピント面から背景へのグラデーションも滑らかで綺麗である。

15mmと同じく撮影距離が長くなると後ボケは少し騒がしくなる。と言ってもボケの縁取りは強く無く、口径食や色収差の影響も抑えられている。安価な広角ズームとしては十分なパフォーマンスのボケ描写に見える。これと言って指摘するポイントは無い。

撮影距離

全高170cmの三脚を人物に見立て、30mm F6.3で撮影距離を変えながら作例を撮った写真が以下の4枚だ。

当然ながら全身をフレームに入れると被写体を背景から分離するのは非常に難しい。上半身でもボケ量は不十分で、バストアップでなんとか分離できるように見える。顔のクローズアップであれば十分なボケ量と言えるが、被写体との距離が近すぎるのでライティングが難しいと思われる。

まとめ

「広角ズームとしては」と付ける必要はあるものの、価格やサイズ、開放F値を考慮すると肯定的な評価ができるボケ描写だ。特に接写時は後ボケが滑らかで柔らかい描写となり、色収差や2線ボケの影響が目立たない使い勝手の良いボケ質が得られる。

大口径ズームでは無いのでボケ量は非常に限定的だ。ポートレートのように大きな被写体でボケを得るのは難しい。しかし、このレンズの接写性能の高さを活かすことで15mmでもボケを大きくすることが出来るのは強みと言える。接写時のボケは滑らかで思ったよりも綺麗に見える。もちろん、被写体にかなり近寄る必要があるので、強めのパースやライティングなどの問題をクリアする必要がある。

購入早見表

RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM
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作例

オリジナルデータはFlickrにて公開

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