キヤノン「RF24mm F1.8 MACRO IS STM」のレビュー第三弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使い、EOS R5と組み合わせた際の近距離解像性能をチェック。
RF24mm F1.8 MACRO IS STMのレビュー一覧
- キヤノン RF24mm F1.8 MACRO IS STM 徹底レビュー 完全版
- RF24mm F1.8 MACRO IS STM 徹底レビューVol.6 周辺減光・逆光編
- RF24mm F1.8 MACRO IS STM 徹底レビューVol.5 諸収差編
- RF24mm F1.8 MACRO IS STM 徹底レビューVol.4 ボケ編
- RF24mm F1.8 MACRO IS STM 徹底レビューVol.3 解像チャート編
- RF24mm F1.8 MACRO IS STM 徹底レビューVol.2 遠景解像編
- RF24mm F1.8 MACRO IS STM 徹底レビューVol.1 外観・操作・AF編
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:EOS R5
- 交換レンズ:RF24mm F1.8 MACRO IS STM
- パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」
- オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- 露出 18%グレーで適正露出を固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・レンズプロファイルオフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
24mmで定型の解像力チャートを撮影するためには撮影距離をかなり短くする必要がある。一般的に、レンズの性能は無限遠側で最高のパフォーマンスを発揮し、近接時は収差変動などでパフォーマンスが低下する傾向がある。このため、広角レンズと解像力チャートの相性が悪い。
にも関わらず、この24mm F1.8は絞り開放から隅まで非常に良好な結果である。広角レンズとしては驚くべき性能だ。
中央
中央は絞り開放から以上にシャープだ。僅かに残存する軸上色収差はF2.8まで絞るとほぼ完璧に抑えることが出来る。F2.8でパフォーマンスはピークを迎え、F8まで同水準の結果を維持している。F11以降は回折の影響で徐々に低下するものの、それでもF16までは立派な性能だ。
周辺
中央と比べると僅かにソフトとなるが、かなり細かくチェックしないと分からない程度の画質低下だ。基本的には中央と同水準と考えて問題ない。F2.8まで絞ると数値上も中央と同等のパフォーマンスを発揮するようになる。以降は中央と同じくピークを維持し、F11以降で低下する。
隅
周辺減光は強くなるが、基本的には絞り開放から周辺部と同程度のパフォーマンスを維持している。コントラストが少し低下して見えるものの、F2.8まで絞ると劇的に改善する。絞れば中央と遜色のない解像性能だ。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F1.8 | 4254 | 3798 | 4038 |
F2.0 | 4330 | 3754 | 3844 |
F2.8 | 4560 | 4433 | 4474 |
F4.0 | 4581 | 4920 | 4425 |
F5.6 | 4581 | 4549 | 4567 |
F8.0 | 4562 | 4456 | 4542 |
F11 | 4406 | 4348 | 4038 |
F16 | 3738 | 3644 | 3626 |
F22 | 2948 | 2918 | 2730 |
実写確認
まとめ
レンズ名に「MACRO」と冠しているだけあって接写に強い光学性能だ。周辺部が像面湾曲や収差変動で使い物にならなくなるナンチャッテマクロでは無く、周辺部や隅まで立派な光学性能だ。隅に向かって多少のコントラスト低下や周辺減光は見られるものの、解像性能を考えると妥協できる欠点だと感じる。
敢えて言えば軸上色収差の補正が完璧ではないため(F1.8レンズで色収差の補正が完璧なレンズは少ない)、輝度差が大きなシチュエーションでは色ずれが少し目立つかもしれない。それでも解像性能はフレームの大部分が非常にシャープなので、安心して利用することが出来るはずだ。
遠景では画角が広くなり、四隅に多少の画質低下が見られるものの、基本的にはチャートテストと似たような結果を得ることが出来る。繰り出し式のフォーカスは少し気になるが、個人的にはお気に入りの一本である。
購入早見表
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