キヤノン「RF28-70mm F2.8 IS STM」のレビュー第三弾 解像チャートを公開。中央はズーム全域で非常にシャープですが、周辺や隅は近距離で性能が大幅に低下する模様。
本日のまとめ
遠景ではズーム全域で一貫性のある安定した結果が得られましたが、撮影距離が近い場合は全体的にフレーム周辺や隅のパフォーマンスが低下するようです。近距離で周辺や隅の性能を気にする撮影は多くないと思いますが、そのような撮影が多いのであれば別の選択肢も要検討。開放F値は大幅に大きくなりますが「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」は小型軽量で安定した結果を得ることができます。
In the background, consistent and stable results were obtained across the entire zoom range, but when the shooting distance was close, the performance of the entire frame and corners seemed to deteriorate. I don't think many people are concerned about the performance of the periphery and corners at close range, but if you are, you should consider other options. The maximum aperture is significantly larger, but the “RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM” is compact and lightweight, and you can get consistent results.
RF28-70mm F2.8 IS STMのレビュー一覧
- キヤノン RF28-70mm F2.8 IS STM レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編
- キヤノン RF28-70mm F2.8 IS STM レンズレビューVol.5 ボケ編
- キヤノン RF28-70mm F2.8 IS STM レンズレビューVol.4 諸収差編
- キヤノン RF28-70mm F2.8 IS STM レンズレビューVol.3 解像チャート編
- キヤノン RF28-70mm F2.8 IS STM レンズレビューVol.2 遠景解像編
- キヤノン RF28-70mm F2.8 IS STM レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:EOS R5 Mark II
- 交換レンズ:RF28-70mm F2.8 IS STM
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」 - オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 100 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ
・格納されたレンズプロファイル(外せない) - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
28mm
テスト結果
中央はF2.8から良好な性能ですが、周辺や隅は非常にソフト。良好な結果を得るにはかなり絞る必要があります。近距離や接写では収差が変動・性能低下しやすく、特に広角域を使ったクローズアップではよく見る傾向です。このレンズに限った話ではありません。遠景テストの結果が良好である点に留意。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F2.8 | 3814 | ||
F4.0 | 4675 | 2698 | |
F5.6 | 4556 | 2830 | |
F8.0 | 4348 | 3419 | 1947 |
F11 | 4197 | 3877 | 3017 |
F16 | 3699 | 3644 | 3142 |
F22 | 2978 | 3015 | 2919 |
実写確認
35mm
テスト結果
基本的には28mmと同じ傾向。ただし、周辺や隅は絞りにより改善しやすい。回折の影響こそあれ、F11まで絞ると中央に近い結果をフレーム全体で得ることが出来ます。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F2.8 | 4484 | ||
F4.0 | 4463 | 2757 | 2128 |
F5.6 | 4350 | 3307 | 2925 |
F8.0 | 4579 | 3442 | 3121 |
F11 | 4273 | 4241 | 4027 |
F16 | 3508 | 3709 | 3189 |
F22 | 2992 | 2930 | 2814 |
実写確認
50mm
テスト結果
中央は依然として良好で周辺や隅の性能は広角域よりも改善しています。F5.6まで絞るとフレーム隅までシャープな結果を得ることが可能。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F2.8 | 4569 | ||
F4.0 | 4735 | 3266 | 2262 |
F5.6 | 4802 | 4194 | 3390 |
F8.0 | 4802 | 4905 | 3563 |
F11 | 4186 | 3901 | 3804 |
F16 | 3725 | 3483 | 3422 |
F22 | 3253 | 3002 | 2780 |
実写確認
70mm
テスト結果
望遠端でも中央の性能に目立つ低下はありません。周辺や隅は”比較的”安定した結果を得ることが可能。ただし、満足のいく結果を得るにはF5.6くらいまで絞ったほうが良いでしょう。ベストを尽くすのであればF8-F11あたり。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F2.8 | 4311 | 2192 | |
F4.0 | 4983 | 2869 | 1863 |
F5.6 | 4961 | 4159 | 3133 |
F8.0 | 4677 | 4756 | 3101 |
F11 | 4338 | 4177 | 3896 |
F16 | 3674 | 3442 | 3257 |
F22 | 3098 | 3053 | 2832 |
実写確認
レンズ比較
RF24-105mm F4 L IS USM
中央に限って言えばRF28-70mm F2.8は非常に良好。しかし、特に広角側における近距離時の周辺や隅はRF24-105mm F4 Lが安定しており、大幅に優れています。50mm以降に大きな差は見られないものの、広角側で被写体に接近する場合はLシリーズ有利となります。(ただし、RF24-105mm F4 Lの広角側は最短撮影距離が長め)
RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
低価格・小型軽量・小口径のレンズですが、広角端から中央~隅まで一貫した性能が得られるレンズです。中央のピーク性能はイマイチですが、周辺や隅の安定した性能はRF28-70mm STMよりも良好。特にEOS R8など解像性能の高くないカメラと組み合わせるのに最適。
35mmや50mmの同じ絞り値ではRF28-70mm STMも健闘。中央の解像性能が高いぶん有利と言えるかもしれません。
まとめ
遠景ではズーム全域でフレーム周辺部まで安定した結果でしたが、撮影距離が近い場合は周辺や隅のパフォーマンスが低下。近距離で周辺や隅の性能を気にする撮影は多くないものの、重視する場合は別の選択肢も要検討。開放F値は大幅に大きくなりますが「RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM」は小型軽量で安定した解像性能。実写における近距離の撮影では被写体が中央付近に寄ることが多い。このような場合、本レンズの中央は全域で良好なパフォーマンスを発揮。今回のテスト結果を過度に心配する必要はありません。中央に限って言えば、24-50mm STMよりもズーム全域でシャープな結果を得ることが出来ます。
購入早見表
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作例
関連レンズ
- RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM
- RF24-70mm F2.8 L IS USM
- RF24-105mm F2.8 L IS USM Z
- RF24-105mm F4 L IS USM
- RF24-105mm F4-7.1 IS STM
- RF24-240mm F4-6.3 IS USM
- RF28-70mm F2 L USM