「VILTROX AF 35mm F1.2 LAB」のレビュー第五弾 ボケ編を公開。F1.2の大口径を実現しつつ、滑らかで綺麗なボケ質を両立する高性能なレンズ。
製品提供について
このレビューは映像嵐株式会社より無償提供された製品を使用しています。
金銭の授受やレビュー内容の指示は一切ないことを最初に明言しておきます。購入した製品ではないことに対する無意識のバイアスは否定できませんが、できるだけ客観的な評価を心がけています。
簡易的なまとめ
「F1.2」の大口径を実現しつつ、破綻の無い綺麗で滑らかなボケを両立しているレンズ。ボケ質に関して、これと言った妥協点が見当たらず、全体的に良好な結果を得ることができます。F1.2レンズとしては手頃な価格で、このような光学性能を実現しているのは素晴らしい。
This lens achieves a large F1.2 aperture while maintaining beautiful, smooth bokeh without any breakup. There are no noticeable compromises in bokeh quality, and overall results are excellent. Considering its affordability for an F1.2 lens, its optical performance is outstanding.
Index
VILTROX AF 35mm F1.2 LABのレビュー一覧
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB レンズレビューVol.5 ボケ編
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB レンズレビューVol.4 諸収差編
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB レンズレビューVol.3 解像チャート編
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB レンズレビューVol.2 遠景解像編
- VILTROX AF 35mm F1.2 LAB レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
前後ボケ
綺麗なボケ・騒がしいボケとは?
ボケの評価は主観的となりがちですが、個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくない(もしくは個性的な描写)と定義しています。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人もいることでしょう。参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルが以下のとおり。描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によるもの、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向があります。
後ボケ
ニュートラル寄りですが、後ボケのほうが僅かに柔らかい描写。色収差の影響は軽微で、問題ない程度に抑えられています。
前ボケ
後ボケと比べると少し硬めですが、全体像で見るとニュートラル寄りの使いやすい描写。色収差など悪目立ちする要素が良く補正されているので、過度に心配する必要はありません。
玉ボケ
口径食・球面収差の影響
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまいます。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法がありません。しかし、絞るとボケが小さくなったり、絞り羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じて口径食を妥協する必要あり。
- 影響が強い
- 影響が弱い
口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが可能。できれば口径食の小さいレンズが好ましいものの、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要があります。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。
- 前ボケ
- 後ボケ
球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生します(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまいます。
実写で確認
薄っすらと同心円状のムラ(玉ねぎボケ)が見られるものの、影響は軽微で目立ちません。ボケの縁取りは弱く、色収差の影響も少なめ。口径食はあるものの、小型軽量な35mm F1.2としては良く抑えられているように見えます。口径食はF2-2.8でほぼ解消。
ボケ実写
至近距離
至近距離では被写界深度が浅く、大きな後ボケが得られます。ボケが大きすぎてボケを判断することはできませんが、ピント面直後でも滑らかな描写に見えます。
近距離
撮影距離が少し長くなっても後ボケは全体的に滑らかな描写。35mmレンズはフレーム隅の描写が荒れがちですが、今のところ問題ありません。
中距離
撮影距離がさらに長くなっても滑らかな描写を維持。フレーム隅も良好で、特に問題はありません。色収差は目立たず、口径食などの影響も軽微。
中距離2
安価な35mm単焦点の場合、この撮影距離でボケが騒がしくなる傾向があります(特に隅)。しかし、本レンズは良好な描写を維持しており、フレーム隅においても縁取りの弱い滑らかなボケ質。
ポートレート
全高170cmの三脚を人物に見立て、絞り開放(F1.2)で距離を変えながら撮影した結果が以下の通り。F1.2の大口径らしく、全身を入れるような撮影距離でも背景をぼかすことが出来ます。この際も広い範囲で滑らかな後ボケ。フレーム端や隅が少し騒がしいものの、大きく拡大しないと分からない程度に抑えられています。
膝上、上半身くらいまで近寄ると、ボケ質で気になる部分が無くなります。
まとめ
「F1.2」の大口径を実現しつつ、破綻の無い綺麗で滑らかなボケを両立しているレンズ。ボケ質に関して、これと言った妥協点が見当たらず、全体的に良好な結果を得ることができます。F1.2レンズとしては手頃な価格で、このような光学性能を実現しているのは素晴らしい。
中距離以降のフレーム隅で荒れたボケ質になると予想していましたが、良い意味で裏切られてしまった。35mmで大きなボケが必要な人にとって、コストパフォーマンスの高い選択肢となることでしょう。
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作例
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