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YONGNUO YN85mm F1.8 DF DSM レンズレビュー Vol.1 外観・操作・AF編

ページではYONGNUO「YN85mm F1.8 DF DSM」のレビュー第一弾を公開。少しプラスチッキーですが、小型軽量で扱いやすいフォーカスリングなどを評価。AF性能は適度に良好。

YN85mm F1.8 DF DSMのレビュー一覧

まえがき

YONGNUOは一眼レフカメラ時代からAFレンズに対応している中国レンズメーカー。そして、いち早くミラーレス用のAFレンズをリリースしています。そして、「YN85mm F1.8S DF DSM」はYONGNUOが一番最初に発売したソニーEマウント用のAFレンズです。従来の一眼レフ用AFレンズはキヤノンやニコンのレンズをコピーしたようなデザインでしたが、このミラーレス用レンズはデザインから光学設計まで全く新しい基準で作られている模様。

  • 公式
  • Amazon(HK.YONGNUO)
  • 発売時期:2020年4月
  • フォーマット:フルサイズ
  • マウント:E / Z / RF(生産完了)
  • 焦点距離:85mm
  • 絞り値:F1.8-F6
  • 絞り羽根:7枚
  • レンズ構成:8群9枚
  • 最短撮影距離:0.8m
  • 最大撮影倍率:0.13倍
  • フィルター径:58mm
  • サイズ:φ67×78.8mm
  • 重量:346g
  • 防塵防滴:-
  • AF:STM
  • 手ぶれ補正:-
  • その他機能:
    ・AFLボタン

レンズの仕様は「85mm F1.8」としては一般的で、最短撮影距離や撮影倍率は競合製品である「FE 85mm F1.8」「NIKKOR Z 85mm f/1.8 S」とよく似ています。

注意点はソニー純正品ではないこと。α1やα9などの機種で15fpsよりも高速な連写を利用することができません。また、フォーカスブリージングなどの機能も使用不可。そして、リバースエンジニアリングのため、カメラ側のファームウェアアップデートによってはレンズの動作不良が発生する可能性もあります。シグマやタムロンのようにライセンスを受けたレンズと比べると動作が不安定。ソニーEマウント用は比較的安定感があるものの、ニコンZマウント用は動かなくなる頻度が高いと感じています。レンズがファームウェアアップデートに対応していますが、YONGNUOが対応ファームを開発するかどうかは不明。

価格のチェック

主な販売はAmazon.jpにおけるHK YONGNUO。私も35mm F2や50mm F1.8などをHK YONGNUOから購入しています。YN85mm F1.8Sは発売当初こそ3万円を切る価格設定でしたが、現在は世界情勢や物価上昇の影響か4.5万円まで値上がり。タイムセールなどで割引・クーポンが適用できる機会だと3.5万円前後まで値下がりする場合があります。ニコン S-Lineと比べると安価ですが、ソニーFE 85mm F1.8が5~6万円台で購入できることを考えると悩ましい価格設定。

外観・操作性

箱・付属品

ここ最近のYONGNUOらしく、白を基調としたデザインの箱を使用しています。箱にはレンズ外観やレンズ構成がプリントされています。レンズ本体のほか、レンズフードやキャップが付属。

外観

新しいYONGNUOレンズは金属外装を採用しているモデルが多いものの、比較的古いこのレンズはプラスチック外装を採用。旧世代のサムヤンのような、極端に安っぽい印象は受けませんが、高級感があるとも言えません。フォーカスリングはゴム製で、前方にはYONGNUOらしい赤リングの装飾を備えています。

外装の表示は全体的にプリントで、エッチングなどの加工は施されていません。正直に言うと、「YNLens」のロゴがイマイチぱっとしないので、無かった方が見栄えが良かったと思います。側面にはファームウェア更新用のUSB-Cポートを搭載。今のところ更新用であり、カスタマイズなどには対応していません。

前玉・後玉

85mm F1.8らしい大きな前玉。僅かに凸形状となっているもののメンテナンスは容易。フッ素コーティングは非対応のため、ダメージが想定されるシーンではプロテクトフィルターを推奨。58mm径のフィルターに対応しているので、導入コストは高くありません。FE 85mm F1.8の67mmフィルターよりもコンパクト。インナーフォーカス構造のため前玉は固定されています。

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金属製レンズマウントは4本のビスで固定されています。周囲に防塵防滴用のシーリングはありません。

フォーカスリング

ゴム製の幅広いフォーカスリングを搭載。滑らかに回転しますが、ソニー純正レンズに匹敵するくらいリングが緩々です。応答性はノンリニアで、回転速度に応じて移動量が変化。ただし、素早く回転しても180度ほどのストロークがあるので微調整は用意。ゆっくり回転する場合はピント全域で360度以上のストロークとなります。

ボタン・スイッチ

側面にはAF/MFスイッチとAFLボタンを搭載。ソニー純正レンズと同じような感覚で利用することが出来ます。

装着例

α7R Vに装着。適度なレンズサイズでカメラ装着時のバランスは良好。このクラスとしてはレンズ最大径が小さいので、カメラ下部に突出することがありません。APS-Cミラーレスとも組み合わせやすそうに見えます。

直径が小さいのでグリップとレンズの間のスペースにも余裕があります。グローブ装着時でも他のレンズほど窮屈な印象はありません。

AF・MF

フォーカススピード

リードスクリュータイプのステッピングモーターを使用。リニアモーター駆動ほど高速ではないものの、適度なAF速度で滑らかなフォーカスを実現しているように見えます。AF-Sは合焦速度がやや遅めなので、キビキビとした撮影テンポを意識する場合はAF-Cを使ったほうが良いかもしれません。

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指します。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となります。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離・無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

ピント位置によって画角の変化が目立ちます。静止画で苦労するほどの変化ではありませんが、動画撮影でピント移動が多い場合は少し気になる問題かもしれません。

精度

α7R Vとの組み合わせで大きな問題はありませんが、まれにピントの山を掴み損ねている場合があります。

MF

前述したように、ストロークのながいフォーカスリングで精度の高いMF操作が可能。

まとめ

手ごろな価格で小型軽量な85mm F1.8。AstrHoriやMeikeなど、後発メーカーが続々とやってくる中、比較的安い値付けと小型軽量を実現しているのはYONGNUOのみ。外装は少しプラスチッキーと感じるかもしれませんが、フォーカスリングの操作性やAF性能は許容範囲内。Amazonのセールで4万円を切っていたら買っても良いかなという印象。互換性を重視するならFE 85mm F1.8も要検討。肝心の光学性能はというと、悪くはないと思います。抜群とも言えませんが、良好な中央解像と諸収差の補正状態に見えます。絞り開放は適度にソフトで、ボケの使い勝手が良好。色収差は若干残っていますが、多くのシーンで目立たない程度に抑えられています。

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