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YONGNUO YN85mm F1.8 DF DSM レンズレビュー Vol.3 遠景解像編

YONGNUO「YN85mm F1.8 DF DSM」のレビュー第三弾を公開。遠景でも中央はF1.8から非常にシャープですが、周辺や隅は残存する収差を抑えるためにF8くらいまで絞る必要がありそうです。

YN85mm F1.8 DF DSMのレビュー一覧

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2023.12.4 晴れ 微風
  • カメラ:α7R V 6100万画素
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:SUNWAYFOTO GH-PRO II
  • 露出:絞り優先AE ISO 100
  • RAW:Adobe Lightroom Classic CC 現像
    ・シャープネスオフ
    ・レンズ補正オフ

テスト結果

中央はF1.8からシャープな結果を得ることができ、周辺部や隅も顕著な画質低下は無いように見えます。近距離での解像チャートと比べて倍率色収差の影響が少ない。ただし、残存する非点収差が収束するのが遅く、6100万画素で万遍なくシャープな結果を得るにはF8まで絞りたいところ。

中央

F1.8から非常にシャープで、絞りによる変化はほとんどありません。F1.8付近で残存する軸上色収差がコントラストに影響を与える可能性があるため、ベストを尽くすのであれば少し絞って撮影したほうが良いでしょう。F2.8で少しソフトになっているのはフォーカスシフトの影響があるため(F1.8でピント固定したのは迂闊でした)。フォーカスシフトに関しては後述。

周辺

中央と比べると画質が低下しているものの、極端に乱れた描写ではありません。残存する非点収差のような像の甘さを改善するにはF8くらいまで絞る必要があります。F4-5.6まで絞っても若干のソフトさが残ります。

四隅

基本的に周辺部と同じ傾向。隅に向かって極端な画質低下はありません。やはりシャープな結果を得るにはF8まで絞るのがおススメ。倍率色収差の影響は近距離ほどではないものの、コントラストが高い領域で目立つ可能性あり。

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指しています。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の可能性あり。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合があります。と言っても、近距離でフラット平面の被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要はありません。

ただし、無限遠でも影響がある場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がありません。

参考:ニコン 収差とは

実写で確認

ほぼ無視できる範囲内に抑えられています。

まとめ

中央はF1.8から非常に良好ですが、フレーム全体でシャープな結果を得るにはかなり絞る必要があります。これは像面湾曲の影響ではないため、フレーム端にピントを合わせても改善しません。後日紹介しますが、コマ収差の影響もあるため、F1.8を活かした風景・夜景などの撮影には不向きです。細部にこだわらなければ問題ない程度ですが、 6100万画素センサーを十分に活かせるとは言えません。

F8まで絞れば風景撮影でも十分に利用できる水準となりますが、F8まで絞って単焦点を使う必要性は高くないのかなと。

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