Xitekが「NIKKOR Z 50mm f/1.2 S」の開発者インタビューを公開。高解像かつ滑らかなボケ描写を両立するため、対称型レンズ構造を採用し、さらに大口径Zマウントだからこそ有効活用できたと述べています。
NIKKOR初のF1.2AFレンズ
Xitek:尼康Z 50mm f/1.2S??者???答??
- Z 50mm f/1.2 SはNIKKOR史上初となるF1.2のAFレンズだ。
- 「高解像」と「柔らかいボケ」の両立を実現するのは困難だが、ニコンによるとZ 50mm f/1.2 Sは両方を兼ね備えていると主張している。
- マルチフォーカス技術の採用で近距離での高解像度を実現している。
- 滑らかな操作を実現するため、フォーカス駆動にはステッピングモーターを使用している。
- フォーカスブリージングを抑えており、フォーカス時の画角変化が大幅に低減している。
- このレンズを試したフォトグラファーによると、ピント面からボケへの移行は非常に滑らかだそうだ。
- 解像度は中央から端まで均質で、低周波から高周波まで高解像である。
- 大口径Zマウントにより理想的な対象設計を実現している。
- 対称性を追求することで、レンズ全長は長くなるが、収差が小さく、ボケは滑らか、そしてフレーム全域で均質な解像度を得られる。
- 前群・後群に凹型レンズを加えることで、全長は長くなるが像面湾曲を小さくしている。以前は広角レンズのみ使用していたものだが、Zマウントで理想的なレンズ構成を実現するために進化した。
- 対称的な設計により、色収差や歪曲収差の補正が優れている。
- RF50mm F1.2Lの駆動方式はUSMだが、ニコンはステッピングモーターを使用して滑らかで静かなフォーカスを実現している。MTFを比較すると、非点収差の補正状態が良好だ。
- 競合製品と実写比較でも、中央で僅かに優れ、周辺での画質差はさらに大きくなる。ボケも競合製品より自然だ。
- Q:動画撮影の観点から、Z 50mm f/1.2 Sを使用するメリットは?
- A:動画の需要は絶えず増加しており、この需要を満たすためにNIKKOR Zレンズ全体で取り組んでいる。このレンズは静かでブリージングを軽減し、フォーカスや明るさを滑らかに変化させることが可能だ。これにより自然な映像表現を実現している。
- Q:Noctとの技術的な違いは?
- A:高い光学性能とAFの両立だ。サイズと重量は普段使いできる水準に抑えている。このレンズの開発にはNoctから得た経験も含まれている。
- Q:50mmのNIKKORレンズとしては最も大きく、最も重いレンズだ。どのような開発戦略なのか、そしてフォーカス速度と精度は影響を受けるのか?
- A:Noctよりも手ごろな価格でS-Lineの高画質なAFレンズを作ることが目標だ。光学性能は我々の優先事項である。絞り開放から高精度なフォーカシングを得られ、撮影が容易となる。フォーカスブリージングや駆動音を抑えつつ、光学性能とサイズ・価格のバランスを取るために一所懸命頑張った。
- Q:大口径レンズにおけるフォーカス精度とフォーカス速度の実現の秘訣は?
- A:AFの高速化にはより軽量なフォーカスレンズ群が必要だ。ただし、軽量なフォーカスレンズ群で光学性能を維持するのは難しい。高い光学性能とAF性能を両立させるため、新設計のレンズ構造を採用している。
- Q:優れたボケを実現するため、Zマウント以外の技術は何を使ったのか?
- A:対称のレンズ構造を採用することで、より美しく高解像な描写を実現している。この対称レンズタイプは大口径Zマウントを採用することで実現した。この技術を採用した最初のレンズである。
- Q:Noctと画質の違いは?
- A:この質問に答えるのは難しい。F0.95は他のレンズでは体験できない表現を実現できる。F1.2はボケの滑らかさに細心の注意を払い、AFを使用した新しい表現を生み出すのに役立つだろう。
- Q:キヤノン「RF50mm F1.2L」と比べてレンズの間隔が長い理由は?(光を無理に曲げないという理由以外で)
- A:ニコンは凹凸対称型を採用しており、構造が異なる。直径が大きく、フランジバックの短いニコンZマウントは対称型を有効活用可能だ。
- Q:作例はポートレートばかりだが、やはりポートレート用なのか?
- A:静物撮影の作例も検討したが、バランスの取れた収差の実現や美しい描写を確認するにはポートレートが適していると考えた。
とのこと。
つい最近2020年12月11日に発売決定とアナウンスされた実売25万円の大口径レンズですね。
NIKKORレンズとしては大きく重く、そして高価な50mm。とは言え、Noctと比べると遥かに安くて軽く、キヤノンRF50mm F12Lと比べても少し安い。全長がやたら長い(下部に比較画像を掲載)ことに妥協できれば面白い選択肢となりそうです。
まだまだ作例が少なく、光学性能の見当がつかないのが正直なところ。しかし、ニコンはかなりの自信があるみたいですね。50mmの大口径レンズとしては珍しく、マルチフォーカス方式を採用しているので、フォーカス速度にも期待したいところ。
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