E 15mm F1.4 Gはフレーム全体で驚くほど良好な解像性能

Dustin Abbottがソニー「E 15mm F1.4 G」のレビューを公開。絞り開放から全体的に良好な解像性能を実現しており、像面湾曲は良好に抑えられフラットなピント面が得られるとのこと。

Dustin Abbott：Sony E 15mm F1.4 G Review

外観・構造：

防塵防滴仕様に加え、いくつかプレミアムレンズらしいポイントを備えている。

レンズフードは花形で、逆さ付けに対応している。

携帯性：

F1.4のレンズとしてはコンパクトだ。

競合するシグマ「16mm F1.4 DC DN」と比べるとかなり小さくて軽量だ。

フィルターサイズはシグマの72mmと比べて55mmと小径である。

操作性：

1/3段刻みで動作する絞りリングはクリックレスへ切り替えることが可能だ。

AFLボタンやAF/MFスイッチも搭載している。

フォーカスリングは幅広く、滑らかに回転する。レスポンスはリニアで、動画撮影に適している。ただし、回転動作がとても軽い。

フォーカス：

最短撮影距離は20cmだが、MFでもう少し近くでの撮影が可能となっている。

デュアルリニアモーター駆動で動作する。大口径ながら非常に高速なAFだ。

α6400との組み合わせたところ、動画撮影時のAFにバグのようなAFの動作が見られた。

フォーカスブリージングは最小限に抑えられている。

手ぶれ補正：

光学手ぶれ補正は非搭載だ。

解像性能：

F1.4から中央や中央周辺の解像度コントラストは非常に高い。隅は僅かに低下する。

F2まで絞ると解像度とコントラストが僅かに向上し、隅で大幅な改善が見られる。

さらに絞った際の画質向上は最小限だが、フレーム全体で驚くほど見栄えが良い。

像面湾曲：

F1.4から非常にフラットだ。

ボケ：

絞り羽根は7枚だ。丸みを帯びているが、絞ると形状が現れ始める。

接写性能を活かすことで大きなボケを得ることが出来る。

後ボケの描写はきちんとしている。多くの人は満足するだろう。

色収差：

軸上色収差はきちんと抑えられている。

フレーム端には少量の倍率色収差が残っている。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

RAWでは顕著な樽型歪曲が残っている。

影響がリニアなので、手動での補正も可能だ。

周辺減光：

記載なし。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

逆光時にはわずかなフレアが発生するものの、全体的にとても良好だ。

作例集

総評

機能と性能を考慮するとG Masterシリーズのミニチュア版のように感じる。ビルドクオリティ、AF性能、光学性能など長所が多く、逆に短所は非常に少ない。多くの場合、欠点は目立つ樽型歪曲のみで、これも補正プロファイルで修正することが可能だ。

APS-Cユーザーで高品質な単焦点レンズを探しているのであれば、E 15mm F1.4 Gがまさにそれだ。安いレンズでは無いが、競合他社と見比べて値付けが高いわけでも無い。この製品を皮切りとしてAPS-C Eマウントのレンズラインアップが充実することを願っている。

長所：
・高機能で良好な作り
・防塵防滴
・AFが高速で静か
・フォーカスブリージングが目立たない
・逆光耐性
・ボケ
・色収差の補正状態
・小型軽量

短所：
・少し高価
・歪曲収差が目立つ

とのこと。
2019年に登場した「E 16-55mm F2.8 G」「E 70-350mm F4.5-6.3 G OSS」に続く、APS-C専用設計のGシリーズレンズですね。APS-C Eマウントのソニー純正レンズとしては初のF1.4大口径レンズであり、同時に絞りリングを搭載した初めてのモデルです。今後はこのような高性能なAPS-C Eマウントレンズが続々と登場するのか気になるところ。

パラメータを考慮すると小型軽量なレンズですが、ボディ側で補正できる点を除けば非常に高い光学性能を備えているようです。絞り開放からフレーム全体で実用的な光学性能を得ることができるのは魅力的。被写界深度を浅くすることができるうえ、夜景や星景などで活躍が期待できそう。広角大口径レンズとしてはボケの質感も良く、逆光耐性にも大きな問題は見られない模様。

ソニー E 15mm F1.4 G 最新情報まとめ