Amateur Photographerがソニー「FE 20-70mm F4 G」のレビューを公開。価格設定と歪曲収差、周辺減光について指摘しているものの、高性能で携帯性が良く、便利なズーム域をカバーするレンズと評価しています。
Amateur Photographer:SONY FE 20-70MM F4 G REVIEW
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- 「FE PZ 16-35mm F4 G」と異なりパワーズームではなく、従来通りのメカニカルズームだ。
- レンズマウントのOリングをはじめとして各所に耐候シーリングが施されている。
- 前面はフッ素コーティング処理されている。
- プラスチック製の花形レンズフードが付属する。
- Gシリーズだが、G Masterシリーズのようなレンズの作りだ。
- プラスチック外装だが、頑丈な作りである。
携帯性:
- 79×99mm、488gで24-70mm F4よりもわずかに大きく重い。
- 24-105mmと比べると遥かにコンパクトだ。
- 70mmまでズームすると全長が4cm伸びる。
- α7R IVとの組み合わせでバランスは取れている。
操作性:
- ズームリングとフォーカスリングはゴム製のグリップを備えている。
- 絞りリングはF4からF22まで1/3段ごとにクリックが発生する。ただし、クリックを解除したり、Aポジションで固定することが可能だ。
- 絞りリングは小さく、冬季に手袋を装着していると操作が難しい。
- 側面には2つのAFLボタンと1つのAF/MFスイッチを搭載。
フォーカス:
- XDリニアモーター2基でフォーカスレンズを駆動する。
- 静止画・動画どちらでも高速で静かなAFだ。
- フォーカスリングはリニアレスポンスだ。メカニカルなフォーカスリングと同じ感覚で操作できる。
- 望遠側でフォーカスブリージングが効果的に抑えられている。広角側ではわずかに画角の変化が見られる。
- このレンズはソニーのブリージング補正に対応している。
手ぶれ補正:
- 光学手振れ補正は非搭載である。
解像性能:
- フレーム隅までシャープだ。
- 6100万画素のα7R IVでも満足のいく結果が得られる。
- よく見るとフレームの端が少しソフトに見えるが、実写で心配する必要はないだろう。絞ってシャープネスを高める必要性はほとんどない。
- F8まで絞ると一貫性の高い結果が得られる。
- 接写時でも高水準なパフォーマンスを発揮する。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 接写性能を活かして大きなボケを得ることが出来る。
色収差:
- 記載なし。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差はソフトウェア補正に依存している。
- カメラ装着時に歪曲収差補正をオフにすることはできない。
- RAWに補正データが埋め込まれていないので現像ソフトごとに対応が必要だ。
- Adobe lightroomでRAWを開くと、フルサイズのイメージサークルをカバーしていないことが分かる。
- 32mmでニュートラルな状態となる。
- 特に広角側で補正必須だが、望遠側も補正が必要と感じる。
周辺減光:
- 70mmの隅で急激な周辺減光が発生する。これはF8まで絞ると解消する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F16まで絞ると素敵な光条が発生する。
- 逆光耐性は良好だ。
総評
価格はさておき、高解像度ボディと組み合わせても、シャープで緻密な結果が得られる素晴らしいレンズだ。従来の24-70mmに比べ、広角側が広く、接写能力も高いので、クリエイティブな撮影を楽しむことができる。広角ズームほど広い画角ではないが、個人的には十分な画角だ。間違いなく、風景写真家のお気に入りレンズとなることだろう。
一部の人にとって、RAWにおける補正必須な歪曲収差を許容できるかがポイントとなる。ただし、レンズプロファイルが利用できるようになれば、簡単に解決できる問題だ。歪曲収差を光学的に抑えようとすると、遥かに大きく重いレンズになったことだろう。
価格設定を無視することはできない。有用なレンズだが、1400ポンドの値付けは高すぎると感じる。多くのEマウントユーザーは既に標準ズームを持っているだろうし、20mmの単焦点レンズや広角ズームを手に入れたほうが安上がりだ。しかし腹をくくって購入すると、きっと満足する結果が得られるだろう。
- 長所:
・便利なズームレンジ
・接写性能
・静かで高速なAF
・コンパクト- 短所:
・絞りリングが回しにくい
・RAW現像にはレンズプロファイルが必須
・非常に高価
とのこと。
24-70mm F4 ZAよりも少し大きめですが、広角20mm始まりの便利で珍しい標準ズームレンズ。数年前から、このようなレンズが徐々に登場し始めていますが、望遠端が70mmまでカバーしているズームレンズはソニーが初めて。手振れ補正こそ搭載していないものの、XDリニアによる快適なフォーカスや、0.4倍に近い高い撮影倍率が得られるのが魅力的。
他のレビューサイトでも指摘しているように、歪曲収差は補正必須で、特に社外製現像ソフトはそれぞれレンズプロファイルの対応を待たないとRAW現像が難しい点には注意が必要のようです。後処理で簡単に補正できる収差はソフトウェアに任せ、光学的に補正が必要な部分はしっかりとしている模様。複雑なレンズ構成で画角の広いレンズですが、逆光耐性が良好であるのも嬉しいポイント。
FE 20-70mm F4 G | |||
ソニーストア | |||
楽天市場 | Amazon | キタムラ | Yahoo |
キタムラで中古在庫を探す |
レンズの仕様
レンズの仕様 | |||
---|---|---|---|
発売日 | 2023年2月10日 | 初値 | 1099ドル |
マウント | E | 最短撮影距離 | 0.3-0.25m |
フォーマット | フルサイズ | 最大撮影倍率 | 0.39倍 |
焦点距離 | 20-70mm | フィルター径 | 72mm |
レンズ構成 | 13群16枚 | 手ぶれ補正 | - |
開放絞り | F4 | テレコン | - |
最小絞り | F22 | コーティング | フッ素 |
絞り羽根 | 9枚 | ||
サイズ・重量など | |||
サイズ | φ78.7×99mm | 防塵防滴 | 対応 |
重量 | 488g | AF | XDリニア |
その他 | 絞りリング・絞りロック | ||
付属品 | |||
レンズフード |
関連レンズ
- Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS
- FE 24-70mm F2.8 GM II
- FE 24-70mm F2.8 GM
- FE 24-105mm F4 G OSS
- 24-70mm F2.8 DG DN
- 28-70mm F2.8 DG DN
- 20-40mm F/2.8 Di III VXD
- 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2
- 28-75mm F/2.8 Di III RXD
- AF 24-70mm F2.8 FE
関連記事
- FE 20-70mm F4 G 単焦点ほどではないが多目的に使えるズームレンズ 2024年12月5日
- ソニー FE 20-70mm F4 G はほぼ完璧なズームレンズ 2023年9月26日
- FE 20-70mm F4 Gは歪曲補正込みでも非常に良好な解像性能 2023年5月31日
- ソニー FE 20-70mm F4 G レンズレビュー 完全版 2023年4月23日
- Adobe Camera RAWがソニーやシグマの新製品に対応【2023.4】 2023年4月19日
- FE 20-70mm F4 G レビュー Vol.6 周辺減光・逆光編 2023年4月9日
- FE 20-70mm F4 G レビュー Vol.5 諸収差編 2023年3月20日
- FE 20-70mm F4 G レビュー Vol.4 ボケ編 2023年3月14日
- FE 20-70mm F4 Gは全体的に満足のいく性能 2023年3月5日
- FE 20-70mm F4 Gは優れた光学性能で画質低下は70mmの端のみ 2023年2月21日