Dustin Abbottがソニー「FE 24mm F2.8 G」のレビューを公開。サムヤンやシグマなど、強力なライバルが存在するものの、防塵防滴や機能性、信頼性などを考慮すると魅力的なプレミアムレンズと評価しています。ただしRAWの歪曲収差は不愉快と感じるとのこと。
Dustin Abbott:Sony FE 24mm F2.8 G Review
レンズの紹介:
- FE40mm F2・FE50mm F2を含めた小型軽量で小口径の単焦点レンズ群だ。3本はとても良好なビルドクオリティと機能性を備え、約600ドルで販売されている。
- 安いレンズではないが、大口径の大きなレンズと比べるとはるかに手ごろな選択肢である。
- シグマ「24mm F2.8 DG DN」と非常によく似ているが、他にもタムロンやサムヤンなどに多様なレンズが数多く存在する。
ビルドクオリティ:
- 小型軽量ながら金属製のレンズである。40mm F2.5や50mm F2.5とサイズが統一されている代わりに、開放F値がF2.8となるなどマイナーな妥協点がある。
- 金属マウントのみならず、内部は徹底した防塵防滴シールが施されている、多くのコンパクトな24mmレンズにはない特徴だ。
- レンズフードは鏡筒と同じくアルマイト処理された金属を採用している。見栄えが良く、しっかりと装着できる。40mm F2.5と50mm F2.5は特殊なレンズフードだが、24mm F2.8 Gは一般的なレンズフードに対応している。
- 一般的なレンズフードだが、十分にコンパクトであり、ただしい装着位置でレンズの収納も可能である。
携帯性:
- 3つの小型Gレンズのサイズは基本的に同じで、重量の違いはごくわずかだ。
- このレンズは重量が162gと信じられなほど軽い。
- フィルターサイズは3本とも49mmで統一されている。
操作性:
- 絞りリングは1/3段ごとにノッチがある。さらにこれを解除して無段階の絞り操作にも対応している。これも他のレンズにはない特徴だ。
- 左側面にはAF/MFスイッチとカスタマイズ可能なAFLボタンを搭載している。
- 小型軽量なレンズであり、各種操作を扱うのが少し難しい。特に手袋着用している場合は困難となる。
- フォーカスリングの感触はとても肯定的なものだ。滑らかでリニアな操作が可能となっている。
オートフォーカス:
- リニアモーター駆動のAFは静止画でも動画でも高速で滑らかだ。そして静かに動作する。
- AFはこのレンズの真の強みと言えるだろう。シグマやサムヤンのAFも良好だが、様々な状況での信頼性を高めるにはソニー純正レンズを使うほうが良い。
- クローズアップ性能はシグマやタムロン、サムヤンと比べて最も悪い。最短撮影距離は0.24mであり、シグマやタムロンと比べてはるかに悪く、サムヤンAF24mmと比べても見劣りする。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- MTF曲線通り、全体的にとても良好だ。
- 中央と中央付近は非常にシャープで、隅に向かって少し低下する。
- ただし、絞ってもシャープネスはそれほど改善しない。F5.6まで絞っても少しコントラストが改善される程度だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 大部分の状況でかなり良好だ。
- ただし、いくつかの状況では多少騒がしいと感じる兆候がある。
- 個人的な印象として、ボケ質は良好だが、大きなボケを作るには「24mm F2.8」では制限がある。
- 7枚の絞り羽根はF4まで絞ると玉ボケが角ばり始める。
色収差:
- 倍率色収差は十分に補正されている。
- 軸上色収差は僅かに残っているが実際に問題となることはないだろう。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差の結果には正直驚いた。RAWでは痛いほど像が歪んでおり、タムロン20mm F2.8 OSDを彷彿とさせるものだ。これを修正するにはLightroomで+43の補正値が必要である。
- これまで私が見てきた中で最も極端な歪曲収差である。
- 幸いにもソニーのレンズプロファイルで欠点をうまくカバーしている。純正レンズらしく優れたソフトウェア補正である。
周辺減光:
- 歪曲収差と同じく周辺減光も目立つ。修正するには+73の補正値が必要である。これは隅で約3段分の光量落ちである。開放F値がF2.8と特に大口径ではないことを考えると驚くべき数値だ。
- 幸いにもソニーのレンズプロファイルで欠点をうまくカバーしている。
コマ収差:
- 点光源は変形するが、目立つコマ収差は確認できなかった。
- 天体撮影を重視する場合はサムヤンAF24mm F1.8 FEを検討したほうが良い。明るいレンズであり、歪曲が小さく、無限遠に合わせる機能を備えている。
逆光耐性:
- 逆光耐性はソニーが優れているポイントだ。フレームのどこに太陽を配置してもコントラストの低下やゴーストの発生はほとんど見られない。
競合レンズ:
- サムヤンAF 24mm F1.8 FEは大口径ながら重量は230gと抑えられている。しかし、ソニーと同程度のコンパクトサイズではなく、ビルドクオリティもGレンズのほうが良好だ。さらに絞りリングや防塵防滴仕様など機能が豊富である。
- サムヤンAF24mm F1.8 FEは中央でソニーと同程度、四隅は絞ればシャープになる。そして、F5.6まで絞るとソニーよりもシャープだ。ソニーはビルドクオリティが優れているものの、優れたシャープネスを探しているのであればサムヤンは魅力的な選択肢である。
- タムロン24mm F2.8 Di III OSDは同じカテゴリのレンズでAFが最も貧弱だが遥かに手ごろな価格である。また、撮影倍率が0.5倍と非常に高い。
- シグマ24mm F3.5 DG DNはソニーに匹敵するビルドクオリティで撮影倍率も非常に高いが、開放F値はより大きい。
作例集
総評
FE 24mm F2.8 Gと同シリーズの2本は、ある種のフォトグラファーにとって魅力的な選択肢となるだろう。 これらのレンズは、コンパクトで軽量なパッケージのプレミアムレンズだ。 作りは、G Masterを小型化したようなもので、総金属製の構造、豊富な機能と質の高い防塵防滴構造を備えている。さらに重さが162gしかないというのは、正直言ってとても素晴らしいことだ。
より長い焦点距離を補完するために広角レンズを必要とする身軽な旅行者にとって、素晴らしいパートナーとなるだろう。レンズの重量を意識することなく、優れたカメラと組み合わせて素晴らしい画像を得ることができる。しかし、小型化されたリングやボタン、スイッチ類は、寒い季節に手袋をしていると操作しにくいかもしれない。 これほどコンパクトなレンズに多くのものを詰め込んだ場合、それを避けるのは難しい。さらにレンズプロファイルによってマスクされた非常に強い歪曲収差と周辺減光には不愉快な驚きを覚えた。幸いなことに、これらはこのレンズの唯一の光学的欠陥だ。開放では非常にシャープで、コントラストも良好である。
ソニーにとって大きな課題は、おそらく代替レンズが普及しており、さらにそのほとんどが独自の強みを持っていることだ。 特に、サムヤン「AF 24mm F1.8 FE」は、ソニーほどではないものの、より低コストで大口径、そしてより強力な光学性能である。それは価値ある代替レンズだと思う。
しかし、現実には、サードパーティ製レンズを信用せず、純製であるソニー製レンズにしか興味を示さないフォトグラファーが数多く存在している。FE 24mm F2.8 Gのようなレンズは、話題になるようなものではなく、エキゾチックでも、画期的でも、エキサイティングでもない。しかし、「FE 24mm F1.4 GM」などとは異なるアプローチで非常に価値のある製品だ。 そして、それは良い選択肢になるだろう。
- 長所:
・プレミアムなつくりで小型軽量
・防塵防滴
・優れた機能性と操作性
・高速かつ静かで正確なAF
・全体的に優れたシャープネス
・色収差が少ない
・驚くべき逆光耐性
・大部分の状況で良好なボケ
・コマ収差の補正状態
・きちんとした価格設定- 短所:
・非常に重い歪曲収差
・強い周辺減光
・小さなコントロール
・撮影倍率は競合他社ほど高くない
とのこと。
他のレビューサイトでも指摘されている通り、光学的な歪曲収差はかなり目立つみたいですね。レンズプロファイルを適用できない環境ではRAW現像時に注意が必要のようです。とは言え、欠点と言えばそれくらいで、良好な解像性能と機能性・操作性・信頼性を兼ね備えたプレミアムでコンパクトな小型レンズに仕上がっている模様。ビルドクオリティや操作性を妥協できるのであればサムヤンAF 24mm F1.8 FEが面白い選択肢となりそうですが、機能性などを重視する場合には替えの利かない24mmと言えそうです。最も近い競合レンズはシグマ24mm F3.5 DG DNだと思いますが、防塵防滴の仕様や絞りリング・AFLボタンなど機能性でソニーが少し有利となるかもしれません。
ソニー「FE 24mm F2.8 G」交換レンズデータベース
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- Loxia 2.4/25
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