Dustin Abbottがソニー「FE 40mm F2.5 G」のレビューを公開。少し高価な小型レンズですが、立派なレンズの作りに高い光学性能を備え、高いだけの価値があると言及しています。
Dustin Abbott:Sony FE 40mm F2.5 G Review
レンズの紹介:
- ソニーのコンパクトで小口径の単焦点レンズ3兄弟が登場した。FE 24mm F2.8 G、FE 40mm F2.5 G、FE 50mm F2.8 Gの3本のレンズは、どれも非常によくできていて、機能が充実しており、光学的にも優れた小さなプライムレンズで、一般的なものよりもレンズの口径が小さい。
- それぞれのレンズの価格は約600ドルで、決して安くはないものの、大きくて重く、高価な大口径レンズに比べればかなり安価だ。
- これらのレンズは、デザイン的にも機能的にもシグマの「I」シリーズに最も似ている。
- 40mmは依然として型破りな焦点距離であり、3本のレンズの中で最も人気がないと思われる。しかし、私は40mmと45mmのレンズが好きで、定番の35mmと50mmの焦点距離の間にある良い妥協点だと感じている。
ビルドクオリティ:
- 40mm・50mm F2.5は、少し変わった開放値(F2.5)になっているが、これらの焦点距離で高品質な光学系を非常に小さな筐体に収めるための妥協点だ。
- どれも本当に素晴らしいつくりであり、高級感のある金属製外装ながら、非常にコンパクトだ。
- レンズの設計哲学は3本のレンズで共通している。
- ビルドクオリティは本当に高く、様々な意味でコンパクトなG Masterだと感じた。 金属製の美しい筐体だけでなく、レンズマウント部のガスケットに始まり、リング、スイッチ、鏡筒前部の内部シールまで、徹底した防塵防滴が施されている。
- 防塵防滴仕様のシールは11箇所あり、このコンパクトなレンズとしては非常に優れている。
- これは、競合レンズの中では最も徹底した防塵防滴仕様だ。私がテストした3本の競合レンズのうち、防塵防滴仕様が施されていのはシグマだけで、それもレンズマウント部にガスケットがあるだけだ。 サムヤンとフォクトレンダーは全くシーリングされていない。
- レンズフードはバヨネット式の軽量メタルフードで、レンズ鏡筒と同じ黒を基調としたアルマイト仕上げだ。ただし、50mmと同様に、従来のフードではない。前面の開口部は完全な円形ではなく、開口部の上下が平らになっている。 これにより普通のレンズでありながら、ちょっとしたアナモフィックレンズのような外観になっている。
- このレンズフードの第一のマイナス点は、収納時に反転させることができないことだ。 家に置いておくか、常に装着しておくかのどちらかとなる。私は後者だ。このレンズはとてもコンパクトなので、レンズフードを付けたままでも苦にはならない。 レンズキャップはフードにぴったりと収まる。
- サムヤン「AF 45mm F1.8」は162gと少し軽いが、ソニーGと比べると信じられないほどプラスチッキーなレンズである。
- シグマはソニーGと似たようなビルドクオリティだが、少し重く(215g)、同じ程度の防塵防滴仕様ではない。
携帯性:
- 40G・50Gは基本的に同じサイズだ。68mm×45mmで、重さは1gしか違わない。レンズフードを外すとも24Gも同サイズだ。
- レンズの形状も同じで、独特のフード/フィルターアダプターもある。
操作性:
- 小さなレンズに詰め込まれた機能やオプションの多さも印象的だ。
- 絞りリングはGMレンズのように、鏡筒の右側にあるスイッチを使って、クリック・デクリックを選ぶことが出来る。Aポジションに設定することで、カメラ側で絞りをコントロールすることもできる。
- 鏡筒の左側には、AF/MFスイッチと、ボタンカスタマイズに対応している「AFL」ボタンを搭載。 これらの操作系はすべて、コンパクトなレンズサイズに収まるように小型化されている。
- 絞りリングとフォーカスリングが非常に接近しているため、感覚的に操作しづらいのが難点だ。寒い時期に手袋をしていると感覚的に操作するのは難しい。
- AF/MFスイッチは、小さく、レンズマウントに近いので素手の指でも少し操作しづらく、手袋をしたままではこれらのボタンやスイッチの操作は非常に厳しい。
- フォーカスリングは、絞りリングと同様に金属製だ。どちらのリングも鏡筒から少しはみ出しているので、シグマIシリーズ同様、ギアリングを前提としたシネレンズを連想させる。
- フォーカスリングの操作性は非常にポジティブで、滑らかでリニアな動作で安定感がある。抵抗は弱めだが、正確な操作が可能だ。
オートフォーカス:
- デュアルリニアモーターを使用している。静止画でも動画でも、オートフォーカスは速く、滑らかで、静かに動作する。
- 顔検出でも、安定した追従性を確認できた。全く問題はない。
- 静止画でのオートフォーカスは高速かつ正確だ。
- 40Gはサングラスをかけた被写体でも瞳AFが正常に動作する。 この技術は本当に成熟しており、40Gはそれを最大限に活用している。
- 40Gは小絞りでもよくピントが合い、ウォブリングやピントの迷いはない。
- 40Gは24Gに比べて接写性能が格段に向上している。オートフォーカス時の最短撮影距離は28cmだが、24mmや50mmのGレンズと同様に、マニュアルフォーカスでもう少し近づけることができる(25cm)。
- オートフォーカス時の最大撮影倍率は0.20倍だが、マニュアルフォーカスでは0.23倍となるので、これはとても便利だ。 サムヤン(0.12倍)を確実に上回り、シグマ(0.25倍)の接写能力にも迫る。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 接写でもディテールはかなり良好だ。しかし、コントラストはそれほど高くない。
- MTFの結果が示すように、中央と中間フレームには素晴らしいディテールがあり、隅でわずかな落ち込みがあるだけだ。フレーム隅は、予想よりも少し良好だ。
- 周辺部はディテールが若干ぼやけているが、全体的に見るとF2.5での結果は非常に好ましい結果である。
- 絞り込んでも、フレームの中央部では急激な変化がない(すでに優れているため)
- では、競合他社と比べてどうなのか?
SIGMA 45mmF2.8 DG DNをテストしたのは、現在のチャートテストに切り替える直前だったので、理論的な比較は出来ない。とは言え、シグマの絞り開放におけるシャープネスはあまり感心しなかった。- サムヤン AF 45mm F1.8 FEは、MTFを見ると、中央と中間フレーム(F1.8)では少しシャープさに欠け、四隅では少しシャープさが増している。 私が持っている実物を使ったテストでは、ソニーは中央部が明らかにシャープで、サムヤンの隅での優位性はごくわずかだ。
しかし、これはサムヤンの方が1段近く明るい状態だ。 両方のレンズをF2.8まで絞ると、サムヤンがよりシャープなレンズとなるが、その差は大きくない。 F5.6に絞ると、両方のレンズともフレーム全体でほぼ完璧だ。像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- ボケ味は大部分の状況でかなり良好だ。とても柔らかい背景を作り出すことができる。そして、被写体に素晴らしいシャープネスを与えることが可能だ。
- しかし、いくつかの場面では、ボケの「アウトライン化」の傾向が見られ、円形のハイライトが少し「目立って」しまうことがあった。
- 絞り羽根は7枚あり、「円形絞り」と記載されているが、F4(1/3段絞り込んだ状態)でも、絞りの形がよくわかる。
- 全体的な結論として、ボケの質は良好だと思う。
色収差:
- 横方向の色収差はよく抑えられており、フレームの端に近い黒から白への移行部でもフリンジはほとんど見られない。
- ピント面の前後にはわずかに軸上色収差が発生している。しかし実際に使用してみて、特に不都合な点は無い。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 24mm F2.8 Gは、プロファイル補正隠れて実に醜い歪曲収差と周辺減光を隠していた。40Gも同じことが起こるのではないかとやや心配していたが、幸いなことにそうではなかった。遥かに扱いやすい量に抑えられている。
- 軽度の樽型歪曲であり、Lightroomのゆがみ補正で+5にするときれいになる。
周辺減光:
- 24mm F2.8 Gは、プロファイル補正隠れて実に醜い歪曲収差と周辺減光を隠していた。40Gも同じことが起こるのではないかとやや心配していたが、幸いなことにそうではなかった。遥かに扱いやすい量に抑えられている。
- 周辺減光は+47で中程度に補正され、隅は2EVをわずかに下回っている。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光耐性はかなり強いが、24Gほどではない。
- 絞り開放ではフレアの兆候は見られず、ほとんどのポジションで小絞りまで絞ってもゴーストの発生はほとんど見られない。
- 一部のポジションでは、コントラストが強いにもかかわらず、わずかにゴーストが発生した。
- 総合的に見て非常に良好な性能だと思う。
総評
FE 40mm F2.5 Gとその他2本のレンズは、一部の写真家にとって魅力的な選択肢となるだろう。 これらのレンズは、コンパクトで軽量なプレミアムレンズだ。作りは、基本的にG Masterレンズを小型化したようなもので、総金属製の構造、豊富な機能、高品質な防塵防滴を備えている。 40mmは一般的な焦点距離ではないが、人気が高まっている焦点距離の一つだ。 私は個人的にそのパースペクティブがとても好きで、人生の日常的な瞬間を切り取るのに最適なレンズだと思っている。 家族と一緒にテーブルやリビングを囲むのに適した焦点距離であり、高い耐候性と173gの軽量性は、アウトドアでの冒険にも適している。 一日中持ち歩いても重さが気にならない。
しかし、小型化されたリングやボタン、スイッチ類は、寒い季節に手袋をしていると操作しにくいかもしれない。 しかし、このようにコンパクトなレンズに多くの機能を詰め込むと、それは避けられないことだ。 本レンズの光学性能は全般的に優れており、コンパクトなサイズにもかかわらず、大きな光学的欠点はなく、色とディテールの詰まった画像が得られる。
このレンズには約600ドルの値札がついている。レンズの構造、オートフォーカス、光学性能などのプレミアム性を考慮すると、実際には適正な価格だと思うが、多くの写真家は「たった」F2.5の口径のレンズに600ドルの価値があるのか疑問に思うかもしれない。
個人的には、シグマ「45mm F2.8 DG DN」よりも迷わずこのレンズを選ぶ。ソニーの方がシャープで、優れた耐候性を持ち、しかも軽量だ。それにシグマとの差額はわずか50ドルだ。しかし、サムヤン AF 45mm F1.8はかなり安く魅力的なレンズである。 選択肢が豊富な昨今だが、小さくても高性能なレンズが欲しいなら、FE 40mm F2.5 Gはとても良い選択だと断言できる。α7Cと組み合わせる完璧なレンズを探しているのであれば打ってつけだ。
- 長所:
・高級感のあるデザインながら小型軽量
・高いビルドクオリティ
・高品質な防塵防滴
・全体的に優れた絞り開放のシャープネス
・低色収差
・驚くべき逆光耐性
・大部分の状況で良好なボケ
・良好な発色- 短所:
・一部の人には高すぎると感じると思う
・目立つフォーカスブリージング
・小さなコントロールは手袋装着時に難しくなる
とのこと。
優れたレンズの作りと光学性能、そして操作性・機能性を兼ね備えた小型軽量なハイグレードレンズに仕上がっているみたいですね。シグマ「45mm F2.8 DG DN」と似ているようで似ていない面白い選択肢。特に高解像カメラに装着しても全くぶれない解像性能は凄いですね。ヌケも良く、ボケも多くの状況で素敵な描写となる模様。
私もα7R IVと組み合わせて使用しており、概ね同意できる内容となっています。周辺減光こそ強いものの、確かにシャープで、機能的。色やコントラストにはパンチがあり、F2.5と小口径ながらピント面を引き立たせるものを備えています。小型軽量ながら絞りリングとAFLボタンを兼ね備え、さらに絞りリングのクリックを解除できるのだから凄い。
半値で買える2/3以下の価格で買えるサムヤン「AF 45mm F1.8 FE」は確かに要検討ですが、個人的には40mm F2.5 Gをおススメします。
ソニー「FE 40mm F2.5 G」交換レンズデータベース
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