Amateur Photographerが「FE PZ 16-35mm F4 G」のレビューを公開。パワーズームは一見するとビデオグラファー向けですが、リニアレスポンスのズームリングで静止画ユーザーも違和感なく使えると言及しています。
Amateur Photographer:SONY FE PZ 16-35MM F4 G REVIEW
外観・構造:
- 焦点距離は従来のZAレンズと同じだが、パワーズームに対応したF4ズームレンズだ。
- 12群13枚のレンズ構成には2つの高度非球面レンズに加え、EDガラスとスーパーEDガラス、非球面EDレンズを使用している。
- プラスチック製の外装は防塵防滴仕様で、前面にはフッ素コーティングが施されている。
- レンズフードは逆さ付けに対応しているが、フォーカスリングが隠れてしまう。
携帯性:
- 前モデルよりも小型軽量だ。
- わずか353gで、フルサイズ用の広角ズームとしては最軽量だ。
- 比較的コンパクトなα7シリーズと相性が良い。
操作性:
- パワーズームはフォトグラファーにとって不便と思われるかもしれないが、これは見事に機能する。
- ズームリングはフォーカスリングと同じようにリニアレスポンスでズームが可能だ。動画撮影時は可変速のズームレバーで操作できる。
- ズームリングとフォーカスリングは直径が明らかに異なるので誤操作の可能性は低い。
- 2つのリングは似たような外観だが、ズームリングのほうがトルクが僅かに強い。
- AF/MFスイッチや絞りリング、クリックレス用のスイッチ、AFLボタンなど、最新のレンズらしいコントロールだ。
- 絞りリングはF4からF22まで1/3段ごとに動作する。
- ズームレバーのようにフォーカスレバーもあると良かった。
フォーカス:
- 応答性の高いXDリニアモーターを使用している。
- 最短撮影距離は28-24cmだ。
- フォーカス性能は抜群である。高速かつ静かで正確だ。
- ケチのつけようがない。
- MFはリニアレスポンスで直感的な操作が可能だ。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正は搭載していない。
解像性能:
- α7R IVでテストしたところ、
- 中央のみならず、あらゆる領域がシャープだ。
- 極端な隅は等倍で見ると完璧とは言えない。
- ズーム全域、絞り全域で不快感のない一貫した画質だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 接写時のボケは少し騒がしい。
色収差:
- 記載なし。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- カメラ内で歪曲収差の補正をオフにすることは出来ない。
- RAWでは広角で非常に大きな樽型歪曲が発生する。
- 陣笠状の複雑な歪みであり、補正用のプロファイルが必須だ。
- 焦点距離が長くなると歪曲収差は徐々に低下する。
周辺減光:
- 記載なし。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 絞りは7枚で、絞ると14本の光条が発生する。
- フレアやゴーストは最小限に抑えられている。
総評
パワーズームだからと言ってビデオグラファー専用レンズではない。ズームリングの操作性を改善し、静止画撮影でも機能的なレンズに仕上がっている。今後、さらにこのようなレンズが作られることだろう。F4広角ズームとしては高価だが、小型軽量で操作性は良好だ。ZAレンズと比べて画質も優れている。
その一方でタムロン「」はズームレンジが狭いものの、大口径で優れた光学性能を備えている。そして価格も手ごろでコストパフォーマンスは高い。そう考えると、少なくとも現在の価格で「FE PZ 16-35mm F4 G」が魅力的と感じるのは動画撮影者だと思われる。それでも小型軽量で優れた光学性能・コントロールの本レンズは、旅行などで携帯性の良いレンズを探している人にとって魅力的な選択肢となるだろう。
- 長所:
・見事なシャープネス
・小型軽量
・レスポンスの良い電動ズーム
・豊富なコントロール- 短所:
・広角はRAWで巨大な歪曲
・光学手ぶれ補正なし
・高価
とのこと。
ズームレンズの駆動に4基のXDリニアモーターを、フォーカスレンズの駆動に2基のXDリニアモーターを使用し、計6基のXDリニアモーターを搭載しています。にも関わらず、インナーズーム・インナーフォーカスを実現し、防塵防滴で豊富なコントロールを搭載。それで広角ズーム最軽量なのだから驚きですねえ。
電子制御となるズームリングはリニアレスポンスで、通常ズームリングと比べて違和感なく使うことが出来るのは便利ですね。現在の焦点距離はライブビュー中の表示に頼ることとなりますが、それ以外は特に問題なさそう。
6100万画素センサーを搭載するα7R IVで使用しても良好な光学性能を維持している模様。隅の端は少し甘いと言及しており、これはDPReviewなどのオリジナル写真データを確認しても同様でした。大きな歪曲収差を補正する流れで画質がソフトとなっているのか不明ですが、部分的に妥協点は存在するようです。とは言え、それ以上に小型軽量化やパワーズームの恩恵が大きいと感じるかもしれません。
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