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LAOWA CF Argus 33mm F0.95は最高の中央解像と最悪の逆光耐性を併せ持つ

LenstipがLAOWA CF Argus 33mm F0.95のレビューを公開。Z 50mm F1.8 Sを超えるピークの中央解像を備えているものの、諸収差の補正状態がイマイチで、さらに逆光耐性は最悪と評価しています。

Lenstip:Venus Optics LAOWA Argus 33 mm f/0.95 CF APO

レンズの紹介:

  • LAOWAは個性的で競合他社の少ないレンズラインアップが特徴だ。彼らはこのラインアップに大口径Argusシリーズを加え、このレンズは記念すべき最初の一本だ。
  • APS=C用のMFレンズである。対応マウントはキヤノンEF-M・RF・ニコンZ・ソニーEだ。

ビルドクオリティ:

  • 直径25mmの後玉は周囲を黒塗りされた内筒に隠れている。後玉は可動式で、フォーカスを無限遠に設定するとマウントと同じレベルまで移動する。最短撮影距離では約1cmほど奥へ移動する。
  • F0.95-F4-F8-F11の被写界深度表示がある。
  • 電子接点が無いのは残念だが、今後追加されるかもしれない。
  • 直径47mmの前玉は固定され動かない。
  • レンズフード用のキャップは簡単に外れてしまう。
  • イメージサークルはフルサイズをカバーしていない。

携帯性:

  • APS-C用の標準大口径 F0.95レンズとしては最大クラスだ。物理的に大きく重いのは明らかである。

操作性:

  • 11mm幅の絞りリングはF0.95-F1.1-F1.4-F2-F2.8-F4-F5.6-F11のマーキングがある。F8の表示は無いが、ドットで判断することが可能だ。
    絞りリングは滑らかに回転するが、クリック式を切り替えることは出来ない。
  • 幅36mmのフォーカスリングは滑らかに回転し、十分な抵抗を備えている。ストロークは320度もあり、とても高精度なフォーカスが可能だ。

オートフォーカス:

  • 記載なし。

マニュアルフォーカス:

  • 長いストロークと良好な操作性により高精度な操作が可能だ。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • Z 7のDXモードでテストした。我々のテストではFXモード・DXモードのどちらを使用するかは関係ない。
  • 良像の基準値は41-43lpmmだ。
  • 最高のレンズで85lpmmに達することがある。
  • 絞り開放の中央は最高と言えず、良像の基準値も下回っている。それでも、絞ると急速に改善し、F1.4までに本当に良好な結果を得ることが出来る。
  • 中央はF2以降で優れた水準となり、F2.8で記録的な解像度を達成する。これは過去のレコードホルダーであるZ 50mm F1.8の85..6lpmmよりも2lpmm高い数値だ。
  • フレーム端は中央と比べると低下する。大口径レンズなので仕方ないかもしれないが、それでも画角の狭いレンズなので、より均質的であるべきだったと思う。
  • 端はF0.95からF1.1まで良像の基準値を下回り、F1.4で良像を得られるようになる。絞った際の解像度は中央よりも遥かに悪く、60lpmmを超えるのはF5.6まで絞った時だ。
  • 全体的にそれほど悪い結果ではなく、このカテゴリとしては最高の性能だ。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • ボケはきちんとしている。均質な描写で、輪線ボケの効果はほとんど目立たない。
  • 口径食は2段絞っても目に付く。

色収差:

  • 軸上色収差は絞り開放のシャープネスが低いので、目立たない。F1.1まで絞るとシャープになり色収差も顕在化するが、それでも大きな問題はない。
  • 倍率色収差は0.03-0.04%と非常に小さな数値である。

球面収差:

  • 球面収差は残存しており、フォーカスシフトの影響や前後のボケには明らかな差が見られる。

歪曲収差:

  • -1.25%の樽型歪曲だ。高い数値ではないが、現代の標準レンズはゼロに近いので、オールドレンズのような数値だったのは残念だ。

周辺減光:

  • 絞り開放で-2.31EVと大きな光量落ちが発生する。しかし、F0.95の開放F値を考慮すると許容範囲内だ。
  • F1.1で-2.02EVまで改善し、F1.4で-1.33EVとなる。

コマ収差:

  • 大口径レンズらしくコマ収差は目立つが、幸いにもF1.4まで絞ると大幅に改善する。ただし、それでも目に付く。
  • 非点収差は22.5%と目立つが、F1.4以降は非常に小さな数値となる。

逆光耐性:

  • 逆光耐性は残念だ。太陽がフレーム内にあるなしに関わらず、大幅なコントラスト低下が発生する。ここまで逆光に弱いレンズは久しぶりだ。

作例集

総評

LAOWA Argus 33mm F0.95 CF APOは、間違いなく非常に興味深いレンズであり、使っていて楽しい。500ドルという価格は、決して安いとは言えないが、そのユニークなパラメーターを考慮すると、常識的な値付けだと思う。F0.95での画質には少し不満があるものの、絞るとすぐに改善され、もう少し絞ると記録的な解像度に達する。全体として、このレンズを購入した人は、その性能に満足できると思う。

状況が完璧ではないだけに、批判的なコメントがあってもおかしくはない。LAOWAはそろそろ逆光耐性の問題と電子接点の追加を真剣に検討するべきだ。立ち上げたばかりの会社であれば、多少の欠陥には目をつぶることができるものの、最初のレンズを発売してから6年が経過しているのだから、少しは基準を上げてもいいのではないか。このような堅実なスタートを切った後、Argus 0.95/33のフレアに関するような失敗がないように、高いレベルを維持していただきたいと思う。

  • 長所
    ・頑丈な金属鏡筒
    ・優れた中央画質
    ・きちんとしたフレーム端の画質
    ・倍率色収差の補正
    ・穏やかな歪曲収差
    ・ボケ
    ・個性的なパラメータ
  • 短所
    ・逆光耐性が最悪
    ・周辺減光が目立つ
    ・非点収差が目立つ
    ・コマ収差が大きい
    ・球面収差が残っている

とのこと。
絞った際の中央解像がZ 50mm F1.8 S以上というのは凄いですね。ただし、周辺部は伸び悩み、逆光耐性や諸収差の問題などは残っている模様。国内で6.6万円と手ごろな価格設定を考慮すると妥協すべきポイントでしょうか?とは言え、「7Artisans 35mm F0.95」が3万円切りで手に入ることを考えると少し高いと感じるかもしれません。

逆光耐性は確かに問題となる可能性があり、レンズフードは必須。そして太陽光線には十分な注意が必要となるようです。私も過去に何本かLAOWAレンズを購入したことがありますが、どれも逆光耐性は低め。他社(中国レンズメーカー)と比べて複雑なレンズ構成が仇となっているのかもしれませんね。ただし、フレアを避けて撮影したと思われるサンプルショットでは、溶けるように滑らかなボケと、十分な解像感を備えた画質に見えます。(以下にサンプルショットを確認できるリンクを掲載)

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